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パソコンのモデルチェンジおよびソフトウェア改良により
使い勝手を向上した
身体障害者向け意志伝達装置「伝の心」を発売
日立製作所ユビキタスプラットフォームグループ(グループ長&CEO:江幡 誠)は、重度身体障害がある方のQOL(Quality Of Life:生活の質)向上を支援するため、これまで販売してきたALS*1(Amyotrophic Lateral Sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)患者などの身体障害者向け意志伝達装置「伝の心」の改良版を製品化しました。
今回発売する製品では、意志伝達装置のベースとなるパソコンのモデルチェンジとソフトウェアの改良を行うことにより、画面を見やすくする、メールを送信しやすくするなど使い勝手を向上させています。なお、本製品は株式会社日立ケーイーシステムズより11月8日から販売を開始します。
*1 |
ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis)とは…ALSは、脊髄の運動神経が侵され、全身の筋肉の萎縮が起こる進行性の神経筋難病です。初期症状としては、足がもつれる、口がうまくきけないなどの症状が起こり、症状が進むと、歩けなくなったり、筆談や発語、さらには呼吸ができなくなります。しかし、脳機能は衰えないため、相手の言うことは分かっても答えることができない、自分の考えを伝えられないなど、コミュニケーション上の問題が起こります。病気の原因も治療法も不明で、厚生労働省の「特定疾患」に指定され、全国で約7,000人の患者がいるといわれています。 |
当社は、1997年12月から、ALS患者の方を主な対象とした意志伝達装置「伝の心」を製品化しています。「伝の心」は、文章作成、身の回りの機器(赤外線リモコンで操作できる機器が対象)の操作、離れた人とのコミュニケーション(電子メールの利用)を基本機能としており、現在までに約3,000台出荷しています。2003年度の給付制度利用機器の中では約70%のシェアとなっています。
本機の操作は、カーソルがディスプレイ上に表示された文字盤やメニュー等の上を自動的に動く(この動作をスキャンと呼ぶ)ように設定してあり、メニューや文字盤の文字など希望の項目にカーソルが移動したときに、患者自身が身体をわずかに動かしスイッチ入力して、その項目を選択して行います。
1999年10月には、「伝の心」を介して患者が自ら操作できる身の回りの機器の種類を増やし、本を読むための「ページめくり機」や家庭用テレビゲーム機の操作を行えるようにしました。また、2000年8月には電子メール送受信やホームページ閲覧を可能に、2002年4月にはワープロソフトなどの一般アプリケーションの利用を可能に、2003年11月には音声読上げガイド機能を強化し重複(肢体・視覚)障害のある方の利用を可能にするなど、患者さんのQOLの向上を実現するさまざまな機能の拡張を図っています。
今回の改良は、利用者の方々から寄せられたご意見から、「もっと画面を見やすく」「メールを簡単に送信したい」など要望が多かった項目に対応したものです。今後も操作性の向上や機能の強化に取り組み、ユーザーの方のQOL向上を目指していきます。
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価格および出荷時期 |
製品名 |
標準構成 |
価格*2 |
出荷時期 |
伝の心 |
●ノート型パソコン
- 「伝の心」ソフトウェア(Ver04-70) インストール済み
- ウイルスバスター™2005インターネットセキュリティ90日期間限定版インストーラ格納
- 搭載OS:Windows®XP Home Edition(SP2)
- DVDスーパーマルチドライブ標準装備
- 有線LAN、ワイヤレスLAN標準装備
●入力スイッチ接続ケーブル
●プリンタ
●学習リモコン
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500,000円
(非課税品) |
11月8日 |
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*2 |
「伝の心」の標準構成と販売会社提供スイッチ1つを合わせての希望小売価格です。この他に設置費用が別途かかる場合があります。厚生労働省の日常生活用具給付制度の対象となる方(身障者手帳の肢体不自由1級(四肢麻痺)かつ言語障害3級)が購入される際、最大47万円の購入補助を受けることができます。 |
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本製品の主な特徴 |
1. パソコンのモデルチェンジによる使い勝手向上
(1) 液晶ディスプレイ
今回のモデルから、液晶ディスプレイのサイズが14.1インチから15インチに大きくなりました。さらに、TFT液晶から高輝度のスーパーラスタービュー液晶としたことで、より見やすい画面になっています。
(2) LAN機能
今回のモデルから、有線式LANに加えて無線式LANも搭載しています。配線を気にしないで、部屋をすっきりとさせたままインターネット利用環境を構築したい方には、無線式LANがおすすめです。
(3) DVD書き込み機能
従来品ではDVDの書き込みに対応していませんでしたが、今回、DVDスーパーマルチドライブを搭載したことにより、DVDの作成が可能になりました。
2. ソフトウェアの改良による使い勝手向上
(1) 一発メール送信
従来は、文章作成が終了してからメールを送信する準備を整えるまで、十数回のスイッチ入力が必要でした。今回、文書文字盤に新しく「送」を追加したことにより、あらかじめ設定した宛先に対しては、作成中の文書を直ちにメール送信することが可能になりました。
(2) ホームページの拡大
マウスカーソルが指し示す周辺を常に拡大表示する機能をサポートしました。マウスカーソルをスイッチ入力操作で移動することにより、ホームページ上の小さな文字や画像を見ることができます。
(3) 文書一覧の並び替え
文書読み込み画面では、既に作成した文書名が一覧表示されます。ユーザーはこの一覧から読み込みたい文書を選択します。この一覧の並び順を、文書名の昇順/降順、または文書を作成した日付(ここでの日付は年月日と時間)の昇順/降順に変更できる機能をサポートしたことにより、目的の文書が選びやすくなりました。
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商標注記 |
- Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
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関連情報 |
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お問い合わせ先 |
株式会社日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ ソリューション統括本部
事業企画室 アクセシビリティグループ [担当:大坂]
〒100-0004 東京都千代田区大手町2丁目2番1号 新大手町ビル
TEL : 03-4232-5077 (ダイヤルイン)
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販売に関するお問い合わせ先 |
株式会社日立ケーイーシステムズ 東京オフィス
〒140-0013 東京都品川区南大井6丁目25番14号 OSKビル
TEL : 03-5767-7820