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カメラ映像で異常行動を高精度に検知する学習型画像監視技術を開発
日立製作所(執行役社長:庄山 悦彦/以下、日立)は、このたび、カメラ画像監視システムによる自動的な異常行動検知手段として、正常行動と任意の行動との差分の度合により異常行動を検知する学習型画像監視技術を開発しました。本技術は、高精度な画像処理技術を用いることで、監視カメラの画像のうち、正常行動の特徴をあらかじめ学習してデータベース化し、任意の画像と比較した際の異常度合を統計的に算出して、一定値を超えたものを異常行動として検知するもので、エレベーターかご内の異常行動監視等に応用できます。
一般的に実用化されている異常行動検知技術は、異常行動パターンをモデル化してアルゴリズムに置き換え、撮影された映像からデータベース化された異常行動モデルに相当する物体をマッチングすることで異常検知を行っています。しかし、この方法では、発見できる異常行動のモデルが固定されている、異常行為自体のサンプルが極めて少ない、といったことから、結果として、適用範囲が限定的になる傾向がありました。監視カメラ映像からより高精度に異常行動検知を行うためには、莫大な量、及び種類の異常行動画像を収集し、詳細な異常行動モデルを構築する必要がありますが、プライバシー侵害等の問題により、それに見合うデータ収集は不可能であるという課題がありました。
そこで、日立は、異常行動のマッチングにより、異変を把握するのではなく、身近に豊富に存在し収集がしやすく、かつ、比較的容易に作成できる正常行動を基準とし、任意の行動との差分を計測して異常を検出する方法に着目しました。
今回開発した技術は、正常行動の特徴をあらかじめ学習してデータベース化し、任意の画像の特徴との差が一定値を越えたものを異常行動として検知します。独立行政法人産業技術総合研究所が開発した、3画面の動画像を一まとまりとして、輝度の変化点を連鎖形状によって251種類に分類する立体高次局所自己相関を特徴として使用することで、“あばれ”などの動きの大きな異常行動だけではなく、威嚇行為などの比較的動きの小さな異常行動も安定的に検知することを可能にしたものです。また、体操のように動きの大きな正常行動を異常行動として誤って検知することもほとんどなく、検知率95%以上という高精度の異常行動検知を実現しました。
本技術は、エレベーター、建物のエントランスや駐車場、駐輪場などの安全監視等に応用でき、2006年3月7日から東京ビッグサイトで開催されるセキュリティショー2006に展示されます。