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ノートPCに内蔵できる小型指静脈認証装置の開発に成功
従来比で20分の1の容積を実現
日立製作所(執行役社長:庄山悦彦、以下/日立)は、このたび、指の静脈パターンを用いて、個人を認証する指静脈認証装置の大幅な小型化技術を開発し、この技術によって、容積19ml(39mm(奥行き)×34mm(幅)×15mm(高さ))という、従来のものと比較して、容積20分の1(当社比)となる世界最小の指静脈認証装置を試作しました。指静脈認証技術は、指に光を透過させて指の静脈パターンを観察する生体認証技術で、1997年から日立が開発を進め、2000年に基本的な技術を確立して、今日まで様々な改良を加えてきたものです。今回、下から光をあてる「下方照射方式」を新たに開発し、装置のフラット化を実現しました。このため、ノートPCやPDAなどの携帯端末分野への内蔵が可能となり、従来以上に幅広い範囲で、指静脈による本人確認を行うことができるようになります。
近年、急速な情報化社会の進展に伴い、2005年4月には個人情報保護法が施行され、企業や自治体などでは、個人データ、機密に対する管理意識が高まっています。そのため、指紋、虹彩、顔、静脈などの個人固有の特徴を用いた、より偽造されにくい個人認証の手段である生体認証が注目されています。これまで日立では、これらの生体認証の中でも特に偽造されにくい特長を持つ、指の静脈パターンを利用した「指静脈認証技術」を独自に開発し、使い勝手のよい開放型装置*1の実現や、屋外でも利用可能な認証技術*2を開発してきました。指静脈認証技術は、日立グループにおけるセキュリティ事業の中核技術として、ATMなど金融機関での利用をはじめ、入退室管理、PCログインなどの幅広い分野に応用されています。
また、近年では、ノートPCやPDAなどの持ち運び可能な媒体でも、大量かつ重要な情報を扱うことが可能となっていることから、紛失や盗難へのリスク対策も急務となっています。そのため、持ち運び可能な携帯機器にも搭載できるような小型の認証装置へのニーズが高まっています。このような背景から、今回、日立では従来のものと比較して、容積20分の1という小型の指静脈認証装置を実現しました。
今回開発した指静脈認証装置の小型化技術の特長は、以下の通りです。
- 装置の高さを低くする下方照射型の光学方式
指静脈認証では、指の背面方向から光を当て、透過する光を測定することによって静脈パターンを観察します。しかし、光源を指の背面に配置すると指を上から覆うような厚みが必要となり、装置を薄くすることが困難でした。そこで、光源をカメラと同じ指の下側に配置し、下から光を指の先端と根元だけに入射する方式を考案しました。これは、指の中で散乱した光のうち、指の中央部を透過した光を集光し、静脈パターン画像を得る全く新しい光学系技術で、これにより装置のフラット化を実現しました。
今回開発した小型指静脈認証装置は、今後、さらにセキュリティが必要とされるノートPCや、PDAなどの携帯端末分野へ、応用を進めていきます。
*1 |
2004年3月1日:日立製作所ニュースリリース「指をかざすだけで本人認証する開放型の指静脈認証技術を世界で初めて開発」 |
*2 |
2004年11月8日:日立製作所ニュースリリース「太陽光を光源に利用した指静脈認証技術の開発に成功」 |
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株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 : 042-327-7777 (直通)