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車載向けの横長IPS液晶モジュールを開発
株式会社日立ディスプレイズ(取締役社長:森和廣)は、このたび、高画質、広視野角を特徴とするIPS技術を採用した高輝度・高コントラストの車載用横長(Ultra-Wide)TFT液晶を開発しました。本開発品は、2006年10月からサンプル出荷を開始する予定です。
現在、車載用液晶パネルには、高い信頼性に加え、戸外の明るい環境下における運転席や助手席からの視認性を高めるとともに、寒い朝の始動性がよく、さらには、高級感を得るために黒さが映えることなどが求められています。
そこで、当社では、これらの視認性、高画質の実現には、液晶テレビやデジタルカメラ、携帯電話向けに展開してきたIPS技術が生きるものと考え、車載向けのパネルの開発を行ってきました。
今回開発した車載向けの横長IPS液晶モジュールは、真昼の運転時など、明るい環境下における視認性をアップするため、テレビ用のIPS技術を生かし、高輝度・高コントラスト化を図りました。また、冬の寒い朝の低温始動性の改善や色再現性の向上も図るべく、高輝度LEDバックライトを開発、あらたに採用しています。
この結果、9.2型液晶モジュールにて、輝度では約660cd/m2、コントラスト比も950:1を実現しました。これにより、運転時のストレスをなくし、快適なドライブ環境を提供することが可能です。
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本開発品の特徴 |
1.IPS技術の採用
IPS技術は、本質的に広視野角な特性を有しています。今回、車載向けにIPS技術を採用した
ことで、あらゆる角度から正面と遜色のない良好な画像を再現することが可能となります。また、黒表示、すなわち無信号時は、どの角度から見ても、画面を真っ黒に再現することができ、機器の高級感をかもし出すことも可能です。さらに、IPS技術を生かした高輝度化により、太陽下であっても、視認可能な性能を確保しています。
2.LEDバックライトの開発
シミュレーションを活用し、高信頼性、高効率の高輝度バックライトを開発しました。高い色均一性を有しています。
3.おもな用途
(1) |
デジタルテレビ、インターネット表示など高級化が進むナビゲーション |
(2) |
自動車の後部座席に配置し、いろいろな角度から見ることになるリアシートエンターテインメント |
(3) |
高い黒表示の実現が必要となる将来のインパネ(Cluster) 他 |
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IPS技術とは |
IPS技術は、通常のTFT液晶とは動作が異なる横電界液晶技術です。日立製作所が1995年に発表し、1996年から実用化しました。以降、 Super-IPS、Advanced-Super IPS、IPS-Proと進化しています。横電界により、液晶分子がTFT基板に平行な面で回転するもので、その分子の動きがシンプルなため、視野角、色再現性や中間調での応答速度などに優れた性能を生み出します。本技術は、日立製作所、松下電器産業の32型大型液晶テレビに採用され、その画質は高い評価を得ています。
IPS技術の詳細は、以下をご参照ください。
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本開発品のおもな仕様 |
9.2型車載用IPS液晶ディスプレイ(クラスター用)
表示サイズ |
23cm(9.2型) 230mm×38mm |
表示画素数 |
960mm(水平)×160mm(垂直) |
表示色数 |
26万色 |
視野角 |
上下左右 170°以上 |
色再現性 |
56%(対 NTSC比) |
輝度 |
660cd/m2 |
コントラスト比 |
950:1 |
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