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2003年10月22日
株式会社 日立製作所
新神戸電機株式会社
 

ハイブリッド電気自動車用 高性能リチウムイオン二次電池の
出力・エネルギー密度を従来比1.5倍に向上

 
 
 
  株式会社 日立製作所(執行役社長:庄山 悦彦、以下 日立)と新神戸電機株式会社(執行役社長:臼井 正信、以下 新神戸電機)は、出力密度、エネルギー密度を向上したハイブリッド電気自動車(以下 HEV)用リチウムイオン二次電池を共同で開発しました。これまで日立グループが開発した従来のリチウムイオン二次電池と同サイズ(Φ40×108L)を試作、評価した結果、今回開発したHEV用リチウムイオン二次電池は、以下の性能を有することを確認しています。
 
出力密度 3,000W/kg (SOC注):50%、室温条件:25℃)
エネルギー密度 66Wh/kg (室温条件:25℃)
 
  電極材料および電解液の改良により、出力密度、エネルギー密度ともに、これまで日立グループが開発したものに比べ、それぞれ1.5倍に向上しています。
  さらに、開発した電池を48直列接続した新規開発モジュールにおいても、日立グループの従来品に比べ、体積で30%減、重量で10%減となり、さらなる小型、軽量化(15リットル、18kg)が可能です。また、出力も45kWと従来品の1.7倍の高出力化を実現しています。

  近年、地球環境保護や燃費向上を目的として、エンジンとモーターを動力源として併用するHEVの開発、製品化が世界規模で進められています。現在、主にニッケル水素電池がHEVの電源として採用されておりますが、ニッケル水素電池に比べエネルギー密度、出力密度の高いリチウムイオン二次電池は、小型・軽量化が可能であることから、車載用として大きな期待が寄せられています。

  日立と新神戸電機では、世界に先駆けて2000年にHEV用リチウムイオン二次電池を製品化しました。さらに2003年春には、新神戸電機製リチウムイオン二次電池が搭載された電動スクータが、ヤマハ発動機株式会社によって世界ではじめて量産されるなど、日立グループはリチウムイオン二次電池において経験と実績を有しています。
  そして、このたび開発したリチウムイオン二次電池を、48直列接続した新規開発モジュールは、車載時の設置スペースが小さく、軽量のため、HEVへの利用のみならず、軽車両、ハイブリッド鉄道車両、電力貯蔵装置など広範な分野への応用展開が可能です。

  今後、日立グループでは、開発したリチウム電池技術をコアに、グローバルな営業活動を展開していく計画です。

  なお、単電池の技術は、2003年11月4日から大阪で開催される第44回電池討論会(電気化学会主催)にて発表します。また、本電池と並行して開発を進めている小型、軽量化した新規モジュールのサンプルを、10月22日から(一般公開は25日から)幕張メッセで開催される第37回東京モーターショー2003、さらに11月15日から米国・カリフォルニア州ロングビーチで開催されるEVS−20(Electric Vehicle Symposium、第20回国際電気自動車シンポジウム)に展示します。
 
■用語説明
注) SOC:State of Charge
  充電深度、電池定格容量に対して、充電容量を割合で示した値(%で表示)
 
 
以上
 
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