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2007年9月25日
Windows Vista®に対応し、ソフトウェアを全面改訂した
重度障害者用意思伝達装置「伝の心」バージョンV(ファイブ)を発売
株式会社日立製作所コンシューマ事業グループ(グループ長&CEO:江幡 誠)は、重度の身体障害がある方のQOL(Quality Of Life:生活の質)向上を支援するため、これまで販売してきたALS*1(Amyotrophic Lateral Sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)患者などの重度障害者用意思伝達装置「伝の心」について、Windows Vista®に対応するとともにソフトウェアを全面改訂した「伝の心」バージョンV(ファイブ)を製品化しました。
今回発売する製品では、意思伝達装置のベースとなるパソコンのOSをWindows Vista®としました。また、ソフトウェアの全面改訂を行なうことにより、従来モデルに搭載されている各種機能の拡充を行なったほか、DVD操作機能を新たに追加しています。
本製品は株式会社日立ケーイーシステムズにて11月1日から受注を開始します。
- *1
- ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis)とは…ALSは、脊髄の運動神経が侵され、全身の筋肉の萎縮が起こる進行性の神経筋難病です。初期症状としては、足がもつれる、うまく話せないなどの症状が起こり、症状が進むと、歩けなくなったり、筆談や発語、さらには呼吸ができなくなります。しかし、脳機能は衰えないため、相手の言うことは分かっても答えることができない、自分の考えを伝えられないなど、コミュニケーション上の問題が起こります。病気の原因も治療法も不明で、厚生労働省の「特定疾患」に指定され、全国で約7,000人の患者がいるといわれています。
当社は、1997年12月から、ALS患者の方を主な対象とした意思伝達装置「伝の心」を製品化しています。「伝の心」は、文章作成、身の回りの機器(赤外線リモコンで操作できる機器が対象)の操作、離れた人とのコミュニケーション(電子メールやホームページの利用)を基本機能としています。「伝の心」の操作は、カーソルがディスプレイ上に表示された文字盤やメニュー等の上をスキャンする(自動的にカーソルの位置が動く)ように設定してあり、メニューや文字盤の希望の項目にカーソルが移動したときに、患者自身が身体の一部をわずかに動かすことでスイッチを押して、その項目を選択して行ないます。「伝の心」は2007年8月までに約3,900台出荷しています。
このたび、利用者の方々から寄せられたご意見・ご提案を元に、従来の「伝の心」のソフトウェア構造では対応が難しかった項目などを中心に、ソフトウェアの全面改訂を行ないました。
「伝の心」バージョンVの特長>
- 1.Windows Vista®対応
- 2.各種機能(メニュー構成、日常使用文、会話、文書、リモコン、メール、ホームページ、ウインドウズ操作など)のユーザーインターフェース変更と機能拡充
- 3.DVD操作メニューの追加
価格および受注開始時期
製品名 | 標準構成*2 | 価格*3 | 受注開始 時期 |
---|---|---|---|
伝の心 | ◇ノート型 ・搭載OS:Windows Vista® Home Premium ・DVDスーパーマルチドライブ標準装備 ・有線LANアダプタ標準装備 ・「伝の心」ソフトウェア(Ver05-01) インストール済み ・入力スイッチ接続用品(入力スイッチは除く) ・プリンタ ・学習リモコン |
450,000円 (非課税品) |
11月1日 |
◇デスクトップ型 ・搭載OS:Windows Vista® Home Basic (パソコン本体以外はノート型構成と同じ) |
- *2
- 「伝の心」標準構成は2007年9月25日時点の構成です。導入をご検討の際は最新の標準構成とパソコンなどの仕様を販売店にお問合せください。
- *3
- 「伝の心」標準構成の希望小売価格です。この他に販売会社提供の入力イッチなどが必要です。設置費用が別途かかる場合があります。厚生労働省の補装具費支給制度の対象となる方が購入される際、補装具費支給対象品合計額の1割負担で購入することができ、月ごとの介護保険負担合計額に対する補助もあります。詳しくは、お住まいの自治体福祉窓口にお問合せください。
本製品の主な特長
1.Windows Vista® 対応
現在パソコンのOSはWindows Vista®が主流となっているため、「伝の心」のベースとなるパソコンのOSをWindows Vista® にしました。
- *Windows Vista® 特有のAero(エアロ)機能やサイドバー表示は、「伝の心」バージョンV(ファイブ)は利用していません。また、「伝の心」バージョンV(ファイブ)は従来のWindows®XPを搭載したパソコンでは動作しません。
2.各種機能のユーザーインターフェース変更と機能拡充
(1) メニュー構成の全面変更
現行の「伝の心」のメニューの表示は梯子状の階層表示でしたが、アイコンメニューをパネル(縦×横)表示に変更し、従来からご要望の多かったメニューの編集(メニューの変更・追加、文字やイラストの変更・追加など)を可能にしました。
(2) 文字盤統一と漢字変換機能の強化
各種操作で文字盤を統一し、一行毎のスキャンのほかにブロック単位のスキャンも選択可能にしました。また、文書作成などで文字盤メニューが文書表示領域に重ならないようにしました。現行の「伝の心」では、操作によって異なる文字盤を表示し、文字盤の操作ボタンの配列や機能に違いがあるなど、使いにくいとユーザーからのご意見が多く、今回見直しを行ないました。
漢字変換では、変換文節の変更を可能にしました。現行の「伝の心」では先頭文節の再変換だけが可能でしたが、今回のモデルから、変換対象の文節の移動や文節長(文字数)の変更が可能となり、複数文節のひらがな入力を、希望する漢字交じり文章に変換できます。
例えば下の漢字変換画面の「今日は よい 天気です」は、文節は3個で、変換対象の文節は太い下線で表示され、その文節長(文字数)はひらがなで4文字(きょうは)です。
(3)日常使用文の階層化による項目数拡充
パネルメニュー15項目×3階層で、最大3,375個の日常使用文が登録できます。さらに用途に応じて15項目×3階層×2セットの日常使用文が追加登録できます。(従来は梯子メニュー10項目のみ)
(4)文書作成でのフォント変更や写真挿入などの編集機能の拡充
文書ファイルにリッチテキストフォーマット(.rtf)を使用することにより、フォントのタイプ・サイズ・色などの指定や、アンダーライン・取消線などの利用、写真などの画像挿入が可能となります。
(5)リモコン操作項目の階層化と拡充
パネルメニュー20項目×3階層が利用可能となりました。ひとつのパネルで多くの操作が一覧でき、各パネルで学習追加やメニュー入れ替えが出来るので、多くの機種とボタンを利用できます。(従来は梯子メニュー既定6機種+学習9項目×3セット)
(6)メール操作の機能拡充
メールの新規作成、返信などの操作性を向上すると共に、メールの整理・保存・印刷やメールアカウントの複数利用などパワーユーザー向けの機能も追加しました。
(7)ホームページとウインドウズ操作の機能拡充
ワイド画面とドッキングバー(画面左端にメニュー表示する)を利用してホームページ画面やデスクトップ画面を全表示し、より通常のパソコン操作に近い機能を実現しています。また、ホームページの印刷も可能になりました。
3.追加機能
- (1)DVD操作機能の追加
DVDソフトで映画や音楽を視聴するための専用メニューを追加しました。パソコン内蔵のDVDドライブにメディアをセットし、「伝の心」専用のDVD操作メニューを選択することで、手軽に映画や音楽を楽しむことができます。
商標注記
- Windows 、Windows Vistaは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
製品情報
お問い合わせ先
照会先
株式会社日立製作所 コンシューマ事業グループ ソリューションビジネス事業部
新事業推進センタ アクセシビリティ推進グループ [担当:大坂]
〒100-0004 東京都千代田区大手町2丁目2番1号 新大手町ビル
TEL : 03-4232-5077(直通)
販売に関するお問合せ先
株式会社日立ケーイーシステムズ 営業管理部 [担当:天野]
〒101-0022 東京都千代田区神田練塀町68番地 ムラタヤビル
TEL : 03-5296-5631(直通)
以上
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