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フォトセンサをガラス上に形成したモバイル用IPS液晶パネルを開発
モバイル端末の自動的かつ最適な輝度設定を実現
株式会社日立ディスプレイズ(取締役社長:森和廣)は、このたび、周囲の明るさを測定するフォトセンサをTFT液晶の額縁部分のガラス上に形成した新技術を開発しました。本技術により、フォトセンサが周囲の明るさを測定し、それを自動的に液晶モジュールのバックライト回路にフィードバックすることで、最適な輝度設定が可能となります。その結果、利用者の手を煩わせることなく、自動的に最適な輝度設定を実現できます。さらに、一般的に長時間使用する室内で輝度を抑えることとなるため、消費電力の節約にもつながります。
現在、携帯電話、カーナビゲーションなどのモバイル端末では、室内から戸外に出た際や高速道路でトンネルに入った場合など、突然、周囲の明るさが変化し、画像が見えにくくなることがあります。これは、人間の目の環境順応特性から生じるもので、これにより、モバイル端末などは、明るい環境下ではディスプレイの輝度を上げ、また、暗いところでは下げる必要が生じます。
そこで、当社では、このような環境変化に対応したディスプレイとして、TFT液晶パネルの額縁部分のガラス上にフォトセンサを作りこむ技術を開発しました。具体的には、TFT液晶のガラス基板上に、フォトセンサおよびセンサ信号を時間変調パルスに変換する回路を低温ポリシリコン技術で形成しました。この信号変換回路をガラス基板上に形成することで、ノイズを少なくでき、より安定的に周囲の明るさを検出することが可能となりました。
今回の開発品は、2006年4月19日から東京ビックサイトにて開催される「Display 2006」において、技術展示を行なう予定です。なお、製品化は、2006年度後半からのサンプル出荷を計画しています。
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主な仕様 |
3.9型IPS TFT液晶ディスプレイ
- 表示サイズ:9.9cm(3.9型)
- 表示画素数:320(水平)×480(垂直)
- 表示色数:26万色
- 視野角:上下左右 170°以上
- 輝度:100〜300cd/m²
- コントラスト比:500:1
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IPS技術とは |
IPS技術は、通常のTFT液晶とは動作が異なる横電界液晶技術です。1995年に発表し、1996年より実用化しました。以降、Super-IPS、Advanced-Super IPS、IPS-Proと進化しています。液晶分子が、横電界によりTFT基板に平行な面で回転するもので、その分子の動きがシンプルなため、視野角、色再現性や中間調での応答速度などに優れた性能を生み出します。
IPS技術内容は下記をご参照ください。