株式会社 日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:古川 一夫、以下、日立)は、このたび、日立暗号ライブラリ「Keymate/Crypto(クリプト)」にストリーム暗号MULTI-S01(*1)を新たにサポートし、6月30日から販売開始します。今回、「Keymate/Crypto」はMULTI-S01をサポートすることで、電子政府推奨暗号の対象を拡大します(*2)。
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MULTI-S01は、日立が、総務省と経済産業省が共同で実施している暗号技術評価プロジェクト(CRYPTREC)に提案しました。MULTI-S01は2003年2月20日総務省と経済産業省が発表した電子政府推奨暗号 (共通鍵暗号、ストリーム暗号)に含まれています。 |
*2: |
2003年2月20日総務省と経済産業省が発表した電子政府推奨暗号リスト記載の各技術分野に対応した暗号アルゴリズムの全てのアルゴリズムを実装するものではありません。 |
近年、インターネットの急速な拡大により、eビジネスや、e-Japan重点計画に基づく電子行政などが進展するほか、ADSLや光ファイバなどの高速通信を利用したサービスが普及しています。このような中、ウィルスや不正アクセスなどの脅威が増加しており、データやファイルの秘匿、メッセージの認証、電子署名による本人確認などの技術を利用したセキュアなシステム基盤や、大量のデータを高速に処理できる暗号に対するニーズが高まっています。
「Keymate/Crypto」は、日立の暗号ライブラリ製品として、Triple-DESやRSAに加え、楕円曲線暗号や、AESなど、最新の暗号技術を製品化し、セキュアなシステム構築やアプリケーション開発を実現する開発環境および実行環境をマルチプラットフォーム環境で提供してきました。
今回、「Keymate/Crypto」に、秘匿と認証(改竄検知)を同時に達成することを特長としたストリーム暗号MULTI-S01をサポートしたことで、秘匿と認証を1つの暗号アルゴリズムと1つの共通鍵で暗号処理することが可能になります。これにより、秘匿と認証を別の暗号アルゴリズムと2つの共通鍵を必要としていたこれまでの暗号処理と比べて、鍵管理の簡便化と暗号アルゴリズム処理の高速化を実現できます。また、ストリーム暗号は、大量データを高速に暗号処理できるので、画像、動画などのコンテンツ配信システムの性能向上を図ることができます。 |