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ドアハンドルを握るだけで本人認証する
グリップ型の指静脈認証技術の開発に成功
自動車や住宅のドアを開く動作で本人認証を実現
日立製作所(執行役社長:庄山悦彦/以下、日立)は、ドアハンドルを握っただけで、指の静脈パターンを瞬時に確認して本人認証するグリップ型の指静脈認証技術を開発しました。これにより、鍵の携帯が不要になるだけでなく、認証のために特別な操作を行う必要もなくなり、自動車や住宅のドアハンドルを握るだけで指静脈認証によって開錠でき、高いセキュリティレベルを保ちながら、自然な動作で自動車や住宅への入室ができるようになります。
なお、本技術は、10月22日から11月6日まで幕張メッセにて一般公開される「第39回東京モーターショー2005」で、自動車のドアハンドルに指静脈認証を搭載したモデルとして出展する予定です。
近年、ピッキングや車上荒らしなど、住宅や自動車の入口を不法に開けて盗難などを行う犯罪が増加しています。こうした状況を踏まえ、セキュリティに対する意識が急速に高まっており、特に本人認証の分野では、指紋、虹彩、顔、静脈などの個人固有の特徴を用いた、より偽造されにくい個人認証の手段である生体認証が注目されています。
これまで日立では、指に光を透過させて測定した静脈パターンを認証の鍵として使う、指静脈認証技術を独自に開発し、2000年に基本的な技術を確立して、使い勝手のよい開放型装置*1や、屋外でも利用可能な認証技術*2を開発してきました。日立グループでは、これらをセキュリティ事業の中核技術として、ATMなど金融機関での利用をはじめ、入退室管理、PCログインなどの幅広い分野に応用しています。
日立は、こうした機器レベルのセキュリティに加え、施設や住宅、自動車などの入口におけるセキュリティの確保が重要な課題であると考えており、グリップ型の指静脈認証装置を開発しました。本技術は、ドアハンドルに組み込むことによって、握るだけで本人認証ができ、他に特別な操作を行う必要がないため、鍵の携帯が不要になり、鍵の盗難や偽造の防止が可能になります。また、本人認証のための暗証番号の設定が不要となるなど、高い利便性も備えています。
今回、開発した技術の特長は以下の通りです。
(1) 指の甲側の静脈パターンを使用する認証方式
これまでの指静脈認証方式では、指の腹側にある静脈のパターンを撮像することによって認証を行ってきました。しかし、何かを握った状態では指が変形したり血管が圧迫されたりするために、静脈パターンが安定しないという問題がありました。そこで、逆に握ったときにはじめて適度の張りが生じて明瞭なパターンが得られる、指の甲側の静脈に今回新たに着目しました。握ることによりドアハンドル上の光源と指とが密着するため、明るく鮮明な静脈画像が取得できます。
(2) 指を所定の位置に誘導するドアハンドル形状
カメラで撮影される指やその部分が認証するたびに異なっていては正しい認証ができません。そのため、握ったときに指の同じ部分が毎回撮影されるように、ドアハンドルの形状を工夫し、同じ指であれば毎回所定の同じ位置にうまく収まるように工夫しました。これに画像処理による正規化補正技術を組み合わせることで、安定した認証を可能にしています。
今回開発した、ドアハンドル一体型の指静脈認証装置は、従来にない高い利便性を提供するセキュリティ技術として、幅広い用途が期待されます。日立では、今後、自動車や住宅に向けた応用を目指して実用化を進めていく予定です。
*1 |
2004年3月1日 |
: |
日立製作所ニュースリリース「指をかざすだけで本人認証する開放型の指静脈認証技術を世界で初めて開発」 |
*2 |
2004年11月8日 |
: |
日立製作所ニュースリリース「太陽光を光源に利用した指静脈認証技術の開発に成功」 |
| | お問い合わせ先 |
株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 : 042-327-7777 (直通)