このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。
2009年10月1日
株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長:川村 隆/以下、日立)は、社会イノベーション事業を軸とした事業構造改革による競争力強化施策の1つとして、10月1日よりカンパニー制を導入しました。
これに伴い、日立内に「電力システム」「社会・産業インフラシステム」「都市開発システム」「情報制御システム」「情報・通信システム」「ディフェンスシステム」の6つのカンパニーを設置しました。各カンパニー社長の今後の経営方針を以下の通りお知らせします。
電力システム事業は人々の生活を支える電力、産業、医療分野におけるインフラ提供や地球温暖化の防止によって世界に貢献する極めて意義の大きな事業であり、将来にわたって成長を続ける事業であると考えています。電力システム社の総力を結集すると共に、他のカンパニーとの融合も進めることで、グローバル競争に勝ちぬく世界トップレベルの会社へとさらなる成長を図っていきます。具体的には、低炭素社会構築への貢献、グローバル化の推進、収益力の向上により、2011年に売上高1兆円 営業利益率5%の実現を目標に取り組んでいきます。
高効率火力発電・酸素燃焼システム・CO2回収技術の国際開発の推進や、CO2排出ゼロの原子力発電の国内外の受注活動を強化、さらに「新エネルギー推進本部」を設立して取り組んでいる風力・太陽光・スマートグリッド分野の事業強化を通じ、低炭素社会構築に貢献していく所存です。
火力発電システムについては、欧州トップシェアのボイラや、世界トップシェアの脱硝触媒といった実績をもとに、欧州・米州・アジアに構築したグローバル拠点を活用し、それぞれの地域はもちろん、新興市場へも展開を図ります。また原子力発電システムについては豊富な国内での実績とGEとの協創により海外有望市場に参入をめざします。
プロジェクトマネジメント力の強化、優位技術の開発による高シェア製品の拡大、受注からアフターサービスまでのモノづくり力の強化を通じて収益力向上を図ります。
社会・産業インフラシステム社は、“社会・産業のインフラ事業を支えるグローバルカンパニー”への成長をめざします。このビジョンを実現するための戦略は以下の通りです。
車両、電気品、信号システム、変電システム、運行管理・営業系システム、モノレール等のすべてに関わる技術と実績をベースに、ハイブリッド駆動システムや、省エネと乗客のサービス向上を実現する次世代車両制御システムの開発など、常に同業他社に先んじる技術開発により国内の交通インフラ事業を支えていく所存です。さらに中国、英国等で実績を有し、世界標準規格への対応も順調に進めており、欧州や新興国の鉄道網整備機会を捉え、さらなるグローバリゼーションのために現地パートナーとのアライアンス、現地保守/生産拠点の設立を進めます。
地球温暖化による渇水リスク、上下水道設備の老朽化等の課題が顕在化しつつある国内上下水道分野においてシステム機器に加え高度処理・制御技術により水運用の計画・維持管理支援を拡大します。さらに水源保全、上下水道、治水・利水等の幅広い領域におけるソリューション技術と実績を活かした、水道関連施設の維持管理や事業運営といったグローバルビジネスモデルの検討に着手します。
世界トップクラスのシェアを有する冷延設備の鉄鋼制御システムでは、新興国での事業拡大を進めています。また、製造業の省エネ対応として顧客とのフィジビリティスタディを通したプラント設備の省エネソリューションを提供しています。特に対策が急務である中国では、省エネインバーター事業に注力し、雲南省での日中省エネモデルプロジェクトの推進や、現地パートナーとのアライアンスによる省エネ機器の製造・販売も行っており、今後は他の新興国にも事業を拡大していきます。さらに日立 グループはOIL&GAS市場に主要な原動機システムを多数納めており、環境負荷の比較的少ないエネルギーの一つとして注目される天然ガス、中でもガス田数で80%強を占める中小ガス田開発に向け、日立グループの各事業部門と連携しながら、電機制御システムを中心としたトータル提案を推進していきます。
「都市開発システム社」では関連グループ会社との一体運営を今まで以上に深め、営業、生産からサービスまでの事業効率向上を徹底していきます。これにより、市況変動に素早く対応できる体制を確立し、またグループ全体最適による収益の最大化をめざします。
昇降機事業は、グローバルな開発・生産・サービス体制を構築してアジアでの事業基盤を強化し、 マーケットに適したコスト競争力のある製品を次々と投入することでシェア拡大、新興地域での事業 拡大の加速をめざします。また国内リニューアル事業、中国の保全事業の強化にて安定収益構造を 進展させます。
ソリューション事業は「セキュリティ」「省エネルギー」「ビル総合管理」の3事業を柱として、顧客ニーズを捉えかつ他社優位のソリューションを提供し、ストックビジネスを展開することで、長期安定的な収益構造の強化を図ります。
さらに、情報・通信事業との連携など、他カンパニーやグループ会社との事業・技術連携を加速し、社会イノベーション事業の強化を進めていきます。
情報制御システム社は、情報と制御システムの技術を活用し、社会インフラのイノベーションに貢献する安全・安心かつ「スピーディー」で「スマート」な21世紀型のインフラを他社に先んじてグローバルに提供していきます。具体的には、他カンパニーとの協創を深め、以下の方針で事業を展開します。
情報制御システム社は情報から制御システムまでのトータルソリューションを提供できる世界にも類を見ないカンパニーです。さらに、他カンパニーの横串を通す重要な役割も担っています。グループ内外の強力なパートナーとともに、日立グループのさらなる飛躍をめざします。
情報・通信部門は、日立製作所の情報・通信グループ、日立ソフトウェアエンジニアリング、日立情報システムズ、日立システムアンドサービス、日立電子サービスおよびそれぞれの連結会社で組織する「情報・通信システム社」として新たにスタートしました。このカンパニーを新たな成長軌道に乗せていくために、各社それぞれが今まで以上に一体となって戦略を共有し、より大きなグループ・シナジーを発揮していけるように、グループ連結経営基盤のさらなる強化を図ります。これを基に、日立グループの強みである社会イノベーション事業への取り組みを加速し、将来に向けてグローバルでの成長をめざしていきます。
カンパニーとして「お客様との協創による社会イノベーションへの貢献」を経営ビジョンとしました。他カンパニーとの協創をより深め、競合他社に真似のできない高信頼・高付加価値な社会インフラをしっかりと提供していきます。
このビジョンを実現するための重点施策は以下の通りです。
お客様満足のさらなる向上と事業拡大をめざして、コンサルティングから、システム構築、運用・保守・サポートというシステムライフサイクル全体でのITプラットフォームを含むソリューション提供を強化し、サービス比率を拡大していきます。
成長を実現するため、ストレージの強みを活かしたプラットフォームソリューションの提供力強化とともに、コンサルティング事業の業容を拡大し、ソフトウェア/サービス比率の拡大を図ります。また、ストレージ、ATMなど強い製品を核とした新興国市場開拓や指静脈認証などの得意技術を活かした新市場創出を進めます。
日立クラウドソリューションHarmonious Cloudのサービスメニュー拡充を各社連携のもと推進します。日立ならではの高信頼ITプラットフォームを十分に活かしたクラウドサービス基盤を提供し、ミッションクリティカルな業務への適用をめざします。
情報制御システム社などとの協創により、情報通信システムと電力・電機システムの融合事業の立ち上げを加速します。また、私たちはこれまで金融、公共、通信、製造、流通などさまざまな分野のお客様のイノベーションに貢献してきた実績もあります。情報・通信システム社の持つIT分野の強みを発揮して、社会インフラを支える高信頼なITプラットフォームを提供します。
情報・通信システム社は、グループ連結経営基盤を強化し、グループ力を最大限に活かし、お客様のイノベーションに引き続き貢献していくとともに、2011年度に売上高2兆円、営業利益率7%*1という目標に向けて、引き続き取り組んでいきます。
私たちはこれまでディフェンスシステム事業部として「防衛、危機管理事業で国家安全保障に貢献し、お客様に最も信頼される企業になる」ことを標榜してきました。ディフェンスシステム社が扱う製品は、電気・機械・情報のあらゆる分野に関係しています。電気推進システム、衛星情報処理システムでは関連カンパニーと密接な連携をとり事業を推進してきました。これまで培った画像処理、音声処理、高度セキュリティ、高信頼システムの構築等のコア技術を日立グループの技術と融合し付加価値を生み出し、ソリューションを提供してきたのです。今後は、これを更に発展させ、日立グループの「社会イノベーション事業を軸に、強い日立を復活する」という経営方針の下に「安全・安心」に関連する事業を横断的に主導し、新たなシナジーを創出することによりこれまで以上に社会に貢献する会社へと変革を遂げていきます。ディフェンスシステム社は常により高い技術に挑戦する気持ちを持ち、社会インフラ安全保障事業による国民の「安全・安心社会実現」に邁進していきます。
以上