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2003年7月2日
環境負荷を低減した製品を提供するため
「含有化学物質評価システム」を開発
新製品設計・開発段階で、各国・各社の規制対象化学物質にスピーディに対応
株式会社 日立製作所(執行役社長:庄山悦彦 以下、日立)は、日立グループが環境負荷の低減に向けて取り組んでいるグリーン調達に基づき、取引先(調達先)から提供された含有化学物質のデータを新製品開発に活用するための「含有化学物質評価システム」を開発しました。本システムの活用により、各製品の設計・開発段階において、材料や部品に含まれる各国・各社で規制の対象となっている化学物質について、全廃や削減にスピーディに対応することができます。
日立グループでは、1998年7月に、取引先に対して「グリーン調達ガイドライン」を示し、製品開発段階から環境負荷の少ない素材・部品を調達し、環境に配慮した製品づくりを進めてきました。また、この取り組みをさらに進めるため、取引先の環境保全活動に関する情報や調達品に含まれている化学物質情報などの環境関連情報について、インターネットを活用して収集する「グリーン調達システム」を2001年4月から導入し、グループ内で活用してきました。これまでに主要電子部品の9割の調査を完了しました。
「含有化学物質評価システム」は、「グリーン調達システム」のデータベースを効率よく使用するために開発し、部品ごとのデータを製品ごとに集計することや、各国・各社の規制の対象になっている化学物質を瞬時に判定できます。本システムを活用することによって、同様の作業に要する時間を、90%以上削減しました。また、設計システムと組み合わせることによって、代替部品情報の検索も可能になり、規制の対象となっている化学物質を含有している材料・部品の全廃や削減にスピーディに対応することができ、リアルタイムでの規制への対応や開発期間の短縮に貢献できます。
日立グループでは、「グリーン調達システム」へのデータ蓄積を推進していくとともに、今回開発した「含有化学物質評価システム」を活用して、環境負荷の少ない製品開発に努めていきます。
■含有化学物質評価システムの特徴 |
1. 製品に含有する化学物質のリアルタイムでの集計・評価が可能 |
製品の部品構成情報である「グリーン調達システム」の購入品ごとの化学物質データ、法律・企業別規制情報を用いて、製品に含有する化学物質をリアルタイムで集計し、また同時に出荷先毎に異なる規制への対応可否を評価する機能を有しています。これにより、各種規制への対応をスピーディに進めることが可能になります。 |
2. 特定の化学物質を含有する購入品の抽出による設計変更支援が可能 |
評価の結果、製品に特定の化学物質の含有が確認された場合には、部品構成情報の中から、特定の化学物質を含有する購入品のみを自動的に抽出する機能を組み込んでいます。この機能により設計者は、改善が必要な部品を瞬時に特定することが可能であり、さらに部品データベースを組み合わせた代替部品検索機能を組み合わせることで、効率良く設計改良を進めることが可能となります。 |
3. 購入品選定、認定を支援する部材単位での出荷先規制対応評価が可能 |
設計者が購入品の選定や認定を行う際に、その購入品を利用する製品の出荷先の規制、例えばRoHS指令(*1)など各種規制に対する対応状況をリアルタイムで評価することで、新規の購入品を調達する時点で製品に含有する特定の化学物質の全廃や削減を支援することが可能です。 |
(*1) Restriction on Hazardous Substances : |
EU(欧州連合)に加盟する15カ国で発効した、電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限指令 |
以上