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2006年9月13日
株式会社日立製作所
公立大学法人秋田県立大学

企業で即戦力となるエンジニアを養成するCAD・CAE教育用
コンテンツを開発

  株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)と公立大学法人秋田県立大学(学長:小林 俊一/以下、秋田県立大学)は、このたび、共同で機械系学科の学生を対象に、企業にとって即戦力となるエンジニアを養成できるCAD*1・CAE*2教育用コンテンツを開発しました。本教育用コンテンツでは、CAD・CAEの技術を教育するだけではなく、日立から技術者を派遣し、CAE技術を実際の製品開発に適用した事例の講義を行うなど、CAEでの解析結果を製品の設計に反映させる方法を修得することができます。例えば、エレベータの乗りかごの応力解析や半導体のはんだ接合部の熱応力解析など、CAD・CAEを用いて、より実践的な製品開発の技術を修得することが可能になります。
  日立では、今回開発した教育用コンテンツの一部を「CAD・CAE教育ソリューション」として、日立の技術ポータルサイトi-engineering(アイ−エンジニアリング)を通じて、国内の他の大学や高等専門学校にも提供し、CAD・CAE教育の面から、これからの日本のモノづくり技術を支えるCAEエンジニアの育成を支援していきます。

  近年の製品開発は、グローバルな大競争時代に突入し、市場の動きにいち早く対応した製品の開発と市場投入がこれまでにも増して重要になっており、開発の迅速化と効率向上が強く求められています。これらを実現する一つの方法としてデジタルエンジニアリング*3が注目され、広範な分野でCAD・CAEが利用されています。しかし、CAD・CAEの技術を持っているだけでは、CAD・CAEで得た解析結果を製品の設計に反映させる方法が分からないなどの問題が生じることもあります。企業入社後のCAD・CAEソフトベンダによる教育や専門学校の短期間教育コースもありますが、企業で即戦力となる、より実践的な製品開発能力を身に付けたエンジニアを育成する効率的な仕組みが切望されています。
  このような背景から、日立では、さまざまな製品開発を通して培ったCAD・CAE技術を秋田県立大学の教育課程に取り入れ、同大学と共同で実践的な教育用コンテンツを開発しました。本教育コンテンツの特長は、以下の通りです。

1.3D-CADオペレーションからCAE解析までの作業を一貫して演習

  • 受講者全員が製図教育として3D-CADで設計した構造物から、モデル抽出ソフトウェアを用いてCAE解析モデルを作成し、構造解析ソフトウェアを用いて強度や耐熱性などの解析を行います。

2.CAE解析結果の評価方法を学習

  • 設計計算ツールと材料データベースが一体となった「CAE支援ツール」を用いて、構造物を簡単なモデルに置き換えて変形・応力計算を行い、CAE解析結果の妥当性を検証します。また、材料データベースに収録されている疲労強度データを用いて、構造物の寿命予測を行うこともできます。このような検証を繰り返して行うことにより、設計に必要なエンジニアリングの技術を身につけることができます。

3.企業でのCAE活用とビジネスとの関わりを理解するための先端CAE事例を学習

  • 日立から技術者を派遣し、最先端のCAE技術を製品開発に適用した事例を講義し、ビジネスとの関わりを理解することができます。

  秋田県立大学では、機械知能システム学科3年生の後期にCAD・CAE連携解析の演習を行っており、日立と連携してCAD・CAE教育ソリューションの演習内容に改良を加えてきました。これまでに延べ300名以上の学生が本演習を受講しており、既に企業に就職し、機械系技術者として活躍している人も多くいます。企業での経験を踏まえたCAD・CAE技術やノウハウを学校教育に導入することで、企業で即戦力となる実践的なエンジニアを養成することが可能になります。
  なお、本成果は、2006年9月18日から22日に熊本大学(熊本市)で開催される「社団法人日本機会学会 2006年度年次大会」にて発表する予定です。

*1
Computer Aided Designの略で、コンピュータを用いた設計や設計システムのこと。平面図のみを扱うものを2D-CAD(2次元CAD)、立体図を扱うものを3D-CAD(3次元CAD)と呼ぶ。
*2
Computer Aided Engineeringの略で、コンピュータを用いた科学技術計算、あるいはそのシステムのこと。構造物の強度解析などに使用される。
*3
開発・設計・製造プロセスにおいて、高品質、リードタイム短縮、コスト削減等を目的として、CAD、CAE 等のコンピュータソフトウェアを活用すること。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 機械研究所 企画室 [担当:秋葉]
〒312-0034 茨城県ひたちなか市堀口832番地2 日立システムプラザ勝田
電話 029-353-3047(直通)

以上

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