日立ホーム&ライフソリューション株式会社(取締役社長:瀬端久仁雄、以下日立H&L)はこのたび、瞬間式給湯機の使い勝手の良さと、日立独自のPAM制御技術によるエネルギー効率の良さを併せもつ家庭用「瞬間式ヒートポンプ*3給湯機」の開発に成功し、6月中旬から発売を開始します。
今回発売する製品は世界初の家庭用瞬間式ヒートポンプ給湯機で、日立がエアコンで開発したPAM(pulse amplitude modulation)制御技術を圧縮機に応用しています。PAMは従来のインバーター制御に比べてモーターの回転数を大幅に高め、省エネとハイパワーを両立した技術です。PAM圧縮機2台を搭載することでハイパワーを確保し「瞬間式給湯」が可能となり、消費電力は僅か5.0kW(定格時*4)ながら23kWの高出力を実現しています。また、年間平均COPは4.2と給湯機としては業界最高値を達成しました。これにより、エネルギー消費量が抑えられ、CO2発生量も最も少なく環境にも配慮した製品となっています。
さらに瞬間式給湯の特長として湯切れの心配がなく安心してお使いいただけるとともに、追い焚き機能も搭載しておりお風呂の残り湯が有効活用できます。
この製品の発売により、日立H&Lはヒートポンプ式給湯機事業に本格参入します。
*1 |
年間平均COP:標準気象データの東京、大阪の年間外気温発生時間におけるCOP値の調和平均値。
COPとはエネルギー消費効率(coefficient of performance)で、消費電力あたりの加熱能力を示し、値が大きいほど効率が高くなる |
*2 |
2003年3月28日現在 |
*3 |
ヒートポンプ:外気熱を蒸発器で汲み上げコンプレッサー(圧縮機)で高温・高圧に圧縮し、凝縮器で水や空気を温める方式 |
*4 |
定格条件:外気温16℃時に17℃の水を42℃まで温める場合 |
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型式 |
電源 |
希望小売価格(税別) |
発売時期 |
当初販売計画 |
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RHK‐23RBAV
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単相200V |
600,000円 |
6月中旬 |
5,000台/年 |
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■開発の背景
国内における家庭用エネルギー消費の約3割は給湯用です。現在、家庭用給湯機の需要は350万台であり、うち94%はガス、石油などの燃焼系です。給湯分野においては今後更なる省エネルギー化が求められており、ヒートポンプ給湯の導入にも期待が集まっており、こうした中、年間平均COP3.0のCO2冷媒を採用した貯湯式ヒートポンプ給湯機(「エコキュート」)が製品化され、注目を集めています。
このような状況を踏まえ、日立H&Lは、省エネルギー給湯機の新たなアプローチとして、現在エアコンで使用されている、オゾン層破壊係数ゼロの新冷媒R410Aを用い、世界初の家庭用瞬間式ヒートポンプ給湯機の開発に成功しました。
本製品は従来のエアコンの制御技術を活かし、日立独自のPAM圧縮機2台を搭載することで定格給湯出力23kWを確保し、「瞬間給湯」を可能としたほか、定格入力は電気温水器並みの5kWに抑えたため、家庭用単相200V電源での使用が可能です。
省エネ性では年間平均COP4.2と、給湯機としては業界最高値を達成し、環境性では15年間の生涯CO2排出量換算値において、使用済みとなって廃棄されるときの冷媒回収を前提として、その回収率を80%以上と試算すると、CO2排出量は給湯機においては最も少ない値となり、環境性にも配慮しています。
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製品名 |
瞬間式ヒートポンプ給湯機 |
種類 |
屋外設置式 |
電源 |
単相200V 50/60Hz共用 |
型式 |
RHK−23RBAV |
加熱能力
/
消費電力 |
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加熱能力/消費電力 |
定格 中間期 |
23kW/5.0kW |
夏期 |
17kW/3.0kW |
冬期 |
21kW/5.4kW |
年間平均COP |
4.2 |
最大電流 |
30A |
使用冷媒 |
R410A |
圧縮機 |
PAMスクロール圧縮機×2台 |
サポートタンク容量 |
90L |
外形寸法 |
高さ1,900×幅850×奥行450mm |
質量 |
180kg (満水時270kg) |
風呂機能 |
フルオート(自動湯張り、自動保温、自動足し湯) |
追い焚き機能 |
ヒートポンプ式 |
リモコン |
風呂リモコン、音声ガイド付き台所リモコン(同梱) |
最大使用圧力 |
190kPa(減圧弁170kPa) |
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表示条件:出湯はいずれも42℃
・ 定格条件(中間期):外気温度 乾球16℃、湿球12℃、入水温度17℃
・ 夏期条件:外気温度 乾球25℃、湿球21℃、入水温度24℃
・ 冬期条件:外気温度 乾球7℃、湿球6℃、入水温度9℃
・ 年間平均COP:標準気象データの東京と大阪の外気温発生時間数におけるCOPの調和平均値。
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