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2004年11月24日
株式会社 日立製作所
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所
 

1年以上の電池寿命を持つ
世界最小容積のセンサネット用端末を開発

人感、照度、加速度、温度、温湿度、赤外線など様々なセンサを取り付け可能
 
 
 
  日立製作所(執行役社長:庄山悦彦/以下、日立)とYRPユビキタス・ネットワーキング研究所(所長:坂村健/以下、ユビ研)は、このたび、電池搭載型としては世界最小容積となる6.9cm3(2.3cm×2.0cm×1.5cm)で、1年以上の電池寿命を持つ低消費電力のセンサネット用端末(センサノード)の開発に成功しました。開発したセンサノードは、モノとモノ、モノと人、あるいはモノと環境をネットワークで結び、様々な情報を通信することによって、安全で快適な社会を実現するセンサネットの本格的な普及に貢献する技術です。
 
  センサネットは、センサ、無線通信機能、駆動電源を備えたセンサノードと呼ばれる小型端末によって、モノや人あるいは環境の状態を計測し、それらをネットワークで結ぶ技術です。本技術を利用することにより、人の有無、照度・温度・湿度・加速度といった環境の状態変化を常に計測することができます。このため、建造物の経時変化に関する情報をリアルタイムで遠隔監視センタに送って適切な補修を可能にするなど、インフラの安全確保を容易にします。また、生産設備の運転状況を管理元に送達し、異常の早期発見、早期対策が図れるようにして、効率的な生産・経営システムの構築を可能にします。さらに、生活空間では、室温、湿度などのデータを外出先から確認し、空調機器等を遠隔操作することによって、帰宅時に室内を最適な環境に設定できるようにするなど、センサネットはユビキタス社会をより豊かにする技術として、様々な分野での応用が期待されています。
  これらの実現にあたっては、センサノードをさまざまな対象物に設置して、長時間かつ継続的に状態を感知する必要があります。そのため、より小さく、且つ長時間稼動できる高性能のセンサノードの開発が求められていました。
 
  このような背景から、日立とユビ研では、小型かつ長寿命の電池を搭載したセンサノードの開発に成功しました。試作したセンサノードは、電源に用いた電池を含めて世界最小となる6.9cm3の容積を実現しました。また、5分に1回の無線通信を想定した場合には、約1年半にわたってセンサノードが動作する見通しが得られました。
  開発にあたっては、高密度実装技術を適用することによって小型化を図るとともに、消費電力の低減を図る技術を開発し適用することによって、1年以上の電池寿命を実現しました。開発した技術は、不要な信号待ち受け時間を減らすことにより電力消費を抑える間欠発信型の無線ネットワーク制御、消費電力あたりの通信処理量を最大にするアクセス制御技術、センサノード動作時に不要な回路の電源をこまめに切ることによる電力消費節約技術などです。
 
  さらに、日立は開発したセンサノードに、人感センサ、照度センサ、加速度センサ、温度センサ、温湿度センサ、赤外線光源と赤外線センサ、スイッチなど様々なセンサを、手軽に取り付けられるインタフェース技術を開発しました。
 
  日立は、ユビキタス社会におけるセンサネットの可能性に注目しており、より具体的な活用事例の提案を通じて、普及を図っていきたいと考えています。その一環として、ビルのセキュリティ、防災、省エネなどを、インターネットを介して管制センタで情報を一元的に管理するビル監視用デモシステムを構築しました。このデモシステムは、11月25日、26日に開催される日立グループ都市開発ソリューションフェア(東京 品川)で展示する予定です。
 
  今後は、センサノードの更なる小型化と低消費電力化を図るとともに、本センサノードを用いたセンサネットの実用化を目指した実証実験を進めていきます。
 
1年以上の電池寿命を持つ世界最小容積のセンサネット用端末を開発
 
1年以上の電池寿命を持つ世界最小容積のセンサネット用端末を開発
 
 

お問い合わせ先

 
株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地
電話:(042)327-7777(ダイヤルイン)
 
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所 [担当:越塚]
〒141-0031 東京都品川区西五反田二丁目20番1号 第28興和ビル
電話:(03)5437-2270(代表)
 
 
以上
 
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