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2007年1月30日
冷却能力と静音性に優れた日立の水冷システムを
ヒューレット・パッカード社のハイエンドワークステーションに搭載
株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、ヒューレット・パッカード カンパニー(会長 兼 CEO:マーク・ハード/以下、HP)に向けて、ワークステーション用の水冷システムの出荷を開始しました。本水冷システムが搭載される機種は、HP製のハイエンドワークステーション「HP xw9400/CT Workstation(以下、「xw9400」)」で、海外ではHPが2月1日から、国内では日本ヒューレット・パッカード株式会社(社長:小田 晋吾)が2月8日から販売を開始します。
PC、ワークステーション、ならびにサーバ用の水冷システムは、冷却液を循環させてCPU等を冷却するシステムで、従来の空冷方式と比べて、格段に高い冷却能力と静音性を持っており、図書館、病院、教育機関、ならびに静かなオフィス環境等でも音が気にならないという特長を有しています。
今回、HP製のワークステーションに搭載された「デュアルCPU対応高性能水冷システム」の特長は、高い冷却能力を保ちながら、静音性も向上させ、空冷方式に対し3db〜10dbの騒音低減を実現した点にあります。これは、液体の高い熱伝導性を利用し、冷却液によって運ばれた熱をラジエター(冷却器)と低速回転のファンを使って筐体外へ排出し、空冷方式で必要であったCPUを直接冷却する高速ファンを不要とすることで実現しました。
また、水冷システムはコンピュータシステム内で液体を使用するため、非常に高いレベルの信頼性と安全対策が求められていますが、日立は、水冷システムの水分透過や材質の劣化、腐食などを高い精度で制御する技術を持っており、今回の製品化が可能になりました。
近年、ワークステーションのCPUの高性能化やメモリの大容量化等にともない、ワークステーションの発熱量は増える傾向にあり、このため空冷用ファンの搭載個数の増加、ファン回転の高速化等による騒音への対策も、快適な使用環境を提供する上で大きな課題となっていました。
日立は、メインフレーム等に搭載した水冷技術をもとに、2002年に水冷システムを搭載した世界初の水冷ノートPCを量産化し、また本技術を応用したPC、サーバ用水冷システムも量産化されてきました。今回、HP製のワークステーションに日立の水冷システムが採用されたのも、日立の高性能な水冷技術、高い信頼性、ならびに今までのPCやサーバ分野における量産実績等が高く評価されたためです。なお、米国市場では、水冷システムを搭載したワークステーションの発売は、HPが初めての導入メーカーとなります。
今後、水冷システムの需要は、CPUのみならずグラフィックチップ、その他筐体内の部品の性能向上と大容量化にともない、高い冷却能力、信頼性、ならびに静音性が求められるアプリケーション、特にハイエンドシステムやゲームアプリケーション、AVアプリケーション関連等の分野で拡大することが見込まれます。
日立は、PC、ワークステーション、ならびにサーバ向けの水冷技術の普及拡大を図るとともに、コンシューマ製品や産業分野での新たな市場開拓をめざしていきます。
株式会社日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ サーマルソリューション事業センタ長 源馬英明のコメント
今回の「デュアルCPU対応高性能水冷システム」は、HPの高性能ワークステーション「xw9400」の能力を最大限に引き出し、またユーザーに対して静かで快適な使用環境を提供できると確信している。さらに、本製品の市場投入により水冷システムの高い冷却能力と静音性という特長が、今後PCを含めた広範囲な製品分野で評価されると期待している。
日立はHPとともに、最先端の水冷システムを搭載した高性能なワークステーションを今回市場投入できたことを誇りに思うと同時に、HPのハイエンドワークステーション「xw9400」のすばらしさと、水冷システムのよさをより多くのユーザーに実感いただきたいと考えている。日立は、今後もHPと連携し、より魅力的な水冷システムを開発し、水冷ワークステーション分野におけるマーケットリーダーとして最新技術の製品を市場投入していきたい。
お問い合わせ先
株式会社日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ サーマルソリューション事業センタ [担当:小野]
〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 新大手町ビル
TEL : 03-4232-5428 (直通)
以上
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