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2007年8月27日
株式会社日立製作所
執行役社長 古川一夫

新内閣の発足に関するコメント

  我が国の経済は、拡大傾向にあるが、原油価格の高騰やサブプライムローン問題を引き金とした世界同時株価下落といった懸念材料も顕在化しており、楽観を許さない状況である。こうした中で本日発足した新内閣には、これまで進めてきた改革を停滞させず、その実現に取り組むことを強く要望したい。

  日本が世界経済の主要なプレーヤーであり続けるためには、イノベーション創出を促す取り組みをさらに加速させ、知的財産政策・国際標準化戦略を強化して、世界におけるイノベーションセンターとして新しい成長を追求していく必要がある。全ての産業においてイノベーションを継続的に実現していくシステムを、さまざまな施策を通じて整備していただきたい。

  世界が国境を越えた一つの大きな市場になりつつある中で、ビジネスを自由かつ円滑に行うことができる環境を整備していくことは、いうまでもなく重要である。これまで以上に活力のある経済成長に向けて、市場を拡大し、活躍の場を広げるという観点から、東アジア全域に及ぶ経済連携協定(EPA)の成立を主導するとともに、資源産出国等との戦略的な提携、さらには米国やEUとの質の高い協定締結を進めていただきたい。
  また、経済活力、国際競争力強化の観点から税体系の抜本的な改革を貫徹していただきたい。

  さらに、地球温暖化問題の深刻化や資源獲得競争の激化、資源の国家管理等が強まっており、環境・エネルギー政策はこれまで以上に重要度が増している。こうしたことから新内閣には、ポスト京都議定書の枠組みづくり、地球温暖化防止や循環型社会の構築に向けた環境政策を推進するとともに、エネルギー安全保障の強化に取り組んでいただきたい。特に原子力発電については、安全および社会からの信頼に十分配慮しつつ、基幹エネルギーとして安全に活用すること、ならびに海外での安全・平和利用を着実に推進するための施策を積極的に進めていただきたい。

以上

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