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2008年3月26日
株式会社日立製作所
株式会社日立産機システム

アモルファス変圧器を用いた日立グループの
省エネプロジェクト実施方法を国際連合が承認

世界で初めて送配電網を対象としたクリーン開発メカニズムの「方法論」を開発

  株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)と株式会社日立産機システム(取締役社長:椎木 清彦/以下、日立産機)は、省エネ効果の高いアモルファス変圧器などを用いて、送配電網において二酸化炭素(以下、CO2)の排出量を削減する方法論*1を国際連合(以下、国連)に申請し、承認されました。本方法論は、温室効果ガスの削減において、先進国が途上国へ技術と資金を移転し、その代わりに削減分を自国の目標達成に利用できる制度であるクリーン開発メカニズム*2(以下、CDM)の実施方法の一つです。日立と日立産機は、送配電網に設置されている変圧器が定常的に待機電力として、電力の損失を発生させていることに着目して、省エネ効果の高いアモルファス変圧器を用いることで、従来型の変圧器に比べて、待機電力を約3分の1(当社比)まで低減し、CO2の排出量を削減する方法論を確立しました。
  なお、今回開発した方法論は、世界で初めての送配電網を対象としたCDM方法論になります。

  2008年3月13日時点で、国連におけるCDM方法論は、エネルギー産業や化学工業などの15分野において63件が登録されており、各分野で温室効果ガスの削減に向けた取り組みが行われています。しかし、電力の送配電分野では、これまでCDM方法論は存在しませんでした。そこで、日立と日立産機は、今回、新たに待機電力に着目した方法を開発して、国連への申請を行い、審査の結果、2008年3月14日に国連のCDM理事会にて承認・登録されました。
  電力は、発電所から消費される各施設に送配電されるまでの間に一定の損失があり、これは変圧器などの鉄心の性能に左右されるものと言われています。今回、用いるアモルファス変圧器は、鉄心に非結晶(アモルファス)合金を採用しており、鉄心にケイ素鋼板を用いた従来型の変圧器に比べて、待機電力を約3分の1(当社比)まで、低減できる非常に省エネ効果の高い機器です。これは、例えば、日本全国の配電用変圧器をアモルファス変圧器に置き換えた場合に、年間で約400万トンの CO2を削減する効果が期待できるものです。

  日立産機は、鉄心加工から組み立てまでの一貫した製造ラインを持つ国内唯一のアモルファス変圧器のメーカーであり、アモルファス合金を高性能で均質な変圧器用鉄心に加工する技術など、アモルファス変圧器の製造に関する高い技術を有しており、発売以来、累計13万台超の国内出荷実績があります。日立産機は、アモルファス変圧器の製造技術に関して、2007年3月に、中国の変圧器メーカーである山東魯能日和控股有限公司(山東省済南市)と技術提携契約を締結しており、CDM事業を含めた中国でのアモルファス変圧器の事業展開を進めています。

  今回、日立と日立産機が開発したCDM方法論は、京都議定書を批准する全ての途上国で実施が可能であり、日本が有する高い省エネ技術による地球温暖化対策を加速させることに貢献できます。今後も、日立および日立産機は、省エネ技術を用いた製品・サービスを通じて、環境と調和した持続可能な社会の実現に努め、企業の社会的責任を果たしていきます。

*1
方法論:クリーン開発メカニズム事業において、温室効果ガス削減の算定方法やモニタリング方法などを定めた文書で、国連による承認が必要。
*2
クリーン開発メカニズム:先進国が、温室効果ガス削減プロジェクトにおいて、途上国へ技術と資金を移転し、そのかわりに削減分を自国の目標達成に利用できる制度で、国際連合による承認が必要。英語ではCDM(Clean Development Mechanism)。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 トータルソリューション事業部
環境エネルギーソリューションセンタ [担当:赤津、齋藤]
〒101-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
TEL : 03-4564-5837 (直通)

株式会社日立産機システム 事業統括本部
受配電・環境システム事業部 [担当:西口、林]
〒101-0022 東京都千代田区神田練塀町3番地AKS ビル
TEL : 03-4345-6076 (直通)

以上

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