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AV機器の操作を支援するマスコットロボットを試作
対話をしながら好みの番組を選択する知的インターフェースを実現
日立製作所 中央研究所(所長:福永泰/以下、日立)は、このたび、音声認識・合成、画像認識、テキスト解析技術を統合した対話技術により、AV 機器の操作を支援する知的ユーザーインターフェースとしてマスコットロボットを試作しました。本技術は、ユーザーの嗜好を視聴履歴に基づいて分析することにより、マスコットロボットが多数の放送番組や録画番組の中から見たい番組を効率良く推薦するなど、AV機器の操作性を向上するものです。今後ますます多機能化するAV機器に対するインターフェースの新しい方式として活用が期待されます。
近年、テレビの多チャンネル化に伴い、大量の情報を入手できるようになり、見る番組の選択範囲が広がっています。また、HDD/DVDレコーダーの普及などが進むことにより、大量の番組を録画することが可能になり、放映時間に捉われずに録画番組を見ることができます。そのため、ユーザーは大量の情報・コンテンツを好みに応じて選択し、視聴することができます。しかし、こうした機器を使いこなすためには、急速に高機能化するデジタルメディア機器を、リモコンなどを使って操作する必要があります。リモコンの多機能化・複雑化が進む中、より多くの人々が多チャンネル化のメリットを享受するためには、ユーザーインターフェースの改善が課題となってきています。
このような背景から日立では、AV機器の使いやすさを追求し、新しい利用形態をユーザーに提供するため、(1)ユーザーに意識させずにユーザーの嗜好を学習する、(2)多数の放送番組や録画番組の中から見たい番組を効率良く選択、(3)自然言語を用いた対話形式による直感的な操作、の3つの視点から、ユーザーのストレスを低減するAV機器のインターフェースの開発に着手しました。今回、AV機器の操作を支援する、自然言語を用いた知的インターフェース技術を開発し、本技術を具現化したマスコットロボットを試作しました。開発した技術には次のような特長があります。
(1) 視聴履歴に基づくユーザー嗜好分析機能
視聴した番組内容を元にユーザーの嗜好を自動的に学習し、キーワード入力などを必要とせずに、ユーザーに対して視聴番組や録画番組を推薦することが可能です。ユーザー嗜好の学習は、EPG(Electric Program Guide:電子番組表)から取得できる番組タイトル、ジャンル、出演者、概要説明等を基本として、ユーザーが視聴した番組の視聴日、視聴時間、視聴頻度等の履歴を分析する技術を用いて行います。
(2) 個人適応型サービス提供機能
顔画像認識技術により、AV機器の前にいるユーザーが誰であるかを自動的に判別し、視聴態度から各ユーザーの嗜好を分析し、ユーザーごとに最適なサービスを切替えて推薦します。例えば、ユーザーを個人名で呼び掛けたり、個々のユーザーの好みに応じて番組を推薦するなどができます。
(3) マルチモーダル認識機能
音声認識、音声合成、顔画像認識を統合したマルチモーダル認識技術を用いて、ユーザーの意図をAV機器に伝達することが可能です。音声認識技術、音声合成技術により、自然言語による対話形式のインターフェースを実現します。また、8個のマイク(マイクアレイ)を用いた音源方向推定機能と顔画像認識機能により、呼びかけられたユーザーの声の方向と顔の位置を検出し、アイコンタクトをすることにより、親近感のある対話を補助します。
今回開発した知的インターフェース技術は、AV機器操作だけでなく、情報家電全般に応用することを期待しています。今後は、このマスコットロボットを用いたユーザーインターフェースの実証実験により、より自然なインターフェースの実現に向けて対話機能や認識機能の高度化を目指します。
なお、本研究成果は、2005年10月4日から8日に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2005」の日立ブースにて展示する予定です。
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株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
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電話 : 042-327-7777 (直通)