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2007年9月6日
国際標準規格に完全準拠したほか、企業情報やプライバシーを
保護するセキュリティ機能を搭載した
UHF帯ICタグ「μ-Chip Hibiki」を販売開始
「セキュア電子タグプロジェクト」で開発されたセキュリティ機能を世界で初めて搭載
日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:篠本 学/以下、日立)は、このたび、UHF帯に対応したICタグ「μ-Chip Hibiki」の機能を強化しました。具体的には、国際標準規格に完全準拠したほか、ICタグに書き込まれた企業情報の保護やプライバシーの保護などを可能とするセキュリティ機能を搭載しました。今回、「μ-Chip Hibiki」のシールラベル(ICタグ)と、国際標準規格やセキュリティ機能に対応した高出力型リーダー/ライター装置とアンテナをあわせて製品化し、それぞれ9月10日から国内向けに販売を開始します。
「μ-Chip Hibiki」は、UHF帯(使用可能周波数:860MHz〜960MHz)の国際標準規格「ISO/IEC 18000-6 Type C」*1に完全準拠したICタグです。そのため、国際物流におけるグローバルなSCM*2やトレーサビリティなどの幅広い用途に利用できます。
また今回、経済産業省の「セキュア電子タグプロジェクト」*3で開発されたセキュリティ機能を世界で初めて搭載しました。企業固有の履歴情報などを記録するために、ユーザ領域を複数に分割して利用し、それぞれのエリア毎にパスワードによる読み出しや書き込みの禁止設定が可能です。これにより、例えば、製造者の製造番号や入出庫日時をはじめ、小売店の販売日時や販売店情報など、それぞれが書き込んだ情報を盗み見られたり、上書きにより情報が書き換えられたりしてしまうようなことを防止するなど、企業情報の保護が可能となります。また、このICタグを読み書きする際の通信距離を、数m程度から数10cm程度に短く設定できます。これにより、例えば、消費者が製品を購入する際に、通信距離を短くすることで、購入後の消費者のプライバシー保護ができるほか、製品の保守やリサイクルされる際に、再び通信距離を長くすることで、ICタグや書かれている情報を再度利用することが可能となります。
- *1
- ISO/IEC 18000-6 Type C:ICタグに関する標準化推進団体EPCglobalの規格「EPCglobal Class1 Generation2」をベースにISOで国際標準規格化されたUHF帯ICタグの規格
- *2
- SCM(Supply Chain Management):調達から製造、物流、販売、サービスといった、モノづくりから販売までのプロセスにおける情報の流れを整理・統合し、全体で共有する取り組み
- *3
- セキュア電子タグプロジェクト:経済産業省の研究開発委託事業「UHF帯電子タグの技術開発事業」(2006年8月〜2007年3月)
日立は、2001年6月に「μ-Chip」の販売を開始して以来、ICタグ関連事業の実績を重ね、昨年6月には、125のメニューに体系化した「日立トレーサビリティ・RFIDソリューション」の提供を開始するなど、トレーサビリティ・RFID事業を日立グループの総力を挙げた事業の一つとして本格的に事業展開しています。「日立トレーサビリティ・RFIDソリューション」は、今回のセキュリティ機能の開発や実証実験で得られたノウハウなどを活用し、ソリューションを拡充していく予定です。
また、セキュリティ機能を搭載した「μ-Chip Hibiki」の製造業や流通・小売業での採用を促すほか、セキュリティ機能の国際標準規格への提唱などを進めます。
今後も日立は、ICタグ関連製品の技術開発やソリューションの提供により、安心・安全・快適な社会を実現するトレーサビリティやICタグの普及と市場の拡大に貢献していきます。
なお、本製品は、9月12日(水)から14日(金)、東京ビッグサイトにて開催される「第9回 自動認識総合展」の日立ブースで紹介します。
「μ-Chip Hibiki」の特徴
1. 国際規格の完全準拠やメモリの増加など機能を強化
UHF帯(使用可能周波数:860MHz〜960MHz)の国際標準規格「ISO/IEC 18000-6 Type C」に完全準拠しました。また、ICタグのメモリ容量を2キロビット(ID格納領域:240ビット、ユーザ領域:1,536ビット)まで拡張しました。国際標準規格に対応したリーダー/ライター装置で使用すると、大容量メモリをもつICタグとして動作します。
2. 「セキュア電子タグプロジェクト」により開発されたセキュリティ機能を世界で初めて搭載
セキュアRFIDプロトコル*4に対応したリーダー/ライター装置を使うことで、「ユーザ領域分割機能」によりICタグの情報を記録するユーザ領域を複数に分割して利用できるほか、それぞれのエリア毎にパスワードによる読み出しと書き込みの禁止設定が可能です。また「通信距離制限機能」により、このICタグを読み書きする際の通信距離を、数m程度または数10cm程度と長くしたり短くしたり設定できます。なお、セキュリティ機能を設定したICタグは、国際標準規格に対応したリーダー/ライター装置では、パスワード設定がされていないユーザ領域のみ、通常のUHF帯のICタグとして利用することが可能です。
- *4
- セキュアRFIDプロトコル:国際標準規格「ISO/IEC 18000-6 Type C」をベースとし、セキュア電子タグプロジェクトで開発されたセキュリティ機能を定義したプロトコル
価格及び出荷開始時期
「μ-Chip Hibiki」 | 価格(税込)*5 | 出荷開始時期 | |
---|---|---|---|
シールラベル | サンプル版 | 個別見積 | 2007年11月30日 |
製品版(500枚/ロール) | 2008年2月29日 | ||
高出力型リーダー/ライター(1台)*6*7 | 900,900円 (税別:858,000円) |
2007年11月30日 | |
リーダー/ライター用アンテナ(1台)*6 | 89,250円 (税別:85,000円) |
2007年11月30日 |
- *5
- 本価格には、PCや構築支援サービス費用などは含まれておりません。
- *6
- 高出力型リーダー/ライター1台につき、リーダー/ライター用アンテナを4台まで増設が可能です。
- *7
- 稼働環境: OS: Windows XP Professional SP2または Windows Vista™ Business
関連情報
「セキュア電子タグプロジェクト」について
ICタグの普及・発展を目指し、安価かつ高信頼のUHF帯ICタグの製造技術を開発する経済産業省の委託事業「エネルギー使用合理化電子タグシステム開発調査事業(UHF帯電子タグの製造技術及び実装技術の開発)」(響プロジェクト)(2004年8月〜2006年7月)の成果の上に、企業情報の保護やプライバシー保護が可能なセキュリティ機能の追加を目的に、日立グループが中核となり、大日本印刷株式会社、凸版印刷株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、日本電気株式会社、富士通株式会社(50音順)の協力企業5社が共同で進めた経済産業省の研究開発委託事業「エネルギー使用合理化電子タグシステム開発調査事業(UHF帯電子タグの技術開発事業)」(2006年8月〜2007年3月)です。
エンドースメント (50音順)
今回の「μ-Chip Hibiki」の発表に際し、各社からコメントを頂いております。
大日本印刷株式会社 ICタグ本部 本部長 佐藤 英治 様
大日本印刷株式会社は「μ-Chip Hibiki」の販売開始に歓迎の意向を表明します。 「μ-Chip Hibiki」は、国際標準規格に準拠するとともに、日本の産業界のニーズにきめ細かく対応した性能を有しており、日本の流通・物流シーンの課題解決に最適なICタグシステムであると確信しております。弊社は協力企業としてセキュア電子タグプロジェクトに参画してまいりましたが、今後も日立製作所とのパートナーシップを強化し、ICタグシステムの導入によりお客様の経営課題解決に努めてまいります。
凸版印刷株式会社 ICビジネス本部 本部長 伊沢 太郎 様
凸版印刷株式会社は、「μ-Chip Hibiki」の販売開始により本格的なICタグの普及と市場拡大が実現すると期待しています。凸版印刷はICタグ媒体開発とソリューション提供を通じて、日立製作所様のICタグソリューション展開を積極的に協力し、安心・安全・快適な社会実現に貢献してまいります。
日本アイ・ビー・エム株式会社 センス&アクチュエータ ソリューションズ アジア・パシフィック担当 西野 均 様
日本IBMは、新たなセキュリティ機能を搭載した「μ-Chip Hibiki」を歓迎します。当社も参画した「セキュア電子タグプロジェクト」が開発したセキュリティ機能により、サプライ・チェーンなどのソリューションにおけるICタグの新たな活用、および一層の普及を期待します。
日本電気株式会社 ユビキタスソリューション推進本部 本部長 松尾 泰樹 様
日本電気株式会社は、「μ-Chip Hibiki」の製品化を歓迎致します。
弊社は、「響プロジェクト」以来、協力企業として開発をご支援してまいりました。こうした開発成果により生み出されたオープンでかつセキュアな電子タグは、これまでのSCM領域だけでなく、一般消費者をも巻き込むCRM領域にまで広く社会に普及していくと期待され、弊社はこの新たな領域向けに、μ-Chip Hibikiにも対応した製品の開発を進めています。
富士通株式会社 ビジネスインキュベーション本部開発部 統括部長 吉田 正 様
富士通株式会社は、経済産業省の研究開発委託事業であるセキュア電子タグプロジェクトの協力企業として、プロジェクトで開発されたICタグと弊社製リーダライタによるISO/IEC18000-6 TypeC 相互接続性や通信パラメータの評価を実施し、問題なくアクセスできることを確認いたしました。 本プロジェクトの成果をもとにUHF帯RFIDの普及がますます進んでいくことを期待いたします。
他社所有商標に関する表示
- Microsoft、Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または 登録商標です。 Windows VistaTM Businessは、米国Microsoft Corporationの商品名称です。
- その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
お問い合わせ先
株式会社日立製作所 情報・通信グループ セキュリティ・トレーサビリティ事業部
プロダクト本部 ミュー・響開発部 [担当:安永、今井]
〒212-8567 川崎市幸区鹿島田890 日立システムプラザ新川崎
TEL : 044-549-1728 (ダイヤルイン)
以上
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