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2003年12月15日
株式会社 日立製作所
日本オラクル株式会社
日立と日本オラクルが、
ミューチップを使用した物流会社向け
ロジスティクスシステムを共同開発
株式会社 日立製作所(執行役社長:庄山悦彦、以下日立)と日本オラクル株式会社(代表取締役社長:新宅正明/以下、日本オラクル)は、このたび、主に物流会社向けの次世代ロジスティクスシステムである「リアルタイム・トレイサビリティ・システム」を共同開発しました。本システムは、日立の開発した世界最小クラスの非接触ICチップである「ミューチップ」と日本オラクルの位置情報を活用したシステム開発を支援するためのフレームワーク(*1)である「Oracle LBS(Location Based Services)フレームワーク」、既存の位置情報システム(以下、GPS(*2))を組み合せて開発したものです。
近年、物流業界では、小口輸送や時間指定配送、配送情報のメール通知サービスなど、多様な配送形態やきめ細やかなサービスが求められており、こうしたニーズに対応した物流システムの高度化が求められています。現在、この物流システムを支える基盤技術として、さまざまな場面でバーコードが活用されています。しかし、光学式の個体認識技術であるバーコードは、個別のスキャンが必要であること、保持できる情報量が少ないこと、汚れや形状の変化に弱いといった短所があることから物流システムのさらなる高度化には不向きであると言われています。このため、バーコードを用いた従来のシステムでは、荷物の行き先や時間など配送条件変更の即時把握やシステム化された情報による最適な配送ルートの選択を行うことが難しいといった課題があります。
こうした問題を解決するため日立と日本オラクルは、主に物流会社向けの次世代ロジスティクスシステムである「リアルタイム・トレイサビリティ・システム」を共同で開発しました。
本システムは、配達する荷物の箱、もしくは箱の中の荷物、伝票などに取り付けた「ミュー
チップ」のID番号を、ドライバーが持つミューチップリーダと既存のGPS受信機を取り付けたPDAなどの端末で読み取り、その情報をGPSを通して、「Oracle LBSフレームワーク」を用いて構築された物流センターのシステムに送ることで、「配送車が今どこを走っているか」「検索の対象となる荷物がどこにあるか」などの車両情報や荷物情報、位置情報、時刻などをリアルタイムに把握することができます。また、「ミューチップ」のタグを用いることから、情報の高い真正性が保証されるほか、荷物一つひとつの管理が行え、行き先や時間など配送条件の変更にも即時に対応でき、常に最適な配送ルートを選択することも可能になります。さらに、非接触ICチップである「ミューチップ」を使用することから、あらかじめ荷物の配送先や配送指定時間などの情報をシステムに登録しておけば、箱を開けなくても荷物の情報を読み取ることができ、伝票の記載なども不要になります。バーコードと異なり、汚れや形状の変化によりデータを読み込むことができないということも無くなります。
「リアルタイム・トレイサビリティ・システム」は、12月17日(水)、18日(木)に東京ビッグサイトにて開催される日本オラクル主催のイベント「OracleWorld Tokyo」に展示します。また、2004年1月から実証実験向けのサンプルを出荷する予定です。
(*1) |
アプリケーションを開発する際に土台となる部分を構成する複数のソフトウェアやアークテクチャ。 |
(*2) |
Global Positioning System |
■日立の「ミューチップ」について
日立が開発した「ミューチップ」は、0.4mm角の世界最小クラスのICチップです。製造工程で
データをROM(読取専用メモリ)に書き込むことから書き換えができず、高い真正性が保証されます。ミューチップは、これまでに、これらの特長を活かして、鋼材流通の現場における現品管理システムや2005年3月25日から開催される2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の入場券システムなどに採用されています。
■日本オラクルの「Location-Based Services」について
日本オラクルが開発した「Location-Based Services」は、位置情報を活用したシステム開発を支援するためのフレームワークで、移動体の位置を検索したり、通知したり、登録したりする機能を提供します。このフレームワークは、既存のビジネスデータと位置情報を連繋させるシステムの開発を容易にします。
(http://www.oracle.co.jp/rfid/、 http://www.oracle.co.jp/lbs/index.html)
■「OracleWorld Tokyo」における「ミューチップ」を用いたシステムの展示について
「OracleWorld Tokyo」では、日立の「ミューチップ」を使用した約10万人を対象とした来場者管理システムを日立アドバンスドサーバ「HA8000」とミラクル・リナックス株式会社のMIRACLE LINUX、日本オラクルのデータベースにより構築します。また出展会場では、日本オラクルの次期プラットフォーム製品である「Oracle 10g」とミューチップの組み合わせによる「来場者管理システム」のデモンストレーションを行います。
以上