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2008年9月24日
異なる解像度の映像が混在するテレビ映像を高精細化
株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび、様々な解像度の映像を高精細化する超解像技術を開発しました。今回開発した技術は、特定の解像度の映像を固定の倍率で高精細化する従来の方式に対し、独自の信号処理技術を用いることで、様々な解像度の映像を、解像度に応じた最適な倍率で高精細化する技術です。これにより、同一画面上に、解像度の異なる画像がはめこまれているテレビ映像などの高精細化が可能です。また、SD画質*1の映像をHD画質*2に近い映像に変換できるほか、フルハイビジョン(1920×1080画素)などのHD画質の映像を、さらに精細感のある美しく鮮明な映像に変換します。
近年、ディスプレイの高解像度化、薄型化が急速に進展し、フルハイビジョン(1920×1080画素)パネルを搭載する高精細なテレビ製品が増えるとともに、画面サイズの大型化が進んでいます。この高精細なテレビなどで、解像度の低い映像を引き伸ばして表示する際のぼやけを改善し、高精細化する画像処理技術として注目されているのが超解像技術です。
これまでの超解像技術は、DVDなどのSD画質の映像をHD画質映像へ変換するなど、特定の解像度の映像を固定の倍率で高精細化するものでした。しかし、例えばスタジオはHD画質、中継先はSD画質といった、同一画面上で複数の解像度の映像が混在するようなテレビ映像の場合、固定の倍率を用いて映像全体を高精細化するのは困難でした。
このような背景から、日立では、様々な解像度の入力映像を、解像度に応じた最適な倍率で遠近感を損なうことなく高精細映像に変換する超解像技術を開発しました。これにより、これまで以上に多様な映像ソースを高精細な画質で楽しむことができます。今後は、さらなる信号処理アルゴリズムの最適化や専用LSIの開発を行い、テレビ製品などの映像機器に適した超解像技術の実現を目指します。
なお、本技術は、9月30日から10月4日まで千葉市の幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN(シーテック ジャパン)2008」に出展します。
今回、様々な解像度の映像に対応するために、独自の信号処理技術を開発しました。本技術により、入力映像の本来の解像度を推定できるため、SD画質で撮影され、放送局側でHD画質に変換されたテレビ映像なども、本来の解像度に応じた適切な高精細化処理を行うことが可能です。また、同一の画面上に、解像度の異なる画像がはめこまれているテレビ映像などに対し、解像度の異なる領域毎に、最適な高精細化処理を行うこともできます。さらに、フルハイビジョン(1920×1080画素)などのHD画質の映像を、より精細感のある映像に変換することも可能です。
一般に、超解像処理には、画面全体のぼやけを改善すると映像の遠近感が損なわれる、という問題がありました。今回開発した超解像技術では、ぼやけを改善すべき領域と、ぼやけを残すべき領域とを区別して超解像処理が行うことができるため、遠近感を保ったまま、高精細映像への変換が可能になりました。
株式会社日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地
TEL : 042-327-7777 (直通)
以上