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2004年1月15日
 

世界最高水準のランダムアクセス時間8nsと
データ転送速度4GB/sを実現した
144MbitキャッシュDRAM「HDL5KMシリーズ」を製品化

 
キャッシュDRAM「HDL5KMシリーズ」 (チップ部分の拡大写真)
 
 
  日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:古川 一夫、以下 日立)は、このたび、世界最高水準のランダムアクセス時間8ns(*1)、データ転送速度4GB/s(*2)を実現した144Mbit高性能キャッシュ(*3)DRAM「HDL5KMシリーズ」を製品化し、6月1日からサンプル出荷を開始します。
*1) ns : nanosecond、10億分の1秒
*2) GB/s : ギガバイト/秒、1ギガバイトは1,0243バイト
*3) キャッシュ : プロセッサとメインメモリの間に位置する高速メモリで、使用頻度の高いデータを蓄積し、低速なメインメモリへのアクセスを減らすことで、計算機性能を向上するために用いられる

  コンピュータやネットワーク機器の高性能化を実現するために、メモリは高速処理が可能なSRAMが採用されてきました。しかし、さらなる高性能化に対応するため、SRAM並みに高速で、DRAM並みに大容量のメモリを求めるニーズが高まってきました。

  本製品は、当社のデバイス開発センタが開発した製造技術である高速ロジック混載DRAMプロセスにより製造することで、144Mbitの大容量メモリを搭載しながらSRAM並みの高速動作を実現しています。そのため、高性能サーバのキャッシュメモリや、ルータまたはスイッチなどのネットワーク機器向けバッファメモリ(*4)やテーブルメモリ(*5)に使用することで、さらなる高性能化が可能となります。

*4) バッファメモリ : ネットワーク機器において、処理するパケットデータを一時的に蓄積するために用いられるメモリ
*5) テーブルメモリ : ネットワーク機器において、パケットの送出アドレスを検索する際のアドレス格納のために用いられるメモリ
 
■ 「HDL5KMシリーズ」の主な特長
1.144Mbitの大容量キャッシュDRAM
高速ロジック混載DRAMプロセスを用いて製造し、SRAMと互換性のある標準BGAパッケージに搭載しました。本製品を採用することで、SRAMで構成されているメモリシステムを4〜8倍に大容量化することが可能となります。また、1ビットあたりの単価をSRAMの四分の一以下に低減でき、コンピュータやネットワーク機器の大幅なコストダウンを実現します。
2.ランダムアクセス時間8ns、データ転送速度4GB/sの高速動作
ランダムアクセス時間8ns、ランダムサイクル時間8nsというSRAM並みの高速動作を実現しました。また転送速度が最大4GB/sでの読出し、書込みが可能です。さらに、Late Write方式(*6)の採用により、入出力バスでの読出しデータと書込みデータの競合を回避し、バスの高効率利用を実現しました。これにより、大容量の情報を高速に処理することが可能となり、コンピュータやネットワーク機器の高性能化に寄与します。
*6) Late Write方式 : Write動作時の書込みデータ入力タイミングを、読出し動作時のデータ出力タイミングと同一にする方式
3.ユーザニーズに柔軟に対応
同時に読出しまたは書込みが可能なx36、x18ビットのデータビット幅に加え、1または16のバンク(*7)数に対応しています。そのため、高性能サーバやネットワーク機器、画像処理システムなどにおいて、製品仕様に応じたデータビット幅やバンク数が選択可能なため、ユーザニーズに柔軟に対応します。
*7) バンク : 独立に読出し、書込みが可能なメモリブロック

■ 価格及びサンプル出荷時期
製品名 サンプル価格 サンプル出荷時期
HDL5KMシリーズ 25,000円(*8) 2004年6月1日
*8) 数量、条件に応じて個別に見積します

■ 製品情報のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/Div/ddc/product/product.html

■ デバイス開発センタについて
デバイス開発センタは、日立製作所の半導体開発生産拠点として、ストレージシステム、ネットワーク機器などの情報・通信装置や先端産業機器向けのLSIを、日立グループ会社及び外部顧客向けに開発・生産及び販売しています。また、半導体関連先端技術の開発受託やファンドリ事業も行っています。
 
 
以上
 
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