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2003年12月3日
微細加工品の量産を可能とするナノインプリント装置を発売
ナノインプリント装置
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日立製作所(執行役社長:庄山 悦彦、以下、日立)は、このたび、ストレージメディアの微細構造パターン、バイオチップのナノ構造体など、ナノスケールの微細加工品の量産を可能にするナノインプリント装置を開発し、2004年3月から発売します。なお、本装置の製造は株式会社日立インダストリイズ(取締役社長:石津 尚澄)が行い、販売は当社と株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:林 將章)、株式会社日立インダストリイズが行います。
ナノテクノロジーは、分子・原子のナノスケールの操作を可能とする技術であり、その技術は情報通信、バイオテクノロジー、環境、エネルギーなど広範囲の分野において新たな市場を創出すると期待されています。ナノテクノロジーは、計測技術、加工技術、材料技術などの複合技術であり、多方面の研究を集結して、基礎的な研究開発が活発に行われています。
ナノテクノロジーの中で、最も実用化に近い技術の一つと言われているものに、ナノインプリント技術があります。ナノインプリント技術は、金型を用いたプレス工法をナノスケールに応用したもので、微細な凹凸のある「型」を樹脂薄膜などの被加工材料に押し付けて成形するナノスケールの成型加工技術です。本技術を用いた微細加工品の線幅は、数十ナノメートルまで可能であり、電子ビームを用いてナノ構造を作製する方法に比べて、非常に安価に作製できるものです。
今回発売する本装置は、世界最高水準(*1)である70ナノメートルの線幅の微細加工品を作成することが可能(*2)です。例えば、ストレージメディアに応用した場合、記録ビットを分離して形成できるため、ノイズが少なく熱安定性に優れた記録メディアを作ることができ、記録密度を現在の製品の10倍(*3)に向上させることができます。
本装置は、基板と金型を自動搬送するための機能やナノ構造を大面積基板に一括転写できる機能を備えているほか、位置ずれ防止のため、弱い圧力、強い圧力の二段階による加圧を可能とする機能、ナノ構造を精密に形成するため、ほこりなどの異物の混入を防止するための清浄機能などを備えています。
なお、本装置は12月3日から米国 ボストンで開催されるナノインプリント・ナノプリント国際学会で発表します。
(*1) 当社調べ。
(*2) 金型や温度条件などによります。
(*3) 数社から発売されている製品との比較による平均。当社調べ。
以上