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2006年10月3日

現行の地上デジタル放送をより高精細な映像に変換する
超解像技術の原理検証に成功

  日立製作所中央研究所(所長:福永 泰/以下、日立) は、このたび、現行の地上デジタル放送をより高精細な映像に変換することができる超解像技術の原理検証に成功しました。今回開発した方式は、10〜50フレーム(画面)の大量データと10〜100回の繰り返し演算を必要とした従来方式に対して、わずか2フレームのデータだけで繰り返し演算をせずに高精細化を実現する方式です。これにより、信号処理回路規模を大幅に小型にすることができ、リアルタイムの信号処理が必要とされるテレビに超解像技術を用いることが可能になります。

  薄型テレビの普及に伴い、テレビの大画面化が急速に進展しています。今後も、テレビの大画面化が進むことが想定されますが、テレビで受信した映像を単純に拡大するだけでは画素密度が低下し、臨場感に欠ける印象の表示画像となる懸念があります。そこで、入力画像をデジタル信号処理することにより解像度を上げる技術として超解像技術が注目されています。これは、複数の画像を入力し、そのすべての画像を正確に位置合わせし、1枚の高精細画像を生成する技術であり、入力画像の解像度を超えて、より高精細な出力画像が実現できる手法です。しかし、従来の超解像技術は、1枚の出力画像を作成する際に、大量(10〜50フレーム程度)の入力フレームと多数(10〜100回程度)の繰り返し演算を要するため、大容量メモリや超高速プロセッサなど、大量のハードウェアが必要でした。このため、低価格でリアルタイム処理が必要なテレビへの適用は困難でした。
  そこで、今回、日立は、繰り返し演算をせずに、少ない入力フレーム数で超解像処理を実現し、テレビへの適用を可能にする新たな超解像技術の有効性を検証しました。

  今回開発した方式は、2枚のフレームから1枚の高精細画像を生成する信号処理アルゴリズムで、かつ繰り返し演算を不要としたものです。大量の入力画像を用い、繰り返し演算をする従来の方法に比べ、ハードウェア規模と信号処理演算量を大幅に削減し、低価格でのリアルタイム処理に道を拓くものです。今回開発した信号処理アルゴリズムの有効性を検証するために、シミュレーションによって、地上デジタル放送の標準画質(SD:Standard Definition)に相当する動画像を入力信号として超解像技術を用いたところ、解像度を約2倍に向上することに成功し、ハイビジョン放送に近い高精細画質(HD:High Definition)を生成可能であることを検証しました。

  本技術は、入力映像の解像度よりも高精細な映像に変換する超解像技術をテレビで利用できるようにするための基本技術です。今後は、さらに信号処理アルゴリズムの最適化や専用LSIの開発を行い、テレビで利用することのできるリアルタイム超解像技術の実現をめざします。

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:花輪、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
TEL : 042-327-7777(直通)

以上

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