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  日立製作所(執行役社長:庄山 悦彦／以下、日立)は、このたび、日立エンジニアリング株式会社(取締役社長:河島 弘明)と共同で、1円玉大以下の小さなスペースへの、世界最小クラスの非接触ICチップ「ミューチップ」の取り付けを可能とする小型アンテナ技術を開発しました。開発したアンテナは、ミューチップが利用する周波数の2.45GHz帯に対応し、4.0mm×3.0mmという、非常に小さなものです。
  日立では、開発したアンテナを「ミューチップ」に取り付けたミューチップインレットを製作し、正常に動作することを確認しました。
  開発したアンテナを利用することにより、これまで取り付けが困難であった小さな物品や奥まった場所、狭い場所において「ミューチップ」を利用することが可能となります。
  日立では、これを用いた個別管理やトレーサビリティなど、活用範囲が拡大することを期待しています。

  近年、流通をはじめセキュリティや電子決済、交通、アミューズメント、農業、製造管理、物流管理など幅広い分野で、ICチップを利用した個別管理やトレーサビリティなどの利用が高まっています。日立では、2001年7月に世界最小クラスの非接触ICチップ「ミューチップ」を開発し、これまでに、鋼材流通の現場における現品管理システムや本年3月25日から開催されている2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の入場券システムなどに採用されています。
  「ミューチップ」は、チップにID番号を読み取るための外部アンテナを取り付けた「ミューチップインレット」として物品類へ取り付けられます。これまで「ミューチップインレット」に使用してきたアンテナは、70mm×2.4mmであり、定期券サイズ以上の大きさの物品に取り付けて活用されてきましたが、RFIDの市場が拡大するにつれ、より小さなサイズへの取り付けが可能な「ミューチップ」へのニーズが高まってきました。
  日立は、すでにアンテナ内蔵型「ミューチップ」を開発し、読み取り距離１mm以下のほぼ密着して使う用途に対応してきましたが、今回、小型のアンテナを開発することにより、読み取り距離が比較的遠くても、小さなものや奥まった場所、狭い場所などでも「ミューチップインレット」を取り付けて、個別管理やトレーサビリティなどの用途に利用できるようにしました。
  日立では、このミューチップインレットを液体医薬品の小型瓶の底面に取り付け、通信距離6mm、分速300個のスピードで瓶を移動させる医薬品検査機を用いて、個別管理の実験を行い、瓶が回転してアンテナの方向が変わって、アンテナの方向に依存することなく読み取れることを確認しました。

  今後、日立では開発した小型アンテナ技術を活用し、より幅広い領域での個別管理やトレーサビリティなどのシステムを提供し、安心で便利な社会の実現に貢献していきます。

開発した小型アンテナ技術の特長

(1) チップの安定動作を実現するチップ−アンテナ間の電気的整合性の確保

  非接触ICチップでは、アンテナで受信した電波を動作電力として用います。このため、アンテナを小型化した場合でも、チップを安定して動作させるには、十分な電流を確保しなくてはなりません。そこで、今回、小型アンテナでも最大電流を得られるように、アンテナ形状を工夫し、非接触ICチップとアンテナ間の電気的整合性を確保しました。

(2) 安定した読み取り性能を実現するスリット形状の最適化

  非接触ICチップに格納されたデータを外部のリーダから安定的に読み出すために、アンテナのスリットと呼ばれる高周波の電波の整合を担う部位の形状を最適化しました。

*1	「ミューチップ」並びに「μ-Chip」は日立製作所の登録商標です。
*2	インレット ： 非接触ICチップをアンテナに取り付けたものです。

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪1-280
TEL : (042)327-7777 (ダイヤルイン)

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