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1. 「環境に配慮したモノづくり」のルール化と製品含有化学物質管理のシステムづくりの推進 |
2004年度は、環境に配慮したモノづくりを日立グループとして徹底するために、製品に含まれる化学物質の管理と運用について、プロセスやシステムの再構築を進めています。日立グループ「環境CSRモノづくり規程」として共通ルール化し、システムづくりを行い、代表モデルとして日立製作所RAIDシステム事業部、日立ホーム&ライフソリューション株式会社、日立マクセル株式会社で製品含有化学物質一元管理システムの導入を開始しました。
今後は、電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限指令(以下、RoHS指令*1対象製品については、2006年6月までにシステムの導入を完了させ、また、それ以外の製品についても2006年度中の構築をめざしながら、日立グループの製品含有化学物質の一元管理を実施します。
なお、「環境に配慮したモノづくり」のルール化と製品含有化学物質管理のシステムづくりについては、2004年12月7日発行のニュースリリースもあわせてご覧下さい。
*1 |
Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment |
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2. 環境適合製品*2の拡大 |
2004年度は、環境適合製品が、前年度から101製品、430機種増加し、817製品、3,294機種となりました。環境適合製品売上高比*3は、グループで定めていた2004年度の目標値である70%を上回る72%となりました。また、資源をより有効に活用するために、環境負荷と資源消費を抑制しながら、どれだけ価値を生み出したかを示す指標「環境効率」を導入していますが、「環境適合設計アセスメント」に「環境効率」の算出機能を追加し、これまでの「環境適合設計アセスメント」を実施することにより「環境効率」もあわせて算出できるようにし、ファクターを11製品に拡大しました。
今後は、デジタルメディア・民生機器製品などを中心に環境適合製品をさらに拡大し、環境適合製品売上高比を2006年度に80%*4、2010年度に100%*4を目標として、取り組んでいきます。一方、製品の環境効率について2010年度までの具体的目標を策定し、対象製品を2005年度は37製品に拡大します。
環境適合製品売上高比推移
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2003年度 |
2004年度 |
2006年度
目標 |
2010年度
目標 |
実績 |
66% |
72% |
- |
- |
目標値 |
60% |
70% |
80%*4 |
100%*4 |
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*2 |
製品のライフサイクルの各段階で、製品が環境に与える生涯環境負荷をできるだけ小さくなるように、環境に配慮した設計の考えを取り入れた「環境適合設計アセスメント」を実施し、各評価項目の評価結果が5点満点中2点以上かつ、総合平均点が3点以上となる環境配慮に優れた製品。 |
*3 |
環境適合製品売上高/総売上高(連結ベース) |
*4 |
情報機器、システム・サービス製品、デジタルメディア・民生機器を対象にした目標。 |
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3. 電気・電子機器における6化学物質の全廃 |
2004年度は、EU(欧州連合)のRoHS指令への対応として、対象の約70製品に含まれている6化学物質*5の全廃に取り組んできました。グループ内での技術開発はもとより調達先の協力を得て、鉛フリー、六価クロムフリー部品の採用などを実施しました。その結果、2005年3月時点で、大部分の新製品で対応を完了しており、ハードディスクドライブなどの製品で、既にRosh適合製品を出荷しています。対応が未完の一部の製品についても順次、新製品から切り替えていきます。また、サプライヤーの立場としても、電線などの素材に関するRoHS対応を行っています。
*5 |
鉛・水銀・カドミウム・六価クロム・臭素系難燃剤(PBB(ポリブロモビフェニル)、PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル)) |
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4. CO2(二酸化炭素)の削減 |
2004年度は、鋳物の製造工程の改善、クリーンルームの省エネなどにより、国内の生産高CO2排出量原単位が1990年度比24%、CO2排出量が1990年度比20%削減しました。
今後は、1990年度を基準として2010年度までに生産高CO2排出量原単位を25%削減、CO2排出量を2010年度までに7%削減とする行動計画に基づき、省エネルギー化を進めていきます。
また、海外においても2004年度から2003年度を基準として2010年度までに生産高高CO2排出量原単位を5%削減するという目標を追加しました。2004年度は事業拡大などにより、2003年度比で1%増加しました。
一方、輸送によるCO2排出量の削減を2010年度に2000年度比で10%削減する目標を定め、輸送効率の向上、モーダルシフトなどの取り組みを推進します。
生産高CO2排出量原単位削減推移(1990年度比)
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2003年度 |
2004年度 |
2005年度
目標 |
2010年度
目標 |
実績 |
19%削減 |
24%削減 |
- |
- |
目標値 |
- |
- |
20%削減 |
25%削減 |
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CO2排出量削減推移(1990年度比)
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2003年度 |
2004年度 |
2005年度
目標 |
2010年度
目標 |
実績 |
29%削減 |
20%削減 |
- |
- |
目標値 |
- |
- |
3%削減 |
7%削減 |
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5. 化学物質管理の徹底と排出量の削減 |
2004年度は、トルエンなどの有機溶剤の大気排出量を、排出ガス処理設備などの導入により削減しました。削減対象物質*6の排出量は、グループで定めていた目標値である2000年度比15%削減を大きく上回る56%削減(削減した排出量は4,700t)となりました。
今後もさらに化学物質の管理の徹底を図るとともに、削減対象物質の排出量を削減していきます。
削減対象物質排出量の削減推移(2000年度比)
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2003年度 |
2004年度 |
2005年度
目標 |
実績 |
45%削減 |
56%削減 |
- |
目標値 |
15%削減 |
- |
30%削減 |
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*6 |
日立グループ各社もしくは各事業所で禁止もしくは削減対象に選定した物質。 |
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6. 環境会計 |
2004年度は、前年度比で費用、経済効果ともに約1割、投資は約4割増加しました。事業再編により対象範囲が変更になった結果、投資の絶対額は、前年度比139%でした、そのうち環境適合製品などの研究開発コストが約4.5割を占めています。こうした研究開発成果は、製品使用時のエネルギー消費量の削減などに貢献しています。
今後も、事業所における環境負荷削減だけでなく、製品を通じた環境負荷削減も推進します。
(1) 費用
項目 |
費用(億円) |
2003年度 |
2004年度 |
費
用 |
事業所エリア内コスト |
290.2 |
318.2
(110%) |
上・下流コスト*7 |
27.6 |
26.9
(97%) |
管理活動コスト |
122.9 |
107.6
(88%) |
研究開発コスト |
354.8 |
395.1
(111%) |
社会活動コスト |
3.7 |
6.1
(111%) |
環境損傷コスト |
5.1 |
22.3
(437%) |
費用合計 |
804.3 |
876.2
(109%) |
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* |
( )内数値:2004年度結果の対2003年度比 |
*7 |
グリーン調達費用、製品・梱包の回収・再商品化、リサイクル費用等。 |
(2) 効果
項目 |
効果額(億円) |
2003年度 |
2004年度 |
経
済
効
果 |
実収入効果 |
40.6 |
62.5
(154%) |
費用削減効果 |
116.7 |
127.7
(109%) |
経済効果合計 |
157.3 |
190.3
(121%) |
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項目 |
削減量 |
2003年度 |
2004年度 |
物
量
効
果 |
生産時のエネルギー
使用量削減
(単位:百万kWh) |
127 |
125
(98%) |
生産時の廃棄物
最終処分量削減
(単位:t) |
5,612 |
5,922
(106%) |
製品使用時のエネルギー
使用量削減
(単位:百万kWh) |
507 |
730
(144%) |
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* |
( )内数値:2004年度結果の対2003年度比 |
(3) 投資
項目 |
投資額(億円) |
2003年度 |
2004年度 |
投資合計(設備投資など) |
101.7 |
141.0
(139%) |
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* |
( )内数値:2004年度結果の対2003年度比 |
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7. 最終処分量の削減と「ゼロエミッション*8」達成事業所 |
2004年度は、最終処分量を、1998年度を基準として62%まで削減し、これまでグループで定めていた2005年度までに80%以下、2010年度までに70%以下とする目標を達成しました。
また、新たな取り組みとして、簡易包装実施による梱包材の削減、製造工程で使用する機械部品の掃除布の洗浄による再利用、廃水処理汚泥や焼却灰をセメント原料化するリサイクルなどを実施しました。この結果、ゼロエミッションを達成したサイト(会社、事業所)は71サイト(2004年度単年度では42サイトが達成)となりました。
*8 |
日立グループでは、各事業所から排出される廃棄物・有価物等の最終処分率(最終処分量/発生量)を1%以下にし、かつ最終処分量(直接最終処分量+中間処理後処分量)を5t未満/年にすることを「ゼロエミッション」と定義し、取り組んでいます。 |
ゼロエミッション達成事業所
会社 |
事業所名 |
株式会社日立製作所
| 研究開発本部日立研究所 |
研究開発本部機械研究所 |
電機グループ笠戸事業所 |
都市開発システムグループ水戸ビルシステム本部 |
情報・通信グループ情報 制御システム事業部 |
情報・通信グループ RAIDシステム事業部 |
情報・通信グループ マイクロデバイス事業部 |
ユビキタスプラットフォームグループデジタルメディア事業部 横浜地区 |
ユビキタスプラットフォームグループデジタルメディア事業部 東海地区 |
オートモティブシステムグループ 佐和事業所 |
オートモティブシステムグループ 厚木工場(第1地区) |
オートモティブシステムグループ 厚木工場(第2地区) |
オートモティブシステムグループ 厚木工場(平塚事業所) |
オートモティブシステムグループ 群馬工場(第1地区) |
オートモティブシステムグループ 群馬工場(第2地区) |
日立エーアイシー株式会社
| 三春工場 |
芳賀工場 |
石岡工場 |
小田原工場 |
日立エンジニアリング株式会社 |
本社 |
大みか事業所 |
株式会社日立エンジニアリング株式会社 |
たら崎工場 |
日立酸素株式会社 |
水戸地区 |
日立原町電子工業株式会社 |
日立粉末冶金株式会社 |
香取工場 |
株式会社アイシーシー |
本社 |
印刷工場 |
ジャパンモータアンドジェネレータ株式会社 |
日立システムアンドサービス株式会社 |
日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェア株式会社 |
株式会社日立情報システムズ |
株式会社ユニシア厚和 |
西根地区 |
株式会社ユニシアいわき |
ユニシアジェーケーシステアリング株式会社 |
滑川工場 |
株式会社トキコハイキャスト |
株式会社日立カーエンジニアリング |
株式会社日立ディスプレイテクノロジーズ |
長南事業所 |
株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ |
藤沢事業所 |
小田原事業所 |
株式会社日立ハイテクノロジーズ |
那珂事業所 |
笠戸事業所 |
日立バルブ株式会社 |
株式会社日立空調システム |
清水事業所 |
日本サーボ株式会社 |
桐生工場 |
日立電線ロジテック株式会社 |
東海事業所 |
日立マクセル株式会社 |
京都事業所 |
福知山事業所 |
大阪事業所 |
筑波事業所 |
小野事業所 |
九州日立マクセル株式会社 |
マクセル北陸精器株式会社 |
日立化成工業株式会社 |
山崎事業所(山崎工場) |
山崎事業所(桜川工場) |
山崎事業所(鹿島工場) |
山崎事業所(勝田工場) |
五井事業所 |
五所宮事業所 |
下館事業所(下館工場) |
下館事業所(南結城工場) |
日立化成ポリマー株式会社 |
野田工場 |
徳島工場 |
日立化成工材株式会社 |
本社地区 |
日立化成オートモティブプロダクツ株式会社 |
茨城工場 |
日立化成フィルテック株式会社 |
株式会社日立ハウステック |
結城工場 |
新神戸電機株式会社 |
彦根工場 |
日立金属株式会社 |
情報部品カンパニー OEデバイスセンター |
株式会社NEOMAX |
和歌山事業所 |
日立ビアメカニクス株式会社 |
Hitachi Global Storage Technologies Singapore, Pte.Ltd. |
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