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2010年2月17日
Saskatchewan Power Corporation
株式会社日立製作所
CCS実証プロジェクト向け150MW級蒸気タービンおよび発電機を受注
カナダの電力会社であるサスカチュワン州電力公社(Saskatchewan Power Corporation、本社 : カナダ サスカチュワン州レジャイナ市、社長兼CEO : Garner Mitchell/以下、サスクパワー社)と株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長 : 川村隆/以下、日立)は、このたび、CO2回収・貯留(CCS : Carbon Capture & Storage) 技術をはじめとする低炭素エネルギー技術分野での技術開発および運用における協力協定に合意しました。さらに、日立の子会社である日立カナダ社(本社 : カナダ オンタリオ州ミシサガ市、社長兼CEO : Howerd Shearer)では、サスクパワー社が計画を進める世界有数の大型CO2回収実証計画であるバウンダリーダム(Boundary Dam)CCS実証プロジェクト向けに、150MW級の蒸気タービンおよび発電機を受注しました。
カナダでは、電力需要が増加傾向にある一方で、電力会社には、世界的な課題としてCO2排出抑制をはじめとする地球温暖化対策が求められています。日立は、過去40年以上にわたって、石炭火力、天然ガス火力、風力といったさまざまな発電分野で、サスクパワー社に発電設備を提供してきました。1988年には、サスカチュワン州に発電機器の製造拠点としてHitachi Canadian Industries Ltd(以下、日立カナダ・インダストリーズ社)を設立し、サスカチュワン州およびサスクパワー社と緊密な関係を築いてきました。
このたび、サスクパワー社と日立では、これまでの両社の協力関係、長年培った技術力・ノウハウをもとに、CCSや排ガス処理設備(AQCS : Air Quality Control System)、高効率ボイラー・タービン・発電機等、幅広い分野での低炭素エネルギー技術の開発および運用における協力協定を締結しました。サスクパワー社は、本合意に基づき、カナダ政府およびサスカチュワン州からの支援が期待されるCCS実証計画「Saskatchewan Reference Facility for CCS」にて進める、商用運転の実用化や低コスト化の技術革新の実現に向けて、取り組んでいきます。
さらに、日立は、日立カナダ社を通じて、サスクパワー社が計画を進めるバウンダリーダムCCS実証プロジェクト向けに、150MW級の蒸気タービンおよび発電機を受注しました。バウンダリーダムCCS実証プロジェクトは、サスカチュワン州エステバン近郊のバウンダリーダム火力発電所の老朽化した3号機を、信頼度が高く長期運用が可能で、環境負荷の低い、基幹(ベースロード)の電力発電設備に再生するプロジェクトで、州内の石油増進回収(EOR : Enhanced Oil Recovery)と温室効果ガスの削減をめざしています。本プロジェクトは、世界で最初の大型CO2回収実証計画の一つで、今後、技術・経済・環境面からCCS技術を検証・評価していきます。本プロジェクトは、サスカチュワン州への投資の促進、CCS技術の適用による石油増進回収の進展、石炭火力発電設備の寿命が30年間延長されることによる雇用創出といった、地域経済への効果も期待されています。本タービンの一部も、サスカチュワン州にある日立インダストリーズ社にて製作します。
サスクパワー社と日立は、今回の協力協定をもとに、低炭素エネルギー技術の開発を進め、低炭素社会の構築と、サスカチュワン州経済の発展に貢献していきます。
以上