日立製作所 都市開発システムグループ(グループ長&CEO:角田 義人)は、都市開発ソリューション事業に本格参入するため、同事業を専門で行う組織として、5月1日付で都市開発ソリューション本部(本部長:石田 康)をグループ内に発足させました。今後は、同本部を中心に都市開発ソリューション事業に積極的に取り組み、2005年度には都市開発システムグループ連結で売上高約3,000億円の達成を目指します。
情報化、国際化、少子高齢化など社会情勢が大きく変化する中、これからの都市は、ユビキタス情報社会に対応した高度情報基盤の整備、災害に強い都市構造への転換、環境にやさしい社会の構築といった、様々な都市機能を向上させることが求められています。このように都市をめぐる環境が大きく変化する中、政府は2001年5月に都市再生本部を設立し、4次にわたる都市再生プロジェクトの決定や、都市再生緊急整備地域、事業構造改革特区の指定を行うとともに、PFI(Private Finance Initiative)対象案件の拡大といった規制緩和を進めています。これらの結果、既に官民で様々な都市再生プロジェクトが進められるなど、今後も都市開発事業においてビジネスチャンスが広がることと期待されています。
当社は、このような市場環境において、都市の機能向上を実現する都市開発ソリューション事業は重要であると考え、中期経営計画「i.e.HITACHIプランII」でも今後の重点事業の一つに掲げています。そして都市開発ソリューション事業を推進する組織として、従来エスカレータ・エレベータ事業を行っていたビルシステムグループを4月1日付で都市開発システムグループに名称変更し、さらに都市開発ソリューション事業への取り組みを強化するため、専門部隊として5月1日付で都市開発ソリューション本部を同グループ内に発足させました。
今後都市開発ソリューション事業を行うにあたり、これまでビルシステムグループがエレベータ・エスカレータなどの昇降機やビル総合管理サービスの事業を通じて培ってきた技術や経験を基盤に、当社が強みを持つ情報技術(IT)、エネルギー・環境関連技術、さらにはPFIやファイナンスといった分野で、日立グループが持つ技術・経験を融合することによって、構想段階から計画立案、設計、システムの構築、運用に至る日立ならではのトータルでのソリューションを提供します。そのために、都市開発ソリューション本部に各技術分野の専門家を日立グループから集めるとともに、今後都市開発システムグループが中心となり、日立ビルシステム、日立プラント建設、日立キャピタル、日立建設設計といった都市開発ソリューション事業に関係する日立グループ企業と連携を図ることで、地域再開発などの新規大規模プロジェクトからビルのリニューアルやコンバージョン(既存ビルの用途転換)、リサイクル事業などに一元的に対応できる体制を構築します。その他、商社、デベロッパー、総合建設会社等と連携することにより、事業参画機会の拡大を図ります。
これら都市開発ソリューション事業の展開により、2005年度には2002年度の約1.1倍にあたる約3,000億円の売上を目指します。 |