■開発の背景
301L以上の大型冷蔵庫市場に占めるツインドアタイプの比率は2002年度12%、2003年度25%と急伸し、2004年度では35%まで達すると予想しています(日立推定)。日立は本年2月に大容量でありながら奥行約60cmの薄型・省スペースツインドア冷蔵庫を発売し、ファミリー向け大容量ゾーンにおいて新たな需要を創出しました。従来500Lクラスで一般的であったツインドアを401Lの売れ筋ゾーンに採用し、なおかつ標準的な流し台と前面が揃う奥行の薄型サイズを実現したことが高い評価を得ています。こうしたことから今回、薄型・省スペースのコンセプトを継承し次世代のツインドア冷蔵庫として発売、市場におけるスタンダード確立をめざすものです。
薄型・ツインドアの需要が拡大している背景としては、居間などのスペースが重視され広くなることから、逆にキッチン内の作業スペースが減少し、省スペースで大容量かつ使い勝手の良い冷蔵庫のニーズが高まっています。最近の400Lクラスでは奥行が約70cmまで拡大しているので、標準的な奥行60cm、65cmの流し台と並べると大きく出っ張ってしまい作業動線を妨げる要因となっています。
またツインドアタイプは、冷蔵庫前のスペースが狭い場合でもドアの開閉が容易であること、置き場所を選ばないなど、使い勝手や設置性の良さなどが需要が急伸している要因と考えます。
今回はツインドアのラインナップとして、さらに内容積をアップした416Lで奥行60cm*3タイプに加えて、465Lで奥行65cm*4タイプをシリーズで開発しました。
冷凍食品は「手軽に使えておいしい」という意識が定着し生産量は高水準で推移しており、弁当のおかず類、麺類や軽食系・冷凍野菜など多様化も進み、消費量は10年間で約1.3倍*5に増加しています。こうした中、冷凍食品のまとめ買いの増加や大きさも様々な冷凍食品を庫内に押込んで保存している実態などから、フリーザーの収納性および整理性の向上が求められています。こうしたニーズをふまえ、フリーザーを大容量化することで収納性を向上し、ホームフリージングのごはんやカップアイスなど小物・薄物の収納に便利な「薄型スライドケース」を新たに採用することで整理性の向上を図りました。
一方、家庭での冷凍も省手間・節約志向の広まりから一般化していますが、味に対する不満は強くなる傾向が見られます。これは通常の冷凍だとスピードが遅いので食品の細胞が壊れ、うまみ成分がドリップとして流出してしまったりうまみ成分の劣化変質が進むためです。これを抑えるために-35℃の冷気を活用した「ハイスピード冷凍」を採用しました。さらに通常運転よりもハイパワーの冷凍を可能にする「パワフル冷凍」も搭載することで、今までできなかった「ホームフリージング食品を高品質に保存する」ことを実現しました。
『プロフリーザ!』とは「プロの料理人」のこだわりである冷凍食材の品質や、そのおいしさ、また、すばやく使いこなせる整理性やたっぷりの収納性をぜひ、主婦の方に使ってほしい。そんな気持ちを込めています。