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携帯電話向けの軽量型文字認識技術の開発に成功
カメラで紙に書かれた文字を読み取り
インターネット情報にリンクすることが可能に
日立製作所中央研究所(所長:西野壽一/以下、日立)は、このたび、紙に書かれた文字を携帯電話のカメラで認識し、あらかじめ設定されたインターネット上のホームページやコンテンツにリンクするデジタルリンク技術を開発しました。この技術を用いれば、雑誌やカタログにバーコードや二次元バーコードなどを印刷することなく、記事をカメラで読み取ることによって、あらかじめ設定したデジタルデータとリンクすることが可能になります。あらゆる印刷物の情報と電子情報とを融合する、ユビキタス社会におけるデジタルリンク技術の道を拓くものです。
近年、カメラ付き携帯電話を使った新しい情報アクセス手段のひとつとして、紙に印刷された二次元バーコードやURLをカメラで読み取って、そこに登録されているインターネット上のホームページにアクセスするサービスが提供されています。ユーザは自分でURLを入力することなく、任意の文書に関連したホームページへ容易にアクセスすることが可能です。しかし、このようなサービスを実現するためには、あらかじめ紙文書に二次元バーコードやURLの情報を印刷する必要がありました。このため、その適用は一部の情報誌に限られているほか、過去に出版された印刷物への適用は難しいという課題がありました。
今回、日立は携帯電話のカメラを用いた文字認識技術と、雑誌やカタログの文字をカメラで認識することによって、あらゆる印刷物の情報のデジタルリンクを実現する技術を開発しました。おもな開発技術は、以下の2点です。
(1) 携帯電話に適した軽量型の単語認識技術
日本語文字認識は多くのメモリ容量と処理量が必要なため、携帯電話に適した軽量型の文字認識技術として、携帯電話のカメラに写る範囲から、単語を自動的に取り出して読み取る技術を開発しました。これにより、携帯電話で実現可能な、1MB以下のメモリ容量と100MHzの処理速度で文字認識を実行することができます。
(2) 単語文字認識を利用した文書特定技術
携帯電話のカメラで認識した単語の配置から文書を特定することができれば、あらかじめ対応するURLを文書に関連付けることによって、インターネット上のデジタルコンテンツとリンクすることができます。そこで、文字認識で読み取った複数の単語の位置関係も同時に解析し、これをデータベースと照合することによって文書を特定する技術を開発しました。
これらの開発技術によって、雑誌やカタログの文書を携帯電話のカメラで認識することで、あらかじめ設定したインターネット上のデジタルコンテンツにリンクすることが可能になります。また、二次元バーコードのような特殊な記号を使うのでなく、普通の雑誌やカタログを電子情報とリンクさせることができるため、ユビキタス社会における新しい形のデジタルリンクを実現することができます。将来的には、雑誌の商品広告やタウン情報誌の飲食店情報をはじめ、図書館にある学術誌とサイバー図書館をリンクするなど、様々な応用が期待できます。
なお、今回開発した日本語単語認識技術は、携帯電話向けのソフトウエアモジュールとして、日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社(代表取締役社長兼CEO:大谷彰彦)が、今月より販売を開始します。
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株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
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