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日立の爆発物探知装置が
米国運輸保安局の認証を日本企業で初めて取得
日立製作所 ディフェンスシステム事業部(事業部長&CEO:武井三雄/以下、日立)は、プラスチック爆弾などの高性能爆薬を瞬時に検知する爆発物探知装置「DS-110E-W」において、このたび世界的な評価機関である米国の運輸保安局(Transportation Security Administration/以下、TSA)の認証を、米国以外の企業として世界で初めて取得しました。この装置は、検査対象となる手荷物等の表面に付着している粒子を専用のシートで拭取り、シートに付着した物質を質量分析技術で解析することにより、爆発物の痕跡の有無を確認することができます。
世界中の空港や発電所などの重要施設において、保安強化のニーズが高まっています。米国では、2001年9月11日に発生した同時多発テロ以降、国土安全保障省を設立して国内の保安強化を推進しており、特に国内運輸に対する保安強化に関しては、国土安全保障省内のTSAが担当しています。TSAは航空保安に欠かせない爆発物探知装置等の検査機器の評価・認証も行っており、このTSAの認証規準は、現在、国際的なデファクトスタンダードとして認識されており、米国内はもちろんのこと、世界各国の空港においても、調達する検査装置に対して、TSAの認証取得を条件としているところが多数あります。
日立が開発した爆発物検知装置「DS-110E-W」は、バッグやスーツケース、小包といった検査対象物の表面に付着している可能性のある極微量な爆薬の粒子を専用のシートで拭取ることで採取し、分析することで爆薬の痕跡の有無を確認する装置です。一般的にこのようなタイプの爆発物探知装置はExplosives Trace Detection System(ETDS)と呼ばれています。
爆発物探知装置「DS-110E-W」は分析部に質量分析計を採用することで、採取された物質の分子をイオン化し、その重さを測定して物質の分子構成を推定・特定するため、非常に高い検知性能を実現しました。また、採取した物質のイオン化の手段として、従来のETDSが使っている放射線照射でなく、コロナ放電*を採用しているため、放射線の管理や取り扱いに関わる申請や資格を必要としません。
日立では、中央研究所で培った質量分析技術を、これまでダイオキシン前駆体や不正薬物等の検知、ならびに爆発物探知に応用してきました。中でも爆発物探知装置は、2000年3月に爆発物探知試作装置を開発し、その後、爆薬、火薬に関する国内有数のノウハウを保有する日本油脂株式会社(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:中嶋洋平)との共同開発を通じて2001年の7月に最初の製品を発表しました。以後、装置の改良を重ね、2003年11月には日立アメリカ社と連名で、TSAの研究で名高いTransportation Security Laboratoryと共同開発研究契約を締結し、爆発物探知装置「DS-110E-W」の実運用性能の向上を進めてきました。2004年6月にはこれまでの成果を踏まえ、TSAのETDSに関する認証試験へ正式に申請し、数々の評価試験を経て、今回、爆発物探知装置「DS-110E-W」がETDSとして機能・性能が十分であることをTSAから評価・認証されました。
日立では、市場のニーズに幅広く対応するために、爆発物探知装置の他、X線検査装置等さまざまなフィジカルセキュリティ関連製品をラインアップしています。今後、日立は安心・安全社会への貢献に向け、フィジカルセキュリティの分野において、今後3年間で合計100億円の売上をめざします。
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コロナ放電:針状の電極に数キロボルトの電圧を印加することにより発生する安定な放電。 |
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株式会社 日立製作所 ディフェンスシステム事業部 PSB推進統括センタ [担当:伊奈]
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