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Hitachi

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2008年1月31日

アスペクト指向技術を活用して
COBOLで構築されたシステムの効率的な改善・強化を実現する
「アスペクト指向ソリューション」を提供開始

企業の内部統制を契機とした情報システムの改修などに対応

  株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび、アスペクト指向技術*1 を活用してCOBOLで開発するソフトウェアや古くからの既存システムの効率的な改善・強化を実現する「アスペクト指向ソリューション」を開発し、2月1日から提供を開始します。
  本ソリューションを用いることにより、企業は内部統制整備などを契機に古くからのCOBOLで構築された既存システムの改修を行う際などに、アスペクト指向技術を活用することで既存システムのソースコードに手をいれずに迅速にシステムを改修できるなど、既存システムの強化・改善を効率的に行うことができます。

*1
アスペクト指向技術:これまでの構造化設計、オブジェクト指向設計でうまくモジュール化できなかった手続きやクラスにまたがる関心事(要件)をモジュール化する技術。これら横断的関心事をアスペクトというモジュールとして実装して、ベースとなるプログラムに自動的に織り込むことによりシステムが実現される。

  現在、国内の上場企業は内部統制への対応を早急に求められていますが*2、その整備段階の文書化作業などにより可視化された統制機能の脆弱部分に対して、システムの機能強化・改善を行う場合があります。その場合、現在使用中のシステムにはできるだけ手を加えず、迅速かつ低コストで機能実装するためには、既存の業務システムを継続使用して、統制機能を強化・改善する方法が求められています。特に、基幹業務システムに多く長期に渡って稼動しているCOBOLで構築されたシステムに手を加える場合には、その効率的な改修のための手法が求められており、システム全体におよぶ機能を分離して組み込むことを可能にするアスペクト指向技術が注目されています。

*2
2006年6月に金融商品取引法が成立し、2008年4月からの会計年度で、財務報告に係る内部統制の整備状況などの報告が義務付けられることになり、現在、国内の上場企業は、早急の対応を進めています。

  今回、提供開始するソリューションは、COBOLで開発されたシステムの改修を支援するものです。具体的には、COBOLにおいてアスペクト指向ソフトウェア開発を可能にするツールの提供と、それらツールを適用して既存システムの分析と改善案の策定、アスペクト織込みを支援するコンサルティングサービスを提供します。これにより、既存システムに新しい要件を追加する際には、元のソースコードに手を加えずに追加部分をアスペクトとして分離して記述することができるためスピーディに実装することができるほか、効率よく保守を行うこともできます。

  本ソリューションはCOBOLで書かれたシステムであれば、構築ベンダやプラットフォーム環境に影響を受けることなく導入することができます。また、内部統制を契機とするシステム改修のほか、個人情報保護法などその他ITに対するコンプライアンス要件への順守やサービスレベル合意(SLA)の変更などにより、当初想定していなかった機能を既存システムに組み込む必要となった場合などにも適用することができます。

「アスペクト指向ソリューション」の特徴

1. 内部統制上必要と判断されたシステムの統制強化・改善を効率的に実現

COBOLで構築されたシステムを抱える企業が、内部統制を契機に既存システムの見直しを行う際に、現在使用中のシステムにはできる限り手を加えず迅速かつ低コストで機能実装をすることができます。本ソリューションを用いることで、監査に必要な証跡管理においてアプリケーションのソースコードに手を入れずに自由に必要なログを取得することできるなどアプリケーション統制の強化・改善を効率的に実現します。また、アクセスコントロールやシングルサインオンなど複数システムに重複する統制を全システムに共通的に適用する場合にも役立ちます。

2. アスペクト指向ソフトウェア開発を可能にするツールを提供

COBOLにおいてアスペクト指向ソフトウェア開発を可能にするツールである「アスペクトウィーバ*3」「織り込み支援プログラム解析ツール*4」を開発し、本ツールを用いて既存システムの分析やシステムに新機能や処理を織り込むための再設計を支援します。本ツールにより作業ボリュームの明確化や強化機能を外付けで織り込むための設計を効率的に行うことができます。

3. ソリューションの提供は日立コンサルティングの専任コンサルタントが担当

日立は10年以上にも及びCOBOLのソースコードからの仕様回復、システム理解や保守支援をするためのプログラム解析ツールの研究・開発を行ってきました。本ソリューションは、それらのノウハウを活用して、株式会社日立コンサルティング(代表取締役社長:ポール与那嶺)の専任コンサルタントが、既存システムの分析や、システムに新機能や処理を織り込むための設計をサポートし、ツールの有効的な活用方法を含め効率的なシステムの改修を支援します。

4. COBOLシステムの効率的な改修は、システムの形態に限らず実現可能

内部統制を契機とするシステム改修のほか、個人情報保護法などその他ITに対するコンプライアンス要件やサービスレベル合意(SLA)などの領域で、当初想定していなかった機能を長期に渡って稼動している古くからのCOBOLで構築されたシステムに組み込むことが必要となった場合にも広く利用できます。また、COBOLで書かれたシステムであれば、構築ベンダやプラットフォーム環境に影響を受けることなく導入することができます。

*3
「アスペクトウィーバ」:実装するとシステム全体にまたがる関心事(要件)をモジュールとして一箇所に記述することを可能にするツール(ソフトウェア)です。モジュール(アスペクトと呼ばれる)は、アスペクトウィーバによりシステム中の指定箇所に自動的に組み込まれます。(アスペクト指向技術では、その組み込みに相当する処理を「織り込み」と呼びます。)
*4
「織り込み支援プログラム解析ツール」:織り込みをどのように行ったらいいかの検討をプログラム解析により支援するツール(ソフトウェア)です。アスペクトの記述も半自動的に生成します。内部統制のために修正が必要なプログラム中の箇所発見に有効な解析機能も含んでいます。

価格および提供時期

サービス名 価格 提供開始
既存
システム
分析
サービス
既存システムリソースの分析を日立が代行するサービスで、
解析ツールを用いた分析の結果を報告します。
分析内容はWebブラウザで簡単に参照することができ、
システム改修の作業ボリュームを把握することができます。
個別
見積
2008年
2月1日
織り込み
設計支援
サービス
システムに新しく機能や処理を外付けで織り込む際、
その織り込み箇所と織り込み方式の設計を支援する
コンサルティングサービスです。
アスペクト指向技術を活用したツールを活用し、
効率的なシステム改修を行うことができます。
ツール
提供
サービス
「アスペクトウィーバ」、
「織り込み支援プログラム解析ツール」の
提供サービスです。
カスタマイズや既存のシステム環境にあわせて
導入の支援も行います。

関連情報

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信グループ 経営戦略室 新事業推進部 [担当:谷岡]
〒140-8572 東京都品川区南大井6丁目27番18号 日立大森第二別館
TEL : 03-5471-2687 (ダイヤルイン)

以上

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