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2004年3月11日
小泉英明 日立製作所研究開発本部技師長がフェロー就任
日立製作所(執行役社長:庄山 悦彦、以下:日立)は、小泉 英明(こいずみ ひであき)研究開発本部技師長が、4月1日付で最上位の専門職である、役員待遇職位の「フェロー」に就任する人事を決定しました。
小泉技師長は、1973年に日立に入社し、環境計測及び医療計測の分野で、世界の第一人者として研究開発をリードしてきました。環境計測の分野では、1976年に生体や環境中に含まれる微量金属を高精度で分析できる「偏光ゼーマン原子吸光法」の原理を創出しました。この原理は米国の科学誌「Science」に紹介されるとともに、1985年の工業所有権制度100周年を記念して選ばれたわが国の「重要発明ベスト50」にも入っております。実用化された装置は、自然環境の保全のための環境計測に国内外で広く活用されており、現在出荷台数は約7,000台に達しています。この業績によって、1976年に研究功績者・科学技術庁長官賞を受賞しました。これは当時の最年少受賞です。
医療計測分野では、MRI(Magnetic Resonance Imaging)の開発プロジェクトのリーダとして、超電導MRIの事業化に取り組み、1986年に国産初の超電導MRI(磁場強度0.5T)の製品化に成功しました。さらに、1992年には脳機能の計測を可能とする機能的MRI装置 を開発し、一部は東京大学と共同で「想像」や「残像」など、人間の主観と思われる精神活動を含む高次脳機能の画像化を実現する成果をあげました。
その後、1995年に発表した光トポグラフィ法は、日立独自の画期的な脳機能計測技術として国内外で高い評価を受けるとともに、2001年に株式会社日立メディコによって製品化され、すでに約60台が出荷されています。光トポグラフィは、光を用いて大脳皮質の血流量を測定する安全で、人間に優しい脳機能計測法です。特別な測定環境を必要とせず、被験者を束縛しないために、自然な状態で脳機能を測定することができます。このため、従来は不可能と考えられていた乳幼児の脳機能描画や、学習・教育分野への応用などの全く新しい分野に道を拓いています。
この功績に対して、2003年1月には、1899年に創刊された米国の科学誌「MIT Technology Review」が選出する「2002年世界の四大ブレークスルー技術」に選ばれました。また、同年11月には、「ローマ法王庁科学アカデミー400周年記念シンポジウム」において講演し、法王に謁見するという栄誉を得ました。さらに、2004年3月には、「光トポグラフィ装置の開発と実用化」に対して、優れた生産技術の業績を表彰する大河内記念賞を受賞しました。
日立は、これまでも当社の技術水準を世界に認知せしめる顕著な業績を上げた社員を報いるため、フェローとして処遇しており、小泉技師長は5人目のフェローとなります。
日立は、今後も絶えざる先端技術への挑戦を通じ、次の社会に新しい息吹を与えつづけていきたいと考えています。
生年月日 |
1946年10月5日 |
出身地 |
東京都 世田谷区 |
学歴 |
1971年 6月 |
東京大学 教養学部基礎科学科 卒業 |
職歴 |
1971年 7月 |
日製産業株式会社入社 |
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1973年 9月 |
株式会社日立製作所に転入 |
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1979年 9月 |
那珂工場 光学装置設計部 技師 |
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1983年 2月 |
那珂工場 光学装置設計部 主任技師 |
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1992年 8月 |
中央研究所 主管研究員 |
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1999年 8月 |
基礎研究所 所長 |
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2001年 4月 |
中央研究所 主管研究長 |
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2003年 4月 |
基礎研究所 主管研究長 |
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2003年 10月 |
研究開発本部 技師長 (現在に至る) |
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2001年度より文部科学省/科学技術振興事業団(現在は機構)研究総括 |
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2002年度より経済協力開発機構(OECD)「学習科学と脳研究」 国際諮問委員 |
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2002年度より文部科学省スーパーサイエンスハイスクール 企画評価委員 |
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1999年度より日本原子力研究所 評価委員 |
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2000年度より原子力委員会 専門委員 |
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2000年度より北陸先端科学技術大学院大学 アカデミックアドバイザー |
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1995年度より東京都神経科学総合研究所 客員研究員 |
以上