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2003年7月23日
日立ホーム&ライフソリューション株式会社
中期経営計画実現のための国内事業構造改革について
―栃木・多賀両事業所のグループ会社を再編するなど、事業構造改革を加速―
日立ホーム&ライフソリューション株式会社(取締役社長:瀬端久仁雄)(以下:日立H&L)では、昨年4月の分社独立以来、中期経営計画を目標にして、様々な改革を進めてきました。今回、この改革の一環として来年4月をめどに連結ベースで国内の再編などを行っていくことを決定しましたのでお知らせします。
現在、世界的な流通体制の変革などによって、家電事業をめぐる環境は大きく変化しています。家電事業を継続的に発展させるために、事業運営のスピードアップ、開発・設計・製造・販売にわたる大胆で機動的な運営体制が必須となっています。
一方で、今後、我が国では少子高齢化社会の到来や急激に進む家庭の情報化を背景に、ネットワーク家電の普及なども見込まれ、ネットを応用した様々な新しいサービス事業が模索されています。
しかしながら、近年、デフレ・景気低迷などにより、国内の家電事業の環境は厳しさを増しており、日立H&Lでは、中期経営計画を推進してきたものの、設立初年度の昨年度においては、残念ながら赤字を計上する結果に終わりました。そこで今回、様々な面からスリム化が可能な組織などを検討して、グループの再編を行うこととしました。同時に、本日、日立H&L(個別)で、早期退職優遇制度などの実施について労働組合に申し入れるとともに、日立H&Lグループ会社に対しても同様の施策検討を要請して、構造改革をさらに加速していくことにしたものです。
現在、家庭用のエアコンや冷蔵庫などを製造している栃木事業所では、グループ会社の日立栃木エレクトロニクスが電子基板やリモコン等の設計・製造を、日立栃木マテリアルでは主に金属加工や部品成形等を担当しています。しかしながら、国内市場では、今後もエアコン、冷蔵庫共に大幅な市場の拡大が見込めないことから、組織統合による効率化を目指し、来年4月をめどに2社を合併することを決定しました。
また、主に洗濯機や掃除機などを製造している多賀事業所のグループ会社であり、井戸ポンプ用モーターなどの設計・製造など、作業請負を担当している磐城金属工業株式会社については解散・清算することとしました。
さらに今回、日立H&Lは、様々な観点からコスト構造の見直しを行った結果、中期経営計画を実効あるものにするには人員規模と構成の適正化が必要であるとの観点から、早期退職優遇制度を実施することとしました。
本日、日立H&L(個別)の労働組合に対し、本年9月より年内を通じて、早期退職優遇制度を実施することなどを申し入れました。今回の骨子としては、各種の支援プログラムを準備し、従業員の円滑な再就職に向けて様々な支援を積極的に進めていくというものです。本制度の実施に関しては、今後、グループ各社においてもそれぞれ検討して、個別に労働組合と協議し、内容・日程等について詳細を詰めていくこととします。
今般決定した再編は、新グループの発足以来かかげているスローガン、「Change For Our Customers」を実現すべく、これまで進めてきた中期経営計画の一環として行うものであり、狙いとしては、大幅な売上の伸びが期待できない現在の国内市場に合わせ、事業やコスト構造を見直し、競争力を再強化するために行うものです。
■中期経営計画とその成果について
日立H&Lは、昨年4月1日、日立製作所から分離独立し、家電製品の製造・販売事業を一体化した新事業グループとして出発、変革の波を先取りして、3つの柱を中期経営計画として掲げ、抜本的な構造改革をスピーディに進めてきました。
中期経営計画の基本的な考え方は、第一に、国内の販売・システム・サービス会社を統合し、製品単体のみの販売から、システムやソリューション事業へ転換を進めて、一般の消費者向けのビジネスに加えて、BtoBビジネスの拡大や新規事業の開発を図っていくことです。第二に伸張するアジア・中国市場を中心として、海外拠点の生産を増強することにより、海外事業を拡大します。さらに第三に"ダントツ商品"と位置づけた戦略的な商品開発力を強化すると共に、海外拠点から国内市場への持ち帰りを推進して、国内での事業収益の改善を図ります。日立H&Lはこの3つの基本方針に基づき、これまで以下の改革を進めてきました。
まず、従来の製品単体の事業からシステムやソリューションへの構造転換については、日立H&Lでは、本年4月1日、国内の販売会社を中心にエンジニアリングやサービス部門と営業部門を一体化した日立コンシューマ・マーケティング株式会社(東京都・港区)を設立しました。今後、大きな伸びの期待されるリフォームやオール電化などの新しい事業分野は、営業だけでなく、エンジニアリングや充実したサービス体制が不可欠となります。今回、各分野の専門性を融合し、新会社を設立したことで、今後、様々なソリューションサービスの提供が可能な体制を整えました。
照明分野では昨年10月、米国・ゼネラル・エレクトリック社とのランプ・照明器具販売の合弁事業を解消しました。この後この営業部門を照明器具の製造を行っている日立照明株式会社に譲渡した後、本年4月1日、管球・照明の製造を担当する青梅事業所(東京都・青梅市)と一体化して、開発・製造・営業を統合した日立ライティング株式会社(東京都・千代田区)を設立し、省エネルギーソリューションの提供に力を入れています。
またネットワーク家電分野では、昨年7月、松下電器産業株式会社とともに白物ネット家電システムの企画・開発について基礎的な技術開発を終了しました。現在、Echonetに準拠した白物ネット家電機器の開発や、家庭内のネットワークインフラを構築する新しいビジネスモデルの開発に取り組んでいます。
さらに、次世代の家庭用エネルギーとして注目されているヒートポンプ給湯機分野で、世界初の瞬間式のヒートポンプ給湯機を開発し、本年4月1日、ヒートポンプ給湯機事業グループを設立して、業務用にとどまらず、家庭用の新しいシステム事業に参入しました。
海外事業では、中国市場の競争激化に対応すべく、昨年4月1日、上海のエアコン製造・販売会社と、同じく上海所在の洗濯機の製造・販売会社を合併して、「上海日立家用電器有限公司」(Shanghai Hitachi Household Appliances Co., Ltd.)としました。
また2001年8月に設立した安徽省のエアコン製造会社「日立家用電器(蕪湖)有限公司」(Hitachi Household Appliances (Wuhu) Co.,Ltd.)は、昨年11月より量産を開始しました。
これらの結果、海外生産比率(日立H&Lグループの全世界の工場総出荷高に対する海外工場の総出荷高の割合)は昨年度39%となり、今年度は43%に拡大する見込みです。
さらに、"ダントツ商品"と名付けた戦略商品の開発としては、洗濯乾燥機の開発が挙げられます。この、洗濯乾燥機という新しい需要を創造して、技術的に難しい縦型の洗乾機で技術課題を解決した点を高く評価され、2001年に投入した「NW-D8AX」、2002年度の「NW-D8BX・D6BX」の3機種について、日本機械学会より技術賞を受賞しました。
また、冷蔵庫においても、奥行き約60cmのフレンチドアタイプの冷蔵庫「R-KF40RPAM」が大ヒットして当初の月産台数1万台体制を倍増させるなど、大型冷蔵庫の分野で新しいニーズを開拓することに成功しました。
日立H&Lとしては、今後とも、これらの従来の商品と明確に異なる高付加価値商品を"ダントツ商品"として位置付け、開発力を強化すると共に、事業収益の安定化のために、海外工場から国内市場への持ち帰りを拡大していく計画です。
今後とも、日立H&Lとしては、ハードからソリューションへ、国内からグローバルへ、そして新しい価値のある魅力的な商品の提供を通じて、"先端、未来を切り拓くブランド"、あるいは"グローバルな視点で選ばれるブランド"として「HITACHI」のイメージを牽引する事業グループを目指していきたいと考えています。
■海外グループ会社関係
【上海日立家用電器有限公司の概要】 |
会社名 |
: |
上海日立家用電器有限公司
(Shanghai Hitachi Household Appliances Co., Ltd.) |
本社所在地 |
: |
中華人民共和国 上海市 浦東新区 金橋出口加工区 |
代表者 |
: |
岩佐宏治(総経理) |
設立年 |
: |
2002年4月1日 |
資本金 |
: |
4,867万ドル(約58億円)(日立グループ60%(日立H&L 56.8%、 台湾日立股有限公司3.2%)、上海電器股有限公司40%) |
事業内容 |
: |
ルームエアコン、パッケージエアコン、洗濯機の製造販売 |
【日立家用電器(蕪湖)有限公司の概要】 |
会社名 |
: |
日立家用電器(蕪湖)有限公司
(Hitachi Household Appliances (Wuhu) Co.,Ltd.) |
本社所在地 |
: |
中華人民共和国 安徽省 蕪湖市 蕪湖経済技術開発 |
代表者 |
: |
吉井治郎(総経理) |
設立年 |
: |
2001年8月 |
資本金 |
: |
2,100万ドル(約25億円)(日立H&L90%、日立(中国)投資有限公司10%) |
事業内容 |
: |
ルームエアコンの製造 |
■国内グループ会社関係
【新会社の概要】 |
会社名 |
: |
未定 |
本社所在地 |
: |
栃木県下都賀郡大平町 |
代表者 |
: |
未定 |
設立日 |
: |
2004年4月1日(予定) |
資本金 |
: |
未定 |
事業内容 |
: |
金属加工及び家庭用・産業用電子電気機器の設計・製造・販売と保守サービス |
【日立栃木エレクトロニクスの概要】 |
会社名 |
: |
株式会社日立栃木エレクトロニクス |
本社所在地 |
: |
栃木県下都賀郡大平町 |
代表者 |
: |
矢部雄彦 |
設立日 |
: |
1968年12月3日 |
資本金 |
: |
2億円(日立H&L84%、中央商事(株)16%) |
事業内容 |
: |
家庭用・産業用電子電気機器の設計・製造・販売と保守サービス |
【日立栃木マテリアルの概要】 |
会社名 |
: |
株式会社日立栃木マテリアル |
本社所在地 |
: |
栃木県下都賀郡大平町 |
代表者 |
: |
大庭満雄 |
設立日 |
: |
1967年10月30日 |
資本金 |
: |
9,000万円(日立H&L80%、伊藤忠丸紅鉄鋼(株)20%) |
事業内容 |
: |
金属加工や部品成形・作業請負など |
【磐城金属工業の概要】 |
会社名 |
: |
磐城金属工業株式会社 |
本社所在地 |
: |
茨城県日立市 |
代表者 |
: |
田村禎三 |
設立日 |
: |
1979年4月1日 |
資本金 |
: |
6,500万円(日立H&L100%) |
事業内容 |
: |
井戸ポンプ用モーターの設計・製造等、事業所内作業請負等 |
【日立コンシューマ・マーケティング社の概要】 |
会社名 |
: |
日立コンシューマ・マーケティング株式会社
(Hitachi Consumer Marketing, Inc.) |
本社所在地 |
: |
東京都港区西新橋2−15−12(日立愛宕別館) |
代表者 |
: |
飯塚健一(取締役社長)(日立H&L常務取締役兼務) |
設立年 |
: |
2003年4月1日 |
資本金 |
: |
30億円(日立H&L100%出資) |
事業内容 |
: |
家電品・設備機器の販売・エンジニアリングと保守サービス |
売上高 |
: |
約3,500億円(2005年3月期目標) |
【日立H&Lの概要】 |
会社名 |
: |
日立ホーム・アンド・ライフ・ソリューション株式会社
(Hitachi Home & Life Solutions, Inc.) |
本社所在地 |
: |
東京都港区西新橋2−15−12(日立愛宕別館)
製造拠点(日立H&L(個別) 茨城県日立市、栃木県下都賀郡大平町) |
代表者 |
: |
瀬端久仁雄(取締役社長) |
設立年 |
: |
2002年4月1日 |
資本金 |
: |
250億円(日立製作所100%) |
事業内容 |
: |
家電品および周辺システムの開発、製造、販売</td |
連結売上高 |
: |
約4,920億円(2003年3月期) |
以上
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