日立製作所(執行役社長:庄山 悦彦)は、「実力・成果による処遇」を一層徹底するため、管理職層以外の社員の処遇制度改革について、労働組合と協議を進めてきましたが、このたび、その内容について合意しました。今回の改革は、2000年に実施した管理職層の社員を対象とした人事・処遇制度の改訂に続くものです。
今後、新制度の本格実施に向けて2003年度内に評価者教育などを順次実施し、2004年度から新制度を本格的に実施する予定です。
当社では、これまでも「実力・成果による処遇」を基本方針として処遇を行ってきています。
1998年には、管理職層以外の総合職を対象に、資格等級ごとに求められる職務遂行能力を記述した「職能定義書」を職種別に作成し、「職能定義書」に照らした評価に基づいて等級格付を決定する新資格制度を導入しました。同時に、管理職層以外の社員の賃金体系について、年功反映部分を圧縮し、実力主義を徹底する方向での見直しを行いました。
2000年には、社員が共有すべき価値・行動規準を「HITACHI VALUE」として制定し、管理職層を対象に、「HITACHI VALUE」に基づいて評価した結果を人材配置、昇進・昇格等に反映させる新人事・処遇制度を導入しました。
今回の処遇制度改革は、「実力・成果による処遇」をさらに推し進める観点から、管理職層以外の社員全員を対象に、
- 各人の「仕事を通じた価値創造」の実力および成果をより公正・透明に評価する仕組みの整備
- その評価結果に基づいて各人の資格・賃金等の処遇を決定する仕組みの一層の徹底
を軸とする処遇制度改革を実施し、「『仕事を通じた価値創造』が大きい社員を、高く評価し、高く処遇する」ことをより明確化します。
管理職層以外の社員の処遇制度の主な改革内容は次の通りです。
- 「仕事を通じた価値創造の大きさ」を「能力」・「行動・プロセス」・「成果」の3つの評価要素に分けて評価する仕組みとし、各要素の評価の基準・方法を整理・明確化することで、評価の公正さ・透明性の向上を図ります。
- 評価に関して本人へのフィードバックを行い、透明性の向上と成長・能力開発の促進を図ります。
- 評価結果に基づいて各人の資格・賃金等を決定する仕組みを一層徹底し、学歴・年齢・勤続等の評価結果以外の要素による一律的な処遇取扱は基本的に排除します。
当社が今後も継続的に事業を行っていくためには、お客様に満足いただける「価値」ある製品・サービス等を提供していくことが必要であり、その実現のためには全社員がそれぞれの役割の中で「価値創造」に貢献していくことが欠かせません。今回の処遇制度改革を通じて、「仕事を通じた価値創造」に向けて社員一人ひとりのやる気と能力を最大限に引き出し、経営ビジョンの実現に向けて人材の一層の活性化を図ってまいります。
なお、管理職層については、2004年度から、現行制度を一部改訂し、実力・成果主義の一層の徹底を図ります。