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2005年3月30日

屋内外の複数の位置検知システムを統合できる
位置情報システムを開発

 

  日立製作所ワイヤレスインフォベンチャーカンパニー(カンパニー長&CEO:木下泰三)は、このたび、世界で初めて屋内外の複数の位置検知システムを統合することができる「屋内外シームレス位置情報システム」を開発しました。
  本システムは、当社の無線LAN位置検知システム「日立AirLocationTM *1」による測位結果だけでなく、屋外中心のGPS*2や屋内向けの高精度超音波、無線LANなど他方式の測位結果、RFID*3による接続結果など、屋内外対応で、合計7種類の位置検知システムの測位結果を統合してシームレスに表示することができる位置情報マルチビューワ機能と、測位エリアや測位環境、端末の種類を元に最適な測位方式を選択し、切り替えることのできる測位切替機能で構成されています。本開発は、複数の測位インタフェースを持つ携帯情報端末を用いた屋内外の統合シームレス位置情報システムを簡単に構築することが可能になります。

  ユビキタス社会の到来により、位置情報は非常に重要な市場となっています。2008年までの位置情報システム市場は、国内全体で5000億円、世界で4兆円規模とされており、屋内と屋外がほぼ同じ需要割合となっています。屋外においては、カーナビゲーションや携帯電話を用いた位置情報サービスが、また屋内においては、従業員の状況把握、作業員の管理や工程管理などが急速に発達することが予測されます。さらに、児童の登下校時における安全確保のための状況把握や2007年に開始される携帯電話での緊急位置通報においても屋外のみならずビルや地下街での位置情報の提供が望まれています。

  今回開発した「屋内外シームレス位置情報システム」は、これまで当社が提供してきた屋内中心の市場に向けた無線LAN活用位置検知システム「日立AirLocationTM」とこれに対応した「AirLocationTM位置表示ツール」を発展統合させたものです。主に屋外中心にカーナビゲーションや携帯電話で一般的に使用されているGPSの測位結果や、屋内向け高精度超音波による測位結果、日立AirLocationTMを含む2つの無線LANによる測位結果、RFIDによる接続存在結果などの、屋内外対応の位置検知システムによる測位結果を統合してシームレスに表示できる位置情報マルチビューワ機能を持っています。さらに日立AirLocationTMでは今回通常の2次元の場所のみならず廊下や通路などの1次元の測位機能にも対応、またGPSも通常の衛星単独測位のみならずディファレンシャル型と呼ばれる補正型高精度GPSにも対応しており、合計7種類の測位方式を扱える能力を持っています。また、測位エリアや測位環境、端末の種類を元に最適な測位方式を選択切替える事のできる測位切替機能も持っており、エリア毎に測位方式の優先度を選択指定できます。今後複数の測位インタフェースを持つ、例えばGPSとRFIDリーダ付き無線LAN対応携帯電話や、複数外部インタフェーススロットにGPSやRFIDリーダ、無線LANなどを搭載したPDAなどの端末が普及すれば、本システムを活用することにより屋内外の統合シームレス位置情報システムが簡単に構築可能となります。

  また今回、「日立AirLocationTM Ver.1.5」のバージョンアップ版である「日立AirLocationTM Ver.2.0」の製品化も行います。「日立AirLocationTM Ver.2.0」では、下記3項目の性能機能改善を行います。

 
1. 端末がローミング(接続する基地局を変更)しながら移動した場合に、ローミングに合わせて測位に使用する基地局を自動的に選択します。結果として、より広範囲な場所での位置検知を可能にしました。
2. 多くの基地局が見通せる場所では測位結果が最も精度が高くなるように電波受信状態の良い基地局を自動的に選択します。これにより位置検知精度が均一化、且つ向上します。
3. 二次元の位置測定を必要としない廊下や通路という特殊な場所において、少ない基地局数(最小三台)で一次元での位置検知を可能とします。
以上の改善により、現状Ver1.5の位置検知誤差を約70〜90%に低減すると共に、様々な屋内外の広範な場所や特殊な形状の場所でも高精度かつ均一な位置検知を実現することが可能となりました。
 
 

用語説明

 
 
*1 日立AirLocationTM
  無線LANインフラを活用し比較的簡単、安価な構成で標準(IEEE802.11b)準拠の無線LAN端末を高精度に位置検知できるシステムです。
*2 GPS:
  Global Positioning Systemの略で複数の衛星を使って世界中のGPS受信機の絶対座標を特定できるシステムで、一般的分野ではカーナビゲーションや携帯電話などにも使われています。
*3 RFID:
  Radio Frequency-Identificationの略で、無線など電波方式を活用した個体認識技術です。RFIDタグがリーダの電波範囲に入った時に接続し、ID情報を認識します。
 
 

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 ワイヤレスインフォベンチャーカンパニー [担当:木下]
〒101-8010 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地
TEL : 03-4564-9205 (ダイヤルイン)

 
 

以上

 
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