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2005年4月13日

電子ビームとプロービング法を融合したウエハ対応の
高速・高分解能な結晶欠陥評価技術を開発

- 数十ナノメートルの分解能で半導体デバイス内部の結晶欠陥を非破壊観察 -

 

  日立製作所中央研究所(所長:福永 泰、以下日立)は、このたび、半導体デバイス内部で発生する結晶欠陥を、数分内に数十ナノメートルの分解能で観察可能な、新しい結晶欠陥評価技術を開発しました。この評価技術では、観察試料の前処理が一切不要であり、デバイスを破壊することなく内部の様子が観察できるため、半導体デバイスの製造工程への適用が可能です。微細化が進む半導体デバイスの開発において、短TAT*1化に威力を発揮する評価技術といえます。

  半導体デバイスの微細化に伴い、その検査・評価工程では、デバイス内部に発生する微小な結晶欠陥を観察可能な、高い分解能をもつ評価技術が求められています。従来、デバイス内部の結晶欠陥を評価する代表的な手法には、TEM(Transmission Electron Microscopy)*2やEBIC(Electron Beam Induced Current)法*3がありました。TEMは、1ナノメートル以下の高い分解能をもつ有効な評価手法ですが、観察する際には、デバイスを破壊して観察部位を薄膜化しなくてはなりません。また、観察試料作成のための前処理に数10分を要します。このため、製造工程におけるデバイス評価には適用できませんでした。一方、EBIC法は、観察試料作成の前処理に数時間を要すものの、デバイスを破壊することなく内部の結晶欠陥を観察することができますが、分解能は数mumオーダーであり、高い観察感度が得られないという課題がありました。このため、半導体デバイスの微細化に対応したデバイスの信頼性向上および開発期間短縮のため、製造工程でも利用ができ、且つ、nmオーダーの高い分解能を持つ新しい結晶欠陥評価技術が求められていました。

  このような背景から、日立は、半導体デバイス内部で発生する結晶欠陥を非破壊且つ短TATで、高分解能で評価できる、新方式の結晶欠陥評価技術"プロービングEBIC法"を開発しました。
  プロービングEBIC法の特徴は、以下の通りです。

(1) プロービング法を用いたEBIC観察法:従来のEBIC法では、試料表面に金属膜を蒸着させ電極を形成し、デバイス内部の信号の読み出しを行っていました。今回、金属プローブ(針)を直に試料に接触させて信号を読み出すプロービング法を適用し、電極形成プロセスなしで、結晶欠陥の評価が可能となりました。

(2) ナノメートルオーダの高分解能観察:従来のEBIC法では、試料表面に形成された金属電極があるために、電子線が試料に到達するように加速電圧を高くする必要がありました。高い加速電圧(例えば5kV)では、試料内部での電子線の飛程*4が数mumとなり、これが分解能低下の要因となっておりました。今回開発した技術では、試料表面の金属電極がないために、低加速の電子線を用いることで試料内部での電子線の飛程を抑制でき、分解能を向上させることが可能となりました。

  今回開発したプロービングEBIC法を、Si/SiGe歪み層*5を形成した次世代トランジスタの結晶欠陥評価に適用したところ、加速電圧1.5kVという条件の下で、50 nmの分解能で結晶欠陥を観察することができました。これは、従来のEBIC法に比べ、2桁以上高い分解能を持つことが確認できました。
  本技術は、今後、微細化に対応し、新構造や新材料の導入が予測される半導体デバイスにおいて、試料を破壊することなく短時間かつ高分解能で内部欠陥を評価できる検査技術として、期待できます。

  本成果は、2005年4月11日から13日まで京都で開催中の「The 2005 International Meeting for Future of Electron Device, Kansai (2005IMFEDK)にて発表しました。

 

用語

 
 
*1 TAT:Turn-around timeの略。サンプリング、評価、プロセスへのフィードバックという一連の工程のループに必要な時間を意味します。開発時間短縮実現には、こうしたフィードバックループの時間を短縮することが重要です。
*2 TEM:TEMは Transmission Electron Microscopy の略で、透過電子顕微鏡法とも呼ばれます。試料に電子線を平行照射し、試料からの回折電子を利用して結晶構造などを評価する手法です。欠陥がある領域では、格子の結晶(周期)性が乱れるために、欠陥部が異なるコントラストで観察されます。電子線の波長は非常に短いために分解能が高く、0.2nmの空間分解能で結晶欠陥を評価できます。
*3 EBIC法:EBICは、Electron Beam Induced Currentの略で、電子線誘起電流とも呼ばれます。電子線のエネルギーにより電子・ホールペアが形成され、形成された電子とホールは空乏層の内部電界によって逆向きに流れます。この内部電界によって流れる電流のことを電子線誘起電流と呼びます。電子線励起電流は結晶欠陥に敏感で、このEBIC信号を検出することで結晶欠陥を評価できます。
*4 電子線の飛程:試料内部で電子が広がる距離です。電子線を試料に入射したときにエネルギーを持つ電子は、試料内部の原子と衝突してエネルギーを失い、エネルギーがなくなるまで試料内部を広がります。例えば、試料に入射する電子線の加速電圧が1.5kVの条件では、Si内部での広がりは数十nm程度です。
*5 Si/SiGe歪み層:SiGe層上にSi層を積層。Si原子より原子間隔の大きなGe原子を混在した層上にSi層を積層させ、Siの格子間隔を広げます。Siの格子間隔を広げることで電子の移動度が向上するため、Si/SiGeプロセスは高速デバイス実現のための主要技術として期待されます。
 
 

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185−8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
TEL : 042−327−7777 (ダイヤルイン)

 
 

以上

 
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