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Hitachi

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2009年3月2日
株式会社日立製作所
株式会社明電舎

日立と明電舎が省エネ・衛生管理のための遠隔監視ASP事業を開始

  株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)と、株式会社明電舎(取締役社長:稲村 純三/以下、明電舎)は、工場の電力使用量や店舗で保存されている食品の温度や湿度を、無線センサネットを通じきめ細かに計測することで、工場や店舗の省エネや衛生管理を簡単に低コストで実現する遠隔監視ASP(Application Service Provider)事業を、3月より共同で開始します。

  現在、工場では設備ごとの電力使用量を細かく監視し、管理する事で省エネを図る動きが活発になっています。また、食品を扱う工場やコンビニ、スーパー、レストランなどの店舗では、省エネに加え食品の安全と品質の保持を規定したHACCP*1に対応するため、温度や湿度などをより厳しく監視するなど、衛生管理の強化が求められています。

  このような背景から、日立と明電舎は、日立の無線を利用したセンサ技術と、明電舎の持つ工場の監視制御の豊富なノウハウを組み合わせ、工場での電力使用量や店舗の温度や湿度を細かく監視することで、工場や店舗の省エネや衛生管理を簡単に低コストで実現する遠隔監視ASP事業を3月より開始します。
  今回、共同で開始する遠隔監視ASP事業は、電力使用量、温度・湿度、照度などを計測する複数のセンサを、必要な場所に手軽に設置できる日立の無線センサネットシステム「AirSense」と、センサが計測した情報を収集し、第3世代携帯電話のパケット網を活用してASPサーバに転送する、明電舎の遠隔監視システム「TELEMOT」とを組み合わせたものです。「AirSense」「TELEMOT」ともに小型・軽量で通信線の設置の不要で設置が容易なため、導入コストや運用コストに優れています。また、計測した電力使用量や温度・湿度の情報は、Web経由でPCや携帯電話で簡単に確認できます。
  今後、両社は本サービスを工場や事業所に販売していくとともに、小規模の店舗、流通倉庫などにも展開していく予定です。

システム構成例(図1)

   本システムの導入には、必要なセンシング点数分の「AirSense」センサネット機器と、「TELEMOT」遠隔監視機器および、ASPサービスの加入が必要です。

[図1]システム構成例

「AirSense」(図2)

  「AirSense」は、基地局、ルータ、センサノードから構成される無線システムで、「ZigBee*2」によるマルチホップ通信*3と、低消費電力を特徴としています。
  センサノードは、温湿度センサ、加速度センサ、照度センサを内蔵し、かつ多様なセンサを外付け接続できる「AirSense−I」(東朋テクノロジー社製)と、センサノード1台で同時に5箇所の温度が測定できる「AirSense−II」があります。電池寿命は、10分周期の計測の場合、約4年間です。

[図2]AirSense−I

項目 仕様
サイズ、重量 W60mm×H45mm×D25mm、70g (ノード)
電池 CR123(1400mAh) (内蔵)
機能 押しボタンスイッチ、チャネル設定スイッチ、LCD、拡張IF、アラート
搭載センサ 温湿度センサ(SHT11)、3軸加速度センサ (内蔵)
アンテナ 内蔵チップアンテナ、外部アンテナ (切替)

「TELEMOT」(図3)

  「TELEMOT」は最大16ポイントのセンサ入力が可能で、カメラやPLC*4もサポートしています。また、データの蓄積や、簡単な解析、演算、変化の検出機能も装備しています。計測したデータは、第3世代携帯電話のパケット網を通じてそのまま明電舎の遠隔ASPセンターに転送できます。計測した情報はPCや携帯電話で簡単に確認できます。さらに明電舎のカスタマーサービスセンターでは24時間365日の緊急対応も可能です。

[図3]TELEMOT

項目 仕様
サイズ、電源 W220mm×H190mm×D40mm、AC100V
無線通信 携携帯パケット網 (内蔵ANT/外付ANT)
インターフェース DI4点・PI8点、DO4点
主な機能 定期、イベントデータ収集蓄積、状態検出、上下限逸脱、帳票
オプション機能 静止画像監視機能(NTSC入力/カメラ制御可、外部トリガ可)
(AirSenceとの共用不可)

導入費用

システム価格(温度、湿度、照度および電力などを計測する最小構成):40万円〜
月額ASP費用:約4,000円〜

*1
HACCP:Hazard Analysis Critical Control Pointの略で、総合衛生管理製造工程と呼ばれる衛生管理システム。原料から製造工程、流通、販売全てにわたり危害を予測、分析、防止し、品質維持と不良製品出荷を未然に防ぐシステム。
*2
ZigBee:IEEE802.15.4aの無線ネットワーク標準システムの上位レイヤにセンサネット向けの通信プロトコルを規定した業界標準方式。
*3
マルチホップ通信:複数のセンサノード同士が互いに無線通信を行うことで、複数の地点を中継しながら広範囲な通信が可能。
*4
PLC:Programmable Logic Controllerの略で、プログラマブルコントローラとも呼ばれる。工場などで使われる機械制御が目的。安価でプログラムが容易なため小規模な設備の監視制御にも使用される。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 ワイヤレスインフォベンチャーカンパニー [担当:小故島]
〒101-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
TEL : 03-4564-4376(代表)

株式会社明電舎 [担当:井上、脇野]
〒141-6029 東京都品川区大崎二丁目1番1号 ThinkPark Tower
TEL : 03-6420-7118 (ダイヤルイン)

以上

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