株式会社 日立製作所
株式会社 アークメディア
株式会社日立製作所(代表取締役社長 庄山悦彦、以下 日立)と株式会社アークメディア(代表取締役社
長 林田研、以下 アークメディア)は、民間建設工事における施工者の選定業務(見積合わせ)(*1)をイン
ターネット上で実現することで、建設業界におけるコスト削減と業務効率を向上する「施工者選定支援サ
ービス」を平成12年1月から共同で開始します。
建設業界における発注業務の情報化は、公共工事においては発注情報のインターネット掲示等が一部実
施されていますが、民間建設工事では、情報化の余地が大きく残されています。一方、設計事務所の図面
に基づいた建設会社の見積書作成には多大なコストがかかり、受注につながらないケースも多いため、収
益を圧迫しています。さらに、建築主や設計事務所も、書式の異なる膨大な見積書の比較検討に時間を費
やしています。このため、全国57万社、就業人口662万人の建設業界ではIT(情報技術)によるコス
ト削減と、業務効率の向上が望まれています。
アークメディアは、「真に役立つ建築情報」を目指し、建材の電子カタログ配信及び地方自治体条例等、
建築に関する総合的な情報を提供すると共に、電子カタログのCD-ROM制作配布、企業のホームページ制作
運用や情報化のコンサルテーション等を行ってきました。
日立は、見積支援、図面・仕様書交換、受発注支援、決済業務支援などの各種ビジネスアプリケーショ
ンサービスにより、お客様の企業活動をトータルに支援する企業間ECサービス「TWX−21」(*2)
を、インターネット上で提供してきました。
今回、日立とアークメディアは、建設業界向け統合ECサービス「アークメディア建築ネット21
(AA−Net21)(仮称)」(以下AA−Net21)を共同で開始します。「AA−Net21」は、両
社の企業間ECサービスと建築情報ノウハウを連携させることにより、民間建設工事に携わる企業(設計
事務所、建設会社等)のニーズに即したサービスをタイムリーに提供し、業界の情報化を飛躍的に推進さ
せることを狙いとしています。
「AA−Net21」の最初のサービスである「施工者選定支援サービス」は、設計事務所(施主側)、
建設会社(施工者側) 及び建材メーカーが会員となり、建築案件の予告や応募、見積合わせ等をインター
ネット上で実現し、施工者の選定業務を支援します。
本サービスでは、各建設会社が従来個別に行っていた積算業務(*3)を行う必要はありません。施工者選
定支援サービスが提供する、電子データ化された積算表(*4)をもとに見積書の作成が可能になります。
これにより、建設会社は積算業務のコスト低減が実現するとともに、見積合わせへの参加機会の拡大が図
れます。設計事務所では、同一書式の見積書を比較検討することで効率的に建設会社を選定することがで
きます。また、建設会社の選択の幅も広がります。建材メーカーは、電子データ化された積算表の製品や
材料データと、電子カタログがリンクされることで、効果的な製品アピールが可能になります。
最終的には、「施工者選定支援サービス」の利用による建築コストの低減が、建築主の利益に還元され
ると期待されます。
「AA−Net21」では、建設業界におけるサービスプロバイダーとして、今後、「分離発注サービ
ス」「サブコン(*5)選定支援サービス」「建材選定サービス」「CM(*6)支援サービス」等を提供してい
く予定です。
■目標会員数
平成14年末に、設計事務所 1,000社、建設会社 5,000社、メーカー 500社の加入を目標 としてい
ます。
■参加費
1.入会登録料/月会費
| 設計事務所 | 建設会社 | 建材メーカー |
入会登録料 | 無料 | 10,000円 | 10,000円 |
月会費 | 無料 | 5,000円 | 5,000円 |
2.見積合わせ参加料(建設会社のみ)
工事費 (目安) | 5千万円以下 | 1億円以下 | 3億円以下 | 6億円以下 | 10億円以下 | 20億円以下 |
参加費 | 50,000円 | 70,000円 | 100,000円 | 150,000円 | 200,000円 | 300,000円 |
3.積算費用(受注決定建設会社が負担)
工事規模により変動
4.電子カタログリンク料(建材メーカーのみ)
電子カタログリンク料(1リンクあたり) \500
■サービス提供開始時期等
サービス提供開始:平成12年1月4日
会員募集開始:平成11年11月22日
(*1)見積合わせ:比較的中規模以下の民間建設工事に多く用いられます。建築主に選ばれた建設会社数社
は、設計図より数量を拾い、単価を入れた見積書を作成して建築主(設計事務所)に提出します。建
築主(設計事務所)は各建設会社の見積書を参考にしながら、総合的に判断して施工建設会社を決定
します。
(*2)TWX-21:Trade Winds on Extranet-21。「21世紀のエクストラネットに吹く貿易風」をイメージした
名称です。
(*3)積算業務:設計図より、使用資材の種類及び使用量を算出する業務をいいます。
(*4)積算表:積算業務により算出された資材の種類及び量を一覧表にしたものです。単価を入力すれば見
積書が作成できます。
(*5)サブコン:左官工事、電気工事等特定の工事を行う特定建設工事会社をいい、多くの場合はゼネコン
(総合建設工事会社)の下請けで工事を行います。
(*6)CM:Construction Management(コンストラクション マネジメント)の略称です。
以 上
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