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2004年4月15日
小型マイコンでBluetooth(R)無線Webサーバを実現する
軽量通信処理技術を開発
- ユビキタス時代の機器組み込み型無線LANに道 -
日立製作所システム開発研究所（所長：小坂満隆、以下：日立）は、このたび、設備機器などで広く利用されている小型マイコンを用いて、無線やWebサーバの処理を可能とする軽量通信ソフトを開発し、Bluetooth(R)を用いた無線Webサーバソフトの試作に成功しました。ユビキタス*1情報システムの実現に向けて、本技術を活用することにより、これらの機器をネットワーク接続することが可能となります。
携帯端末や設備機器など身の回りの機器が、情報処理能力を備え、情報をいつでも、どこでも、誰でも活用できるユビキタス情報社会の到来が期待されています。これらの機器を相互に接続するためには、機器に組み込まれる小型・低価格マイコンでも機能する、軽量の通信用ソフトが必要です。しかし、ユビキタス社会で想定されるPC等では、情報システムと連携するために、機器側の通信ソフトにも、多くのソフトウェア規模が必要となるため、機器組み込まれる小型・低価格マイコンで、実現することは困難でした。
今回、日立が開発した軽量通信ソフトの実装技術は、設備機器などで広く利用されている汎用の小型・低価格マイコンを用いて、PC等で標準的に利用されているTCP/IP*2やWebサーバ機能を利用して、無線処理を実現するものです。日立はこの実装技術を用いて、Bluetooth(R)無線を利用するハードウェアモジュールを試作し、機能を実証しました。
今回開発した技術の特長は、以下の通りです。
- 省メモリ：Bluetooth(R) PANプロファイル*3、TCP/ IP、WebサーバをROMサイズ32Kバイト、RAMサイズ2Kバイトで実現し、無線通信に必要なメモリサイズを大幅に削減しました。
- 1チップ：すべてのプロトコル処理を16ビットCISCマイコン*4ワンチップで完結することができます。これにより、IPネットワーク対応に必要な通信モジュールを低価格で実現することが可能です。
本技術は、機器組み込み型の小型低価格マイコンで、PCで用いられているBluetooth(R)無線、TCP/IP、Web通信といった無線LANを実現する画期的なものといえます。今後、この小型・低価格のメリットを活かし、設備機器やセンサネットなど幅広い分野に適用されることによって、ユビキタス情報システムのキー技術となるものと期待されます。
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用語説明
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| *1 |
ユビキタス |
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ラテン語で、いたるところに存在するという意味。21世紀を迎えたいま、情報技術の進展、特にブロードバンドインターネット環境の急速な普及は、私たちの生活や仕事のスタイルに大きな変革を及ぼし始めています。情報をいつでも、どこでも、誰でも活用できるユビキタス情報社会のプラットフォームソリューションを提供することで、利便性のある社会の構築に向けて貢献することが日立の使命です。 |
| *2 |
TCP/IP |
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PC等で使用する通信手順で最も普及しているもので、インターネット上でも使われています。 |
| *3 |
Bluetooth(R) PANプロファイル |
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PANはPersonal Area Networkの略、プロファイルとは、あるアプリケーションにBluetooth(R)を実装する場合の方法を規定しています。 |
| *4 |
CISCマイコン |
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Complex Instruction Set Computerの略、ビット制御など多くの命令数をもつ複雑な命令セットを備えたマイコン。 |
以上
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