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2003年12月15日
世界最大級のグリッドコンピューティングシステムを
岡崎国立共同研究機構から受注
日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:古川 一夫、以下 日立)は、このたび、岡崎国立共同研究機構(機構長:佐々木 和夫)から、スーパーテクニカルサーバ「HITACHI SR11000 モデル H1」と、日立アドバンストサーバ「HA8000/110W」によるグリッドコンピューティングシステム(最大理論ピーク性能:10TFLOPS(*1))を受注しました。本システムは、岡崎国立共同研究機構内の計算科学研究センターに設置されるもので、共有メモリ型計算機(*2)(「SR11000」) 1システム(50ノード)と分散メモリ型計算機(*3)(「HA8000」) 409台で構成される世界最大級規模のグリッドコンピューティングシステムとして、2004年3月に稼働予定です。双方の計算機の特性を活かし、異なる複数の大規模科学計算プログラムを連結して実行することが可能であり、グリッド環境を活用したアプリケーションプログラムの開発と新たな研究分野での適用が期待されています。
*1) TFLOPS : |
テラフロップス、浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力 |
*2) 共有メモリ型計算機 : |
複数のプロセッサでメモリを共有する計算機 |
*3) 分散メモリ型計算機 : |
専用のネットワークで計算機を接続し、メモリを共有しない計算機 |
本システムは、文部科学省が推進する「超高速コンピュータ網形成プロジェクト(ナショナル・リサーチグリッド・イニシアティブ、以下NAREGI)(*4)」において、岡崎国立共同研究機構分子科学研究所(所長:茅 幸二)がアプリケーション開発拠点として、東京大学、東北大学、京都大学、九州大学、産業技術総合研究所をはじめとする産学官諸機関との連携で進めるナノサイエンスを中心としたアプリケーション研究開発の実証インフラとなるものです。
NAREGIのアプリケーション研究開発では、計算科学的な手法により、次世代を切り開くナノサイエンスの知的基盤を形成し、産業技術への展開を目指した研究開発が行われます。わが国を代表する産学官諸機関が参加するNAREGIの研究開発の成果は、ナノサイエンスの促進、国際競争力の強化、及びナノ関連産業の市場規模拡大をもたらすと期待されています。
日立は、本システムの構築および運用サポートを行うとともに、アプリケーションプログラムの並列化やグリッド化、性能チューニングなどを分子科学研究所と共同で行います。さらに、グリッド技術の産業界への適用を推進する研究グリッド産業応用協議会(会長:日立製作所 執行役専務 中村 道治)にも参画し、本グリッドコンピューティングシステムを利用したナノアプリケーション研究開発ならびに本研究開発成果の産業実用化にも積極的に取り組んでいきます。
なお、今回のグリッドコンピューティングシステムは、ビジネス環境の変化に即応した柔軟かつ最適なシステム構築や運用の実現によってITリソースの存在を意識させず、ユーザがコアビジネスに集中できる環境を提供する日立のサービスプラットフォームコンセプトHarmonious Computingに基づいて構築します。
■ 岡崎国立共同研究機構について (URL : http://www.orion.ac.jp/ ) |
岡崎国立共同研究機構は、分子科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、及び、共通研究施設で構成されています。化学・物理学、生物学、基礎医学の各分野とその総合領域において、独創的な研究活動が行われ、それぞれの分野で多大な成果を上げています。また、分子科学研究所は、NAREGIのアプリケーション研究開発拠点として、ナノサイエンスを中心としてグリッド環境の実証研究を推進しています。 |
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以上