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2006年12月12日

日立グループの新中国事業戦略について

中国社会の発展に貢献し、2010年度のグループ売上高120億USドルをめざす

  日立製作所(執行役社長:古川一夫 以下、日立)と中国のグループ統括会社である日立(中国)有限公司(董事長:塚田實/以下、日立(中国))は、このたび、2010年度の中国売上高目標を、 2006年度*1の1.7倍の120億USドル*2、中国域内の売上高に加え、中国から他地域への輸出を含む2010年度の中国地域における事業規模目標を130億USドルとする、新たな中国事業戦略を策定しました。本戦略は2006年11月16日に発表した「協創と収益の経営」を実現するための経営方針に基づき、重要市場である中国地域の事業戦略を定めたものです。

  本戦略では、中国社会の発展により市場が拡大している社会基盤・産業基盤・生活基盤・情報基盤からなる「社会イノベーション(インフラ)事業」と、それらを支える「基盤技術製品事業」を、日立グループの中国市場における注力分野とし、各事業分野において中国No.1事業をめざして、研究開発の強化、製品力の向上を図ります。
  また、進展する中国社会の高度情報化にさらに貢献するため、中国企業とのアライアンス促進、中国人材による技術開発力の強化、産学連携を通じた協創的イノベーションを推進します。
  さらに、これまで取り組んできた経営の現地化を推進するため、中国人材による経営実現のため、中国日立グループを挙げて、グループワイドに採用・育成を強化していきます。

  日立ならびに中国日立グループでは、2004年10月に、2006年度に向け、年率2桁以上の高成長と「The Most Trusted Partner in China」の実現をめざす中国事業戦略を発表し、10月、11月に総合展示会「日立展2004」を北京、上海、広州の3都市で開催しました。
  2005年2月には日立の執行役を常駐の中国総代表として北京に派遣、さらに2005年4月には、地域本社の認定を取得するなど、日立グループ一丸となった取り組みを推進してきました。中国日立グループの売上高は、社会インフラ事業、高機能部品・材料事業を中心に着実に伸長しており、2006年度の売上高目標であった70億USドルを達成することはほぼ確実となっています。

  2010年に向けた中国事業戦略は、次の通りです。

*1
1ドル115円換算
*2
2004年10月に策定した2006年度の中国売上高目標

1. 中国No.1事業を目指して

  日立グループは、1970年代に唐山の火力発電所をはじめとして、北京の地下鉄車両向け電気製品、重慶のモノレール、中国各地のビルや公共施設の昇降機、各種建設機械など、さまざまな形で中国の社会インフラの整備に携わってきました。また、中国における最も長い歴史を持つテレビ事業は中国社会に深く浸透しており、今では、最先端の日立独自の技術を搭載したPDPや液晶テレビ事業は中国市場において大きなシェアを獲得しているほか、各地の空港や駅、ホテルの案内表示板などにPDPモニターが広く活用されています。
  今回の新戦略では、こうした流れを踏襲し、特に、中国社会の発展とともに拡大していく社会インフラ、具体的には、電力システム、鉄道システム、環境・省エネルギーなどの社会基盤事業、自動車機器システム、建設機械システムなどの産業基盤事業、都市システムなどの生活基盤事業、ストレージソリューションなどの情報基盤事業を強化します。さらにこれらを支えるデジタルメディア製品、エレクトロニクス部品、自動車用部品などを中心とする基盤技術製品事業とのシナジーの最大化を図り、中国社会の発展とともに各事業部門でも中国No.1事業をめざして積極的に取り組んでいきます。
  こうした施策により、2004年時点で2006年度の事業目標であった70億USドルの売上高を、今回の目標年度である2010年度には1.7倍の120億USドル(輸出を含んだ中国全体の事業規模は2010年度時点で130億USドル)に拡大します。

2. イノベーションへの貢献

  進展する中国社会の高度情報化にさらに貢献するため、中国日立グループでは、中国企業とのアライアンス促進、中国人材による技術開発力の強化、産学連携を通じた協創的イノベーションを推進します。さらに、中国市場にマッチする製品開発シフト、デファクトスタンダードな技術開発に取り組んでいきます。
  日立グループでは、2000年に日立(中国)に研究開発組織を設置、2005年4月にこの組織を分離独立させ、日立(中国)研究開発有限公司を設立しており、情報通信システム、オープンソースソフトウェア、デジタルアプライアンス等の研究開発を中心に、中国国内での研究開発活動を推進しています。また、有力大学である清華大学や復旦大学、北京郵電大学、上海交通大学などと、さまざまな分野で連合実験室の設立、共同研究を進めているほか、2006年11月に清華大学と包括提携契約を結び新たな連携プログラムを推進するなど、大きな協創の成果を上げてきました。
  中国日立グループでは、中国発の新規事業の積極創生、中国人材の活用、さらに広範な協創的イノベーションの推進による大学連携の強化、130社を越える日立グループ関連会社への研究開発機能の提供、グローバル拠点としての基盤確立に、積極的に取り組んでいきます。

3. 中国企業 日立を目指して

  これまで取り組んできた経営の現地化推進をさらに推し進めるべく、中国人材による経営実現のため、さらに中国日立グループを挙げて、グループワイドに採用・育成を強化していきます。
  日立グループではきわめて多様な製品・システム・サービスを世界に届けており、その活動を将来に向けて持続的に発展させていくには、多彩な才能と能力をもつ中国人材の力が不可欠です。
  こうした観点から、中国日立グループでは(1)グループ合同での中国人スタッフの積極的な採用、(2)中核となるスタッフの能力開発支援、(3)魅力ある仕事と個人の能力を発揮できる機会提供など、中国における採用活動と人材育成活動を進めてきました。
  今回、日立(中国)では、2010年度には、各営業・事業ラインの責任者の3分の2に中国人材を登用します。さらに上位の幹部への登用も含め、これまで以上に満足できる会社、世界に通用する中国人材の能力育成に取り組んで参ります。
  また、中国日立グループでは、2006年10月末から新たな中国日立グループ企業キャンペーン「誠為初、信為重」(初めに誠あり、信を重んじる)という新スローガンを、北京、上海、広州に加え、香港、台湾でも展開しています。今後も、日立ブランドのイメージ向上施策として、広域に展開していく予定です。さらに、CSR優秀企業として評価を獲得していくため、2005年度より発行している「日立グループCSR報告書中国語版」の更なる内容の充実化を図るとともに、「日立賛助中国学者訪日学術研究項目」をはじめ、各地域での社会貢献活動を強化、拡大していくことで、「中国企業 日立」の実現をめざし、事業を推進していきます。

4. 「One Hitachi」による「日立グループのシナジー創出」

  現在、130社を超える企業グループが活動をする中国においては、グループ全体として調和の取れた事業展開を進めていく必要があります。中国日立グループでは統括会社である日立(中国)を中心に、年2回の中国総代表会議で、大きな方向性を確認し、「One Hitachi」の推進によって、事業目標の達成をめざしています。
  また、財務公司の設立に取り組み、研究開発や人材育成、モノ作り技術、資材調達などを含め、日立(中国)を中心に中国日立グループ全体でリソースを共有し、CS(Customer Satisfaction)視点に立ったグループ・シナジーの創出に向けて今後も積極的に取り組んで行きます。

  これらの取り組みを通じて、中国日立グループは、これまで以上に中国No.1事業を目指し、2010年度に向けて、これまでも日立グループ全体の中国におけるあるべき姿として掲げてきた「The Most Trusted Partner in China」の実現を目指し、各分野で積極的に取り組んで参ります。

参考 2004年10月に発表した戦略の概要について

  2004年10月、日立グループでは、「The Most Trusted Partner in China」を目指す新中国事業戦略を策定しました。これは、中国市場において9つの注力分野(「電力・産業機械システム」、「ビルシステム」、「交通システム」、「情報通信システム」、「メディカルシステム」、「コンシューマエレクトロニクス」、「建設・資源開発システム」、「オートモティブシステム・オートモティブシステム向け材料」、「情報エレクトロニクス・デジタル家電向け部品・材料」))について取り組み、併せて研究開発、製品力の向上等を通じて、中国市場でのポジションの向上に向けて取り組むというものでした。最終年度の2006年度には、売上高の目標は70億USドル(当時の為替レートは1USドル:105円)とし、これまで積極的に事業展開を進めてきました。
  現在、すでに最終年度(2006年度)上期実績は、PCメーカーの生産拠点の中国への移転などに伴って、ハードディスクドライブの売上が大きく伸長している他、昇降機や建設機械などの事業の堅調な伸びに支えられ、すでに前年同期比128%の約37億USドル(4,223億円)と大きく伸張しています。このため2004年に発表した事業戦略目標の70億USドル規模を達成することはほぼ確実となっています。

以上

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