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2010年1月27日

クラウド時代のシステム構築を支える「Cosminexus」を機能強化

仮想化対応の強化やシステム開発生産性の向上などを図り、
さらなる迅速・確実なシステム構築を実現

  株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長 : 川村 隆/以下、日立)は、このたび、クラウドコンピューティングの進展でさらなる迅速・確実なシステム構築を求める市場ニーズに対応し、SOAプラットフォーム「Cosminexus V8」の機能を強化し1月28日から販売開始します。本製品では、仮想化対応やシステム開発生産性向上に関する機能の強化・拡充により、さらなる迅速・確実なシステム構築を実現して、クラウド時代の変化に即応した企業のビジネス戦略実行を支援します。

  クラウドコンピューティングが進展する近年、情報システムでは仮想化によるサーバ統合などでのシステムコストの最適化に向けた取り組みが進んでいます。また、クラウド時代の変化に即応し、迅速・確実なビジネス戦略実行を支えるシステムの実現が求められています。
  この状況をふまえ日立は、日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」におけるシステム基盤を担う製品として「Cosminexus V8」の機能を強化し、クラウド時代のさらなる迅速・確実なシステム構築実現に寄与します。

機能強化の概要

  近年、クラウドの進展でシステム構築の確実性や生産性、柔軟性などがさらに重要となっています。たとえば、仮想化システムにおいて複数の仮想サーバ上へ業務アプリケーションを配置し、運用に応じて配置を適宜変更するような複雑な環境下でも確実・柔軟に業務を実行できるシステムを構築できるかの点や、システム間連携が年々多様化し、既存システムと新システム間の接続をいかに迅速に実現するか、などの各種課題に対応することが重要となっており、今回はこれらに対応する各種機能の強化を図っています。

1.仮想化対応の強化

  • (1)仮想サーバの構築時間を最大1/10に短縮する一括環境設定機能を新たにサポート
      仮想サーバを業務アプリケーション単位で一括構築し、さらに各仮想サーバのアドレスやロードバランス(負荷分散)設定など、各種環境パラメータ設定を自動で行う機能をアプリケーションサーバ製品「uCosminexus Application Server」で新たにサポートします。
      これにより、業務アプリケーションが複数の仮想サーバ上に配置され実行されるシステムの構築時、従来は仮想サーバの環境設定スクリプトを複製したのち、仮想サーバ1台ごとに業務アプリケーションの環境設定をする面倒な作業や設定ミスのおそれがあったのに対し、今回の機能強化でこれらの懸念を大幅に軽減し、環境設定時間を従来比で最大1/10に短縮します。

  • (2)業務アプリケーション運用支援機能強化で 運用操作時間を最大約1/3に短縮
      仮想化環境で、業務アプリケーションが物理/仮想サーバにどう対応づいて構成されているかを的確に把握・管理することが運用上のポイントですが、従来の仮想サーバに対する管理だけでは業務アプリケーションの状況把握や起動・停止などの運用操作が複雑で、仮想サーバごとに業務アプリケーションの運用操作の手間が必要となるなど、ミスを誘発しやすい状況にありました。
      今回「uCosminexus Application Server」で物理/仮想サーバ/業務アプリの対応構成を可視化することにより、運用操作対象となる業務アプリケーションを指定するだけでアプリケーションの起動/停止などの操作を新たに可能としました。これにより、従来の運用操作時間を最大1/3に短縮したほか、当社の統合システム運用管理「JP1」との連携により、業務アプリケーションの日次運用のスケールイン/アウトや週次運用の起動・停止などのスケジューリングも可能としています。

  また、従来の「Cosminexus V8」でサポートしたFullGC*1レス機能も強化し、「Cosminexus」が独自にメモリ管理対象とするオブジェクトの範囲を拡張したことで、プログラミングレスで簡単・確実なFullGCレス対応を可能とし、システム性能確保とさらなる高信頼化に寄与します。

*1
FullGC : 未使用メモリを自動的に解放するJavaVM(Java Virtual Machine : Java仮想マシン)の処理。JavaベースのWebシステムでは、不要となったメモリの解放処理でCPUが長時間占有され、業務アプリケーションの処理停滞やレスポンス低下を招く。

2.システム開発生産性のさらなる向上

  今回は仮想化対応強化に加え、今後のシステム間接続のさらなる多様化や業務データの大量化などに対応したシステムの開発生産性を向上する各種機能も強化しています。

  • (1)システム間接続機能の強化
      既存システムから新たな業務システムへの連携プログラムの作りこみをいかに低減するかが、迅速なシステム間接続実現のために重要ですが、今回は、SOA実行基盤製品「uCosminexus Service Platform」で既存のメインフレームやトランザクション制御システムから 新規業務システムへの連携を「サービスバス」*2でさらに容易にしています。また、「SAP ERP6.0」と新業務システム間をWebサービスで簡単に接続可能としたことで、これらのシステム間接続工期を従来比で最大50%短縮しており、接続システムの多様化に対応した迅速なシステム構築を支援します。

    *2
    サービスバス : Webサービス関連の標準技術をベースに、システム間のデータ連携を実現させる技術
  • (2)大量データバッチ処理基盤構築の迅速化
      大量データを処理するバッチ業務を効率的に開発することが、業務データの大量化に対応する上で重要ですが、データ制御ロジックや入出力処理の作りこみの手間を削減することが課題となっていました。今回「uCosminexus Service Platform」で大量のメッセージ処理が可能な「サービスバス」や各種アダプタ・BPEL*3などを利用し、数ギガバイト規模の大量メッセージの振り分けや変換を一括処理する入出力プログラムや、制御ロジック部分の開発量を削減可能としています。これにより、これらの処理部分について従来比で最大60%の工期短縮を図っており、業務データの大量化に対応するシステムの迅速な構築を支援します。

    *3
    BPEL : 複数のWebサービスを順に呼び出して実行する手順を、一連のビジネスの流れとして記述するための言語

  なお、このほか、製造現場などで刻々発生する大量のリアルタイムデータのモニタリングや分析処理の基盤製品「uCosminexus Stream Data Platform」を機能強化して開発迅速化をはかり、また、Webと電話を連携させNGNに対応したサービスを提供するアプリケーション開発のためのWeb/テレコム連携サービス構築支援アダプタ「uCosminexus NGN Application Adapter」をあらたにラインアップに加えたことで、各種の新技術を活用した高付加価値サービスの実現も支援します。

「Cosminexus」ホームページ

関連情報

価格および出荷時期

製品名 概要 価格 出荷時期
uCosminexus
Application Server
  仮想環境における構築・運用を
強化するアプリケーションサーバ
製品
1,260,000円〜
(税抜 : 1,200,000円〜)
2月25日
uCosminexus
Service Platform
  ビジネスプロセス管理と柔軟な
サービス連携機能を備えたSOA
実行基盤製品。
4,410,000円〜
(税抜 : 4,200,000円〜)
3月26日
uCosminexus
Stream Data
Platform
  大量データをリアルタイムに集計・
分析する基盤製品。
2,100,000円〜
(税抜 : 2,000,000円〜)
2月26日
uCosminexus
NGN Application
Adapter
  NGNを利用したWeb/テレコム
連携のためのアダプタ新製品。
2,100,000円〜
(税抜 : 2,000,000円〜)
3月1日

商品名称に関する表示

記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 ソフトウェア事業部 計画部 [担当 : 茶谷]
〒244-8555 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町5030番地
電話 : 045-862-8996 (ダイヤルイン)

以上

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