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2005年10月19日

毎秒40ギガビットの都市間・都市内光通信に向けた
伝送距離拡大技術を開発

光ファイバ内で生じる信号のひずみを低コストな光学装置で補償

 

  株式会社日立製作所 中央研究所(所長:福永 泰/以下、日立)は、日立金属株式会社 先端エレクトロニクス研究所(所長:峯村 哲郎)と共同で、次世代の基幹系(都市間)およびメトロ系(都市内)光通信ネットワークに向けて、通信速度40ギガビット/秒で伝送する場合に発生する光信号のひずみを、低コストで修復できる可変分散補償技術を開発しました。開発した可変分散補償技術は、一般的な光学部品であるエタロン*1(光共振器の一種)とミラーを組み合せた簡便な構成で、大容量伝送の際に波長の異なる複数の信号を伝送する波長多重*2でも、全ての信号を一つの分散補償器で修復することが可能です。40ギガビット/秒などの高速光通信において課題となる光信号のひずみを低コストで修復できることから、この可変分散補償技術は、今後の光伝送距離の拡大に貢献できると考えます。

  インターネットの急速な発展とADSL*3やFTTH*4などのブロードバンド技術の普及に伴い、情報伝送量は、今後ますます増大することが見込まれています。これに伴い、基幹系およびメトロ系光通信ネットワークにおける通信インターフェースも、現在商用化されている10ギガビット/秒から、さらに高速伝送が可能な40ギガビット/秒へ移行することが見込まれています。しかしながら、40ギガビット/秒の光伝送システムでは、波長に依存して光の進む速度が異なる波長分散効果*5による波形のひずみが著しく、このひずみを低損失で修復(補償)できる“可変分散補償器”が必要となります。これまでも分散補償器の開発が進められてきましたが、特に都市内の市場ではコスト要求が厳しいため、低コストで40ギガビット/秒の光信号を長距離伝送できる可変分散補償器の開発が求められていました。

  今回、日立は、このようなニーズに対応できる、低コスト化が可能な可変分散補償技術を開発しました。開発技術の詳細は以下の通りです。

 

(1) エタロン斜め反射方式

  一般的な光学部品であるエタロン(光共振器の一種)とミラーとを対向させるという簡単な構成で、40ギガビット/秒の光通信で生じる波形のひずみを修復します。伝送距離の拡大には分散補償量の拡大が必要となりますが、ミラーを使いひずんだ光信号をエタロン内で複数回反射させることで、分散量の拡大を実現しています。また、ミラーを斜めに傾け、エタロンに対して斜めに光信号を入射させることで、エタロンの波長分散特性をわずかにずらすことが可能になります。本方式の採用により、エタロンのみの場合に比べ、分散量を2倍以上に拡大することが可能なほか、帯域の拡大も同時に行うことができます。また、エタロンは透明性の高い材料で構成されているため、低損失であり、波長に対して周期的な特性を持つために波長多重で伝送された信号も一つの可変分散補償器で修復することが可能です。

 

(2) 温度制御による可変方式

  エタロンとミラーのペアで構成される複数の基本ブロック内の、各エタロンの温度をペルチェ素子で制御するだけで分散量を可変にする、簡便で安定性に優れた可変方式を開発しました。本方式の採用により、可変分散量500ps/nm*6以上で損失4.4dB以下の補償器を実現しました。

  今回試作した可変分散補償器を用いて、40ギガビット/秒の高速光伝送評価を行った結果、伝送路である光ファイバの分散量を±250ps/nm以上(15km相当の光ファイバ内を伝送)変化させた場合でも符号誤り率を悪化させることなく伝送できることを確認しました。本技術により、基幹系およびメトロ系光通信ネットワークでの40ギガビット/秒の高速光伝送の低コスト化が期待されます。
  今後は、実用化に向けて、一層の分散量補償の拡大と低損失化および小型化を進める予定です。

  なお、本成果は2005年9月24日から英国で開催されたヨーロッパ光通信国際会議(European Conference on Optical Communication)「ECOC 2005」で発表しました。

図 可変分散補償器の構成と波形の補正効果
 
 

用語説明

 
 
*1 エタロン
  2枚の反射フィルタを平行に配置した光共振器で、フィルタ間で干渉することにより、特定の波長の光だけが遅れて反射する性質を持つ。
*2 波長多重
  1本の光ファイバに複数の異なる波長(色)の光信号を伝送し、大容量伝送を行う技術。光通信に用いられる1.5ミクロンの波長帯では、最大100を超える波長を伝送することが可能。
*3 ADSL
  電話回線を利用した加入者用ブロードバンド通信方式の代表例で、数メガ〜数十メガビット/秒の高速なデータ伝送を可能にする技術。インターネットへのアクセスやIP電話などに用いられます。国内での加入者数は1,000万を越え、広く普及しています。
*4 FTTH
  各家庭まで直接光ファイバを導入する加入者用ブロードバンド通信方式の一つであり、インターネットへのアクセスや画像配信などに用いられます。100メガビット/秒という極めて超高速データ伝送が可能です。国内での加入者数は300万を越えるなど、普及が急速に進んでいます。
*5 波長分散効果
  波長によって光の進む速度が異なる効果。
*6 ps/nm
  分散量の基本単位で、単位波長当りの光のスピードの変化を示す。
 
 

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 : 042-327-7777 (ダイヤルイン)

 
 

以上

 
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