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2005年6月17日
株式会社ルネサス テクノロジ
株式会社 日立製作所

多値AG-AND型フラッシュメモリの高速書き込み技術を開発

- 書き込み時のホットエレクトロン注入速度を20倍高速化に成功 -

 

  株式会社ルネサス テクノロジ(本社:東京都千代田区、社長&CEO 伊藤 達、以下ルネサス テクノロジ)と株式会社 日立製作所(本社:東京都千代田区、執行役社長: 庄山悦彦、以下日立)は、このたび「多値*1かつ高速」を特長とするAG-AND(Assist Gate-AND)型フラッシュメモリ*2の高速書き込み技術を開発しました。その成果を2005年6月14日から京都で開催中の電子デバイスに関する国際会議「2005 Symposia on VLSI Technology and Circuit」にて発表します。
  開発したのは、(1)書き込み時のホットエレクトロン注入速度を従来比20倍に高速化するメモリセル動作技術と、(2)多値書き込みを行う際の課題であったオーバーヘッド時間を低減する、多値高速書き込み回路技術です。後者は、ルネサス テクノロジが量産を開始した4GビットAG-AND型フラッシュメモリ(90nmプロセスルール)に適用されています。また、開発した両技術は、90nm世代以降のAG-AND型フラッシュメモリにおいても、高速多値記憶を実現する基本技術として期待できます。

  近年、デジタルカメラや携帯電話、シリコンオーディオプレーヤの画像・音楽記録用メモリや、USBメモリなどのデータストレージ用メモリとして、大容量フラッシュメモリは私たちの生活に急速に浸透しています。そして、高画質の動画像データなどの持ち運びを小型・軽量で実現する次世代フラッシュメモリカードには、一層の大容量化と短時間でデータをダウンロードするための高速書き込み能力が求められています。
  こうしたニーズに対応するため、ルネサス テクノロジでは、従来より大容量かつ高速の書き込み技術に注力しており、日立と共同で2001年に、130nmプロセスの1Gビット製品用にメモリセル面積の小型化と多値では業界最高の10 Mバイト/秒の高速書き込みを同時に実現する第一世代のAG-AND型フラッシュメモリを開発しました。そして、2003年末には、90nmプロセスの4Gビット製品用にメモリセル面積を一層小型化しつつ10Mバイト/秒の高速書き込みを実現する第二世代AG-AND型フラッシュメモリのメモリセル基本技術を共同で開発しています。
  一方、AG-AND型フラッシュメモリでは、ホットエレクトロン注入書き込み方式*3を採用することによって、低電圧で高速な書き込みを実現してきました。しかし、4Gビットの世代になっても、同様の書き込み性能を達成するためにはメモリセルへの書き込み動作をさらに高速化する必要がありました。また、微細化が進みプロセスルールが100 nm以下になると、書き込み速度が低下するという問題がありました。このため、プロセスルール100nm以下に対応した高速書き込み技術の開発が必要でした。

  このような背景のもと、このたびルネサス テクノロジと日立は、多値AG-AND型フラッシュメモリの書き込み高速化を可能とする、新しいメモリセル動作技術と回路技術を共同で開発しました。
  新たに開発した技術の特徴は次の通りです。

 

(1) ホットエレクトロンの書き込み効率を高めたメモリセル動作技術

メモリセルへの書き込みを行う際、従来0Vとしていたソース電圧を負にしてチャネルの縦横両方向の電界を強め、ホットエレクトロンの発生と浮遊ゲートへの電子の引き込みを向上しました。これにより、従来ソース電圧を0Vとしていた場合と比べ、20倍高速の電子注入速度を実現しました。

 

(2) 多値書き込みのオーバーヘッドを解消する高速書き込み回路技術

1Gビット製品で採用した、独自の定電荷注入書き込み方式*4を改良したもので、多値レベルに応じ、電子注入に利用するビット線の容量を切り替えて書き込みを行う回路技術です*5。これにより、従来、課題であった、多値の最上位レベルを書き込む際のオーバーヘッドが短縮され、高速、均一な書き込みを実現しました。

  今回、90nmプロセスで作成したテストデバイスを用いて(1)のメモリセル動作技術の効果を検証したところ、実際の書き込み動作に要するホットエレクトロン注入時間が、従来の2マイクロ秒から100 ナノ秒以下に短縮されることがわかりました。また、(2)の高速書き込み技術は、ルネサス テクノロジの4GビットAG-AND型フラッシュメモリ製品に適用しており、従来方式に比べ書き込み動作時のオーバーヘッドを10%短縮し、高速性能の実現に威力を発揮しています。

 

用語

 
 
*1 多値記憶技術:チップ面積の縮小に有効な技術で、通常のメモリでは1つのメモリセルに'0'/'1'の2つの値を記憶するのに対し、'00'/'01'/'10'/'11'など4つ以上の値を持たせるもの。4つの値を持つ場合、1つのメモリセルで2セル分の働きをする。
*2 AG-AND型フラッシュメモリ:メモリセル間の干渉を防ぐアシストゲート(AG)と、フローティングゲートを交互に組み合わせたフィールドアイソレーション方式を採用した、独自のメモリセル構造。少ないチャネル電流でホットエレクトロン注入による書き込みを実現するとともに、従来の溝を作ってセルを独立させる浅溝アイソレーション方式に比べ、セル面積の小型化が実現できる。
*3 ホットエレクトロン注入書き込み方式:チャネル電界で加速された、エネルギーの大きな電子(ホットエレクトロン)をフローティングゲートに注入する書き込み方式。メモリセルの書き込み時間(電子注入時間)は、10µs以下で、従来のトンネル書き込み方式に比べ一桁速いという特長がある。
*4 定電荷注入書き込み方式:ホットエレクトロン注入書き込みにおいて、あらかじめビット線容量に蓄積しておいた一定量の電荷だけをチャネルに流すことで、高速かつ均一な書き込み特性を実現する方式。
*5 従来の定電荷注入書き込み方式では、ローカルなビット線の容量で、多値の全レベルの書き込みを行っていました。新回路技術では、最上位レベルの書き込みは容量の大きなグローバルなビット線に、中位レベルの書き込みは従来のローカルなビット線に切り替えて書き込みを行います。
 
 

お問い合わせ先

株式会社ルネサス テクノロジ メモリ統括本部 製品技術部
〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号(日本ビル)
電話 : 03-5201-5021 (ダイヤルイン)

株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 : 042-327-7777 (ダイヤルイン)

 
 

以上

 
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