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2003年10月21日
株式会社 日立製作所
松下電器産業株式会社
日立と松下電器が共同で
IPv6家庭内ネットワーク機器の相互接続仕様を策定し、
新たなIPv6アーキテクチャを開発
株式会社日立製作所(執行役社長:庄山悦彦 以下、日立)と、松下電器産業株式会社(取締役社長:中村邦夫 以下、松下)は共同で、高度なセキュリティ性を有する次世代インターネットプロトコルであるIPv6を、異なるメーカーの情報家電や宅内機器などの家庭内ネットワーク機器間で利用するための相互接続の仕様を策定するとともに、新たなIPv6アーキテクチャを開発しました。
なお、これらの技術は、両社が2001年5月に合意した、情報サービス分野や白物家電分野などの広範な提携に基づいて推進してきた共同開発の成果の一つです。
IPv6は、豊富なアドレス空間(*1)やプラグアンドプレイ(*2)機能を備えており、IPv6をホームネットワークに適用することによって、あらゆる機器を誰もが簡単にネットワークに接続することが可能となります。また、IPv6で標準仕様となっている認証・暗号機能により、安心で安全なホームネットワークを実現することができるようになります。
しかし、IPv6をホームネットワークに適用するためには、メーカー間の相互接続性の確立と、さらに、家庭内ネットワーク機器の用途に応じた性能を低コストで、かつ、CPU性能やメモリ容量などのリソース制限を意識した、これらの機器へのIPv6処理を実装するための技術革新が課題となっています。
このような課題を解決するため、両社は共同で取り組み、以下の成果を挙げることができました。
(1) |
IPv6を家庭内ネットワーク機器に適用する際の相互接続仕様の策定 |
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IPv6の豊富なオプション(パケットサイズの調整、暗号・認証アルゴリズムの種類等)に対してホームネットワークで利用するための相互接続仕様を策定することによって、この仕様に基づいた家庭内ネットワーク機器であれば、異なるメーカー間であっても相互接続が可能。 |
(2) |
家庭内ネットワーク機器に適用可能なIPv6アーキテクチャの開発 |
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IPv6処理を、CPUによるソフトウェア処理とコプロセッサ(*3)によるハードウェア処理とに最適に機能分割することによって、全てをソフトウェアで処理した場合に比べて10倍以上の高速化ができ、低価格なCPUで高速な通信が実現できるため、機器の低価格化が可能。そのため、CPU性能やメモリ容量などのリソースに制限があり、コスト要求が厳しいIP電話などのコミュニケーション機器に適用が可能。 |
今後、両社は本開発成果を家庭内ネットワーク機器に適用し、相互接続仕様の提案も含めてIPv6普及に貢献していきます。
*1 |
アドレス空間 |
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インターネットプロトコルでは、送信元や送信先を識別するための番号としてIPアドレスを使用します。現在使われているIPv4ではこのアドレスが32bitですが、IPv6ではこれを128bitに拡張し、使用できるアドレスの数(接続できる機器の数)が飛躍的に大きくなりました。 |
*2 |
プラグアンドプレイ |
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ネットワーク機器をネットワークに接続するだけで通信に必要な設定を自動的に行うこと。IPv6では、端末起動時に自動的にIPアドレスを割り当てる等の機能があります。 |
*3 |
コプロセッサ |
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CPUを補完し、性能を強化する特定分野の処理に特化した補助プロセッサ。代表的なものに、浮動小数点演算を行うものがあります。 |
以上