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2003年10月28日
株式会社日立製作所
ディー・エイチ・エル・ジャパン株式会社
『日立、DHLとの連携により
世界規模のロジスティクスを抜本的に改革』
−製品直送化によりBPR推進と顧客満足度の向上を目指す−
日立製作所ユビキタスプラットフォームグループ(以下UBグループ)(CEO&グループ長 百瀬 次生、以下日立)は、ディー・エイチ・エル・ジャパン株式会社(代表取締役社長 スコット プライス、以下DHL)との連携により世界規模のロジスティクス改革である『Lプロジェクト』を実施します。本プロジェクトにより、日立は抜本的なBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング:業務の根本的改革)の実現による高効率経営システムの実現を目指します。
本プロジェクトは、海外販売拠点の倉庫を使用せず、日本や海外の生産拠点から直接顧客宛に商品を72時間〜96時間以内に直送する事により、連結ベースで7割の総在庫の削減を目的としています。さらに、それによるキャッシュフローの向上、及び周辺システムのIT化による業務効率の改善と顧客満足度の向上を目指します。
本プロジェクトは、本年度7月より欧州地区で販売の液晶プロジェクタによる部分的試行を実施済みであり、来年度4月より欧州全地域に展開し本格導入を図ります。その後順次米州、アジア地区と導入し、05年度を目途に全世界展開を完結させる予定です。
UBグループは、主要取り扱い製品である液晶プロジェクタ、プラズマテレビ及び監視製品の流通に対し、本改革を実施します。これにより得られる効果は、全世界向けの液晶プロジェクタのロジスティクス費用削減だけで年間約1.8億円を見込んでいます。更に、これまで各現地法人のリスクとなっていた市場価格変動時また販売不振時における市場在庫の偏在対応費用を、今後生産拠点で集中管理することにより、製品、部材の流動的な転用、活用を可能にする仕組みを構築し、連結ベースでの大幅なロスコスト削減を狙います。将来的には生産拠点在庫を受注生産(BTO)方式に切り替える事で棚残を減らします。顧客在庫を含めた総流通在庫を現行の3ヶ月分から1ヶ月分まで削減する計画です。
従来までのUBグループ主要製品(液晶プロジェクタ、プラズマテレビ、監視製品等)の海外での販売は、それぞれの国の販売会社が個別に倉庫を持ち、その倉庫に製品在庫を保持する事で顧客からの注文に応じて配送する仕組をとっていました。しかしながら、この手法には下記の問題点がありました。
従来の流通の問題点 |
1. 配送リードタイムの長さ |
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製造拠点での出荷から顧客に製品を納入するまでに長期間(約70日間)かかりました。それにより、連結ベースでのキャッシュフロー上の大きな問題がありました。 |
【従来の流通】欧州向け:出荷〜配送まで海上輸送の場合70日(下記図参照) |
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2. 在庫の偏在 |
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海外拠点毎に在庫を持つ形態のため、ある国では足りない製品がある国の倉庫では余っているといった在庫の偏在が生じていました。その結果、大幅な市場環境の変化による需要変動に対応できず、在庫切れによる販売機会の損失や過大在庫による評価損を計上する状況に陥っていました。 |
3. 海外現地法人の関連コスト上昇 |
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毎年、全ての製品に渡り発生する価格ダウンに対し、現地法人の固定費は上昇し続けており、収支は年々厳しくなる一方でした。この問題は従来の改革手法では克服不可能であり、柔軟な発想による抜本的な経営改革が求められていました。 |
本プロジェクトにより、次のような流通の仕組みを構築します。
Lプロジェクトの流通 |
1. 新たなロジスティクスの仕組み |
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DHLの、輸入通関方法などに付加価値を加えた輸送サービスであるブレーク・バルク・エクスプレス(BBX)により製品を生産拠点から顧客倉庫へ72時間〜96時間以内に直送します。 |
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(下記図参照) |
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2. 上記仕組みをサポートするITシステム構築 |
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現地販社・日本側を共にサポートするITシステムを整備します。具体的なIT施策は下記の通りです。 |
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受発注支援システム |
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販売会社からの注文書を、自動的に製造拠点あての出荷指示伝票に読み替えて伝送するシステムの構築 |
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営業向け・顧客向け拠点のリンク |
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オンタイムで市況の変化を把握しタイムリーな営業活動(価格、商品計画等)を可能にするために、顧客を含む全拠点をリンクし、受発注状況、配送情報、生産計画を共有で可視化できるシステムの構築 |
本プロジェクトにより、次のような効果を想定しています。
Lプロジェクトによる効果 |
1.費用削減効果 |
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従来、販社倉庫の運用により工場出荷〜顧客への納入まで70日間かっかっていたのを、直送システムを導入することで中間点の在庫をなくし、受注から納入までを72時間〜96時間に短縮し、大幅なキャッシュフローの向上を目指します。 |
2.販売業務効率化 |
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受発注支援システム構築によるIT環境の整備により、今までの伝票発行業務等にかかっていた業務を大幅削減し、営業が本来の受注活動に専念できる体制を整備します。さらに、日々の受注状況から、市場のトレンドをオンタイムで把握できることにより販売機会の最大化を目指します。 |
3.CS向上 |
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下記の点においてCS(顧客満足度)向上にも寄与し、結果的に日立の非価格競争力を強化します。 |
■ |
直送化により流通在庫の削減までを目標としている為、結果的に顧客のコスト負担が軽減されます。 |
■ |
顧客ポータルシステムおよびDHLの貨物追跡システムにより、顧客の発注した貨物が現在、流通過程のどこにあるか逐次検索可能になります。 |
■ |
直送に切り替える事で中間のタッチポイントが減り、貨物の損傷や盗難等の可能性が減るため、結果的に保険料率も軽減されます。 |
日立UBグループは、最終的には現地法人の在庫ゼロを目標に、究極のSCMオペレーションを目指します。DHLは、今後も総合ロジスティクスプロバイダーとして、陸、空、海の幅広い輸送網と、ロジスティクスの専門性を生かし、あらゆるニーズに柔軟に対応していきます。
【日立の概要】 |
会社名 |
: |
株式会社 日立製作所 |
代表社名 |
: |
代表執行役 執行役社長 庄山 悦彦 |
本社住所 |
: |
東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 |
資本金 |
: |
282,032百万円 |
年商 |
: |
2003年3月期 連結売上高 8,191,752百万円 |
従業員数 |
: |
連結従業員数 339,572名 |
事業内容および会社近況 |
: |
「情報通信システム」「電子デバイス」「電力・産業システム」「デジタルメディア・民生機器」「高機能材料」「物流及びサービス他」「金融サービス」の7部門に亘る幅広い分野において事業活動を展開している。 |
【DHLの概要】 |
DHLは、エアエクスプレス(国際宅配便)とロジスティクス業界のグローバルリーダーとして、あらゆる輸送ニーズに対応するべく、様々な革新的ビジネスソリューションを一括してご提供しています。世界各地の市場を熟知しているDHLは、ロジスティクス・ソリューションやエアエクスプレス、航空・海上貨物、陸上輸送などのサービスをグローバルに展開することで、世界220以上の国・地域を結ぶ国際ネットワークを保有しています。
DHLは、お客様が期待される以上のサービスをご提供できるように、最先端テクノロジーと17万人余りの従業員を擁し、迅速で確実なサービスのご提供をお約束します。
DHLは、ドイツポスト・ワールドネット(DPWN)の100%子会社で、ベルギーの首都ブリュッセルに本部を置いています。 |
【ディー・エイチ・エル・ジャパン株式会社 概要】 |
会社名 |
: |
ディー・エイチ・エル・ジャパン株式会社 |
本社所在地 |
: |
東京都品川区東品川1丁目37番8号 |
サービス開始 |
: |
1972年6月(DHLインターナショナルの日本支社として) |
設立 |
: |
1979年8月(日本法人) |
資本金 |
: |
5,000万円 |
従業員数 |
: |
約1,600名* |
国内拠点数 |
: |
31サービスセンター・営業所・事務所*
(他にエクスプレスセンター13カ所)
* 通関部門グループ会社 極東ディー・エイチ・エル(株)も含む
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代表取締役社長 |
: |
スコット プライス |
事業内容 |
: |
日本で初めてのエアエクスプレスとして1972年にサービス開始。
ビジネス書類から航空貨物までを、世界220以上の国・地域に、ドア・ツー・ドアで、安全・確実・スピーディに輸送するエアエクスプレス・サービスを実施。
詳しくはDHLホームページ(www.dhl.co.jp)まで |
以上