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2004年7月21日

「愛・地球博」入場券管理システムの環境効果評価を実施

日立環境効果評価ソリューション「SI-LCA」を適用

日立製作所情報・通信グループ(グループ長＆CEO：古川　一夫、以下、日立)は、このたび、2005年3月に愛知県で開催予定の2005年日本国際博覧会(以下、「愛・地球博」)に導入される「ミューチップ入場券管理システム」について、日立の環境効果評価ソリューション「SI-LCA(シルカ)」(System Integration-Life Cycle Assessment、以下、「SI-LCA」)を適用しシステム全体の環境配慮効果をCO₂排出量で評価しました。
その結果、「ミューチップ入場券管理システム」は従来の紙の半券もぎり入場券方式と比較してCO₂排出量で27t削減(削減率11%)の効果があることが判り、環境に配慮し、CO₂削減などの最先端の環境技術の導入に挑戦し、環境負荷の低い循環型社会のモデルを提示する「愛・地球博」のコンセプトに合致することが「SI-LCA」により評価できました。

「SI-LCA」は、ハードウェア・ソフトウェアから成るシステム及びサービスに対し、その設計・開発からリサイクルに至るまでのライフサイクルステージ(作業工程)を「機器調達」、「設計製造」、「出荷作業」、「輸送(流通)」、「設置」、「現地立上げ」、「使用」、「輸送(回収)」、「リサイクル」、「保守」の10段階に定義し、各段階毎のCO₂排出量と環境コストを算出・評価可能なソリューションです。日立は2003年10月に社内の生産技術研究所と環境関連部門が共同で「SI-LCA」を開発した後、行政機関向けの自社の電子申請システムなどを対象に試験評価を実施し、その環境効果と評価の有効性について確認してきました。今回は、環境問題をテーマとする「愛・地球博」で実際に使用され、その環境効果が重要な意味をもつ入場券管理システムについて、博覧会協会の協力の下、評価を行ったものです。

今回の「SI-LCA」による具体的な評価内容としては、「ミューチップ入場券管理システム」の設計・開発から使用、廃棄に至る、全ライフサイクルステージのCO₂排出量を評価し、半券もぎり入場券方式と比較して27t削減(削減率11%)可能であることが評価できました。この削減量は標準的な家庭の1日の電力使用量(10kWh/日)の5,900世帯分に相当し、また森林によるCO₂吸収可能な量として(6.49ｔ- CO₂ / ha・年)で計算すると4.3haの森林が1年かかって吸収する量に相当します。

日立は今回の評価で得たノウハウを活用し、現在、ミューチップによる入場券システムと既存の磁気カードによる入場券システムとの評価比較を行っているほか、ミューチップを活用して環境負荷を削減する各種リサイクルシステムの構想及びその技術的検討を、社内の関連部門が連携し進めていきます。また今後、SI・サービス事業を中心に、「SI-LCA」を活用し環境に配慮した情報システムの提供、顧客システムの環境情報の提供、及び「SI-LCA」の製品化を予定しています。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所　情報・通信グループ環境推進センタ　[担当：谷]
〒140-8572　東京都品川区南大井六丁目27番18号　日立大森第二別館
電話　03-5471-2745 (ダイヤルイン)

以上

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