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2004年5月31日
 

日立グループの2003年度環境活動実績について

「日立グループ環境経営報告書2004」を発行
 
 
 
  日立製作所(執行役社長:庄山 悦彦)は、このたび、2003年度における日立グループの環境活動実績をまとめました。また、これにあわせて、本日、環境活動実績を含めた日立グループの社会的責任に関する活動と今後の計画をまとめた「日立グループ環境経営報告書2004」を発行します。
 
  日立グループでは、自然と調和した企業コミュニティと循環型社会を実現することを目的に、2010年度を最終年度とした「環境ビジョン『グリーンコンパス』」を策定、このビジョンを実現するための行動計画「エコバリュープラン」により、環境活動を進めています。
 
  日立グループでは、今後も、循環型社会に向けた新規ビジネスモデルの提案、環境効率の向上に寄与するような製品・サービスの提供および環境に配慮した生産活動を推進し、社会に貢献してまいります。
 
 

2003年度環境活動の主な実績*1

 
1.環境適合製品*2の拡大
 
  2003年度は、環境適合製品が、前年度から193製品、808機種増加し、761製品、2,864機種となりました。環境適合製品売上高比*3は、グループで定めていた2003年度の目標値である60%を上回る66%となりました。なお、新たに環境適合製品となったものとしては、ハードディスクドライブ、事業活動における環境効率の向上に寄与するソフトウェア製品、プラズマテレビなどが挙げられます。
  今後は、デジタルメディア・民生機器製品などを中心に環境適合製品をさらに拡大し、環境適合製品売上高比を2006年度に80%*4、2010年度に100%*4を目標として、取り組んでいきます。
 
<環境適合製品売上高比推移>
 
  2002年度 2003年度 2006年度目標 2010年度目標
実績 46% 66% - -
目標値 30% 60% 80%*4 100%*4
 
 
*1 事業再編などにより、対象範囲を変更しています。2003年度は再編後の対象範囲、2002年度は再編前の対象範囲となっています。
*2 製品のライフサイクルの各段階で、製品が環境に与える生涯環境負荷をできるだけ小さくなるように、環境に配慮した設計の考えを取り入れた「環境適合設計アセスメント」を実施し、各評価項目の評価結果が5点満点中2点以上かつ、総合平均点が3点以上となる環境配慮に優れた製品。
*3 環境適合製品売上高/総売上高(連結ベース)
*4 情報機器、システム・サービス製品、デジタルメディア・民生機器を対象にした目標。
 
2.電気・電子機器における基板接続の鉛はんだ使用の全廃
 
  2003年度は、グループで定めていた2004年3月までに日本国内で生産される電気・電子機器の基板接続における鉛はんだの使用を全廃とする目標を達成しました。なお、最も課題となっていた低耐熱部品、混載実装基板への無鉛はんだの使用については、一般的に採用されているSn-Ag-Cu(錫-銀-銅)系はんだにIn(インジウム)を添加することで、信頼性、作業性が満足できることを確認しました。
  今後は、EU(欧州連合)に加盟する25カ国で発効した、電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限指令(以下、RoHS指令*5)対象の約70製品に含まれている6化学物質*6についても、2004年度末までに海外生産、調達品も含めて全廃する予定です。
 
 
*5 Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment
*6 鉛・水銀・カドミウム・六価クロム・臭素系難燃剤(PBB(ポリブロモビフェニル)、PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル))
 
3.化学物質管理の徹底と排出量の削減
 
  2003年度は、トルエン、キシレンなどの有機溶剤の大気排出量を、回収精製装置などの導入により削減しました。削減対象物質*7の排出量は、グループで定めていた目標値である2000年度比15%削減を大きく上回る45%削減(削減した排出量は4,800t)となりました。
  今後もさらに化学物質の管理の徹底を図るとともに、削減対象物質の排出量を削減していきます。
 
<削減対象物質排出量の削減推移(2000年度比)>
 
  2002年度 2003年度 2005年度目標
実績 29%削減 45%削減 -
目標値 - 15%削減 30%削減
 
 
*7 日立グループ各社もしくは各事業所で禁止もしくは削減対象に選定した物質。
 
4.環境教育
 
  2003年度は、従業員およびその家族への環境教育・啓発活動の一環として、国内のグループ従業員20万世帯に向け、「みんなでエコのお話」を配布しました。この冊子は、環境活動について、子供にもわかるようにイラストなどを多用し、読みやすくまとめた冊子です。従業員とその家族が、環境を身近な視点で捉え直せば、どういった効果を生むことができるのかを記述してあります。
  この他、各従業員のエコマインドを醸成するため、グループの全従業員向けにインターネットによる環境教育を2003年1月から実施しており、2004年3月までに、約22,000人*8の従業員が受講しました。
 
 
*8 2003年1月からの受講人数累計
 
5.環境会計
 
  2003年度は、前年度比で費用、経済効果ともに約1割、投資は約3割減少しました。事業再編により対象範囲が変更になった結果、投資の絶対額は、前年度比68%でしたが、そのうち環境適合製品などの研究開発コストが約4割を占めています。こうした研究開発成果は、製品使用時のエネルギー消費量の削減などに貢献しています。
  今後も、事業所における環境負荷削減だけでなく、製品を通じた環境負荷削減も推進します。
 
環境会計報告
 
6.CO2(二酸化炭素)の削減
 
  2003年度は、廃熱の有効利用、高効率変圧器の導入などにより、国内の生産高CO2排出量原単位が1990年度比19%、CO2排出量が1990年度比20%削減しました。
  今後は、1990年度を基準として2010年度までに生産高CO2排出量原単位を25%削減、CO2排出量を2010年度までに7%削減とする行動計画に基づき、省エネルギー化を進めていきます。
 
<生産高CO2排出量原単位削減推移(1990年度比)>
 
  2002年度 2003年度 2005年度目標 2010年度目標
実績 16%削減 19%削減 - -
目標値 - - 20%削減 25%削減
 
<CO2排出量削減推移(1990年度比)>
 
  2002年度 2003年度 2005年度目標 2010年度目標
実績 9%削減 20%削減 - -
目標値 - - 3%削減 7%削減
 
7.最終処分量の削減と「ゼロエミッション*10」達成事業所
 
  2003年度は、最終処分量を、1998年度を基準として69%まで削減し、これまでグループで定めていた2005年度までに80%以下、2010年度までに70%以下とする目標を達成しました。
  また、新たな取組みとして、簡易包装実施による梱包材の削減、製造工程で使用する機械部品の掃除布の洗浄による再利用、廃水処理汚泥や焼却灰をセメント原料化するリサイクルなどを実施しました。この結果、ゼロエミッションを達成したサイト(会社、事業所)は42サイト(2003年度単年度では30サイトが達成)となりました。
 
 
*10 日立グループでは、各事業所から排出される廃棄物・有価物等の最終処分率(最終処分量/発生量)を1%以下にし、かつ最終処分量(直接最終処分量+中間処理後処分量)を5t未満/年にすることを「ゼロエミッション」と定義し、取り組んでいます。
 
<ゼロエミッション達成事業所>
 
ゼロエミッション達成事業所
 
 
 
 
以上
 
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