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2007年7月24日
株式会社日立製作所
バブコック日立株式会社
石炭火力発電事業の競争力強化を
目的とした石炭燃焼試験設備を建設
株式会社日立製作所 電力グループ(グループ長&CEO:丸 彰/以下、日立)とバブコック日立株式会社(取締役社長:伊佐 均/以下、BHK)は、このたび、約10億円を投じて、石炭火力発電所に使用する環境負荷を低減したボイラーを、短期間で効率良く設計するための石炭燃焼試験設備を建設しました。この設備は、最新の断熱材を使用し、実際の石炭火力発電設備と同じ温度を維持するなど、実設備の燃焼環境を再現することで、試験の精度を向上させたものです。これにより、石炭の質による燃焼特性の把握や反応生成物の空間分布などを正確に評価することができ、また、燃焼排ガス中の窒素酸化物(以下、NOX)を半減できるボイラーを設計・開発することが可能になります。
石炭は、世界各地に分布し、埋蔵量が豊富で他の燃料に比べて低価格であるため、今後も発電用の燃料として重要な役割を担っていくことが予想されています。しかし、近年、地球環境保全の観点から、環境負荷の低減が世界的に求められている中で、他の発電方式に比べて大気汚染の原因となるNOXや硫黄酸化物(以下、SOX)、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(以下、C02)の排出量が多い石炭火力発電は、環境負荷を低減することが課題となっています。
日立とBHKは、これまでも、燃焼試験設備を用いて、発電効率を高めることによるCO2の削減と、燃焼技術の向上によるNOXの排出量削減に取り組んできました。しかし、従来の燃焼試験設備では、規模が小さく、放熱が大きいため、石炭の燃焼温度が実機よりも低くなってしまい、試験の精度が低くなるという問題がありました。そこで、今回設置した燃焼試験設備では、最新の断熱材を使用し、実機と同じ温度が維持できるようにするなど、実機との構造の相似性を高めることで試験の精度を向上させ、石炭の質による燃焼特性の把握、反応生成物の空間分布、耐熱性、腐食性、灰付着性などを正確に評価できるようにしました。これらの評価を設計段階から行うことにより、高効率かつ環境負荷の低減をめざしたボイラーを、短期間で設計・開発することが可能となります。
日立とBHKは、発電効率が高い超臨界圧ボイラーや、環境負荷を低減する低NOX燃焼技術、脱硫・脱硝技術を持ち、国内外で多くの実績を有しています。2005年には、北米初の超臨界圧石炭火力発電プラントであるカナダ アルバータ州のジェネシー石炭火力発電所3号機を完成させ、既存設備と比較して、効率を18%向上(CO2削減18%に相当)、排ガス中のNOxを40%低減、SOxを70%低減させたことにより、北米で高い評価を得ています。
今後も、日立とBHKは、石炭火力発電設備プロジェクトに積極的に参画し、受注拡大に努めていくとともに、環境負荷の低減に貢献していきます。
以上
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